沼尻竜典/京都市響 R.シュトラウス「サロメ」2023-07-15 京都コンサートホール | sakagumoのブログ

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最近は筆不精がたたって、読む専門です。

沼尻 竜典(指揮)
管弦楽:京都市交響楽団
田崎 尚美(サロメ/ソプラノ)
福井 敬(ヘロデ/テノール)
谷口 睦美(ヘロディアス/メゾ・ソプラノ)
大沼 徹(ヨカナーン/バリトン)
清水 徹太郎(ナラボート/テノール)
山下 裕賀(ヘロディアスの小姓/メゾ・ソプラノ)
 <オペラ・コンチェルタンテ>
音符R.シュトラウス:楽劇「サロメ」 作品54 (演奏会形式)

関西遠征、初日は(と言っても今日明日もみですが)沼尻さん指揮、京都市交響楽団でのリヒャルト・シュトラウス「サロメ」。


祇園祭、宵山には目もくれず北山へ。とにかく京都駅から凄い人出。あとでニュースで祇園祭の様子を映像で見ましたが、大変なことになってましたね。


沼尻さんはこの6月〜7月にかけて、神奈川フィル、京都市響、九州響と歌手陣を固定してこのサロメを集中的に取り上げてます。ちょっとした共同制作ですかね。沼尻さんはびわ湖ホールでもよくこの手の共同制作をやってました。


サロメといえば、昨年のアスミク・グリゴリアン/ノット/東京交響楽団の圧倒的な名演で、これを凌ぐものは当面ないだろうと思ってましたが、今日はそれとはちょっと別のアプローチで、肉薄する見事な公演となりました。


今の日本を代表するドラマチック・ソプラノの田崎さんが、今日も素晴らしかったです。よく通る声で、分厚いオケにひけをとりません。


今日は演奏会形式で、譜面台も3本ほど立ててましたが、小さな動きながら芝居心も満点で、歌ってなく座っている時なども、表情や小さな動きで役になりきってました。


7つのベールの踊りのあと、ヘロデにしつこくヨカナーンの首を要求するところなど、ドスを効かせた低音も迫力満点。


ちなみにヨカナーンの首(造り物の首)は出てこず、想像の中でイメージしました。


ヨカナーンの大沼さんは同役に必要な深い響きのバスが見事で、聴き応えがありました。歌手陣の歌う場所は、オケの前(指揮者の後ろ)でしたが、ヨカナーンはこのホール名物?のステージ後ろの座席の下手後方にある箱の中(パイプオルガンの横)でした。


地の底からでなく、上から声が聴こえるのはちょっとイメージが合いませんが、演奏会形式ならしょうがないでしょう。


ヘロデの福井さんは、いつもの福井さんの声。血管切れそうなくらいで、常にイライラしているこの役にピッタリでした。


沼尻さん指揮の京都市響は万全。先のノット監督の緊迫感に満ちた音楽作りに比べると温い感じもありましたが、その分シュトラウスのウィーン風な香りも漂ってくるかのように芳醇でした。日本でのオペラのオケは、東の東京フィル、西の京都市響ですかね。


あすは兵庫でドン・ジョヴァンニです!