富士山静岡交響楽団 東京特別公演
指揮:高関健
ブルックナー/交響曲第8番ハ短調(ハース版)
2020年に静岡交響楽団と浜松フィルが合併してできた富士山静岡交響楽団。初めて(?)の東京公演。初めて聞きに行きました。
メンバー表を見ると管楽器群はけっこう客演が多い。ふだんもこんな感じなのでしょうか。
コンマスはゲストソロコンサートマスターの地位にある藤原浜雄さん。懐かしいお名前。読響のコンマスを辞められてからどのくらい経つのでしょうか。
藤原さんが”ドン”とコンマス席に座ると、扇のかなめがしっかりするようで素晴らしかったです。
ブルックナーの交響曲第8番は、若いころは「これぞ神」と崇め奉ってましたが、最近は聴いても気持ちは淡々としたもの。
でも、きょうの高関さん/富士山静岡響の演奏は、久しぶりに若いころ聴いて感じていたような胸の高まりを味わうことができました。
第1楽章~第2楽章は比較的淡々とした演奏のように感じましたが、真骨頂は第3楽章のアダージョと終楽章にありました。
まず藤原さんを中心とした弦楽器群が素晴らしい。1stヴァイオリン12名~弦バス6名と、この作品としては小ぶりな編成ですが、柔らかい響きでぬくもりが感じられます。
その弦楽器群に乗って、管楽器群がなかなか強力で、中でもトロンボーンの押し出しが凄い。TOPはプロパー首席の女性でしたが、ここぞの場面でもの凄い音を出してました。
トランペットTOPはゲスト首席で依田さん。これまた強力でしたが、ちょっと音が硬めで耳に痛い感じも。
ホルン、ワーグナーチューバはまずまず安定していました。
高関さんの音楽作りはどっしりしていて、第3楽章はかなりゆったりしたテンポで美しく堂々たる演奏。堪能しましたし満喫できました。
続く終楽章も「荘厳に、急がないで」の指示のとおり、泰然自若。テンポもアゴーギグも全くブレず、音楽を積み上げていくさまは感動的でした。
圧倒的なコーダで大伽藍を築き上げ、壮大なクライマックス・・・だったのですが、信じがたいほど間髪入れずのフライング拍手(しかもかなりの数の)が見事にぶち壊してくれました。
さすがにまいりましたが、それまでの演奏の素晴らしさを反芻して、何とか気持ちを立て直したいです。
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