都響スペシャル サントリー・ホール
指揮/アラン・ギルバート
ピアノ/キリル・ゲルシュタイン
管弦楽/東京都交響楽団
ニールセン:序曲《ヘリオス》op.17
ニールセン:交響曲第5番 op.50
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 op.30
ラフマニノフ生誕150周年ということで「これぞワールドクラスのラフマニノフ!」のコピーのもと、メインが協奏曲の構成。実際、これが本当に素晴らしかったです。
前半のニールセンは、都響らしいキレのあるダイナミックな演奏でしたが、どうにも入ってこないんですよね。
ギルバート/都響のコンビは、ぼく的にはよくあること(なんでかな?)。立派な演奏なのだけど、どうも響かない。昨年のブロムシュテット/N響での同曲の演奏の方がよほど熱かった。
後半のラフマニノフ。ゲルシュタインは大柄な体躯で、手も大きそう。じたばたせず余裕でラフマニノフを弾いている感じ。体格的に、圧倒的に有利ですね。
響きの厚みが全然ちがいました。さらに、小技も上手いときてます。
まさに草書体のラフマニノフ。けっこう早めのテンポで、草書体が過ぎていて、ときには合っているのかどうか分からないところもありましたが、大きな流れの中で説得力のある演奏でした。
ギルバート/都響のバックも素晴らしかった。前半と同じ16型の編成(弦バスは8本)、ピアノとかぶる場面では、ベールをかけたような押さえたアンサンブルで、ここぞの場面でオケを全開させる。かなり細かくコントロールしてましたが、流れはそこなわれませんでした。
これまで聞いたギルバート/都響のコンビで一番良かった印象です(マーラーでもブルックナーでもブラームスでもなく)。