東京フィル定期演奏会
指揮:ミハイル・プレトニョフ
ヴァイオリン:ユーチン・ツェン
♪チャイコフスキー/スラヴ行進曲
♪チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
♪ハチャトゥリアン/バレエ音楽『スパルタクス』より“アダージョ”
♪ハチャトゥリアン/交響曲第3番『交響詩曲』
オール・ロシアプロ。
チャイコのスラブ行進曲を聴くのはいつ以来だろう。思い出せないくらい前。
プレトニョフはいつものごとく、あまり闊達な指揮ぶりでなく、淡々と訥々と振る。でも出てくる音は、冒頭からロシアの情緒たっぷり。
何かコツでもあるのかな。久しぶりのスラブ行進曲。たっぷりとチャイコ節を堪能させてくれました。
続いてのヴァイオリン協奏曲。2015年チャイコフスキー・コンクールの最高位受賞者、ユーチン・ツェン。
めちゃくちゃ上手い。だけど音色は優しく攻撃的ではない。演奏もオーソドックス。これ見よがしなところが無いのは好感が持てる。
アンコールはタネガの「アルハンブラの思い出」。ギターの作品をヴァイオリンにアレンジしたもの。わざわざ難しくしたものだけど、実に器用に弾いてました。
後半はハチャトゥリアン2曲。「スパルタクス」から「スパルタクスとフリギアのアダージョ」。素晴らしかった。
ロシアのオケかのような、重厚だけど甘いロマンチックな音色を見事に作り上げてました。オーボエ・ソロ(誰か不明)好調。
後半、大きく盛り上がるところでのトランペットの豪快なソロ。ロシアっぽく、程よく下品なところが良い。
そして15人のトランペット・バンダ隊を要す、話題の交響曲第3番「交響詩曲」。祝祭的な機会音楽を交響曲に置き直したものだけど、その派手派手な展開はそのまま。
まぁ15人のラッパが一斉に吹くとやかましいこと。でもプレトニョフのコントロールは確かで、東フィルも上手い。
パイプオルガンが設置されていないこのホールで心配だったオルガンも、中々に質感のあるしっかりとしたサウンドを響かせていて、不足は全くないのは良かった(それでもサントリーやTOCのオルガンで聴いたイ方がなお良かったかも)。
中間部のメロディアスなところは、スパルタクスの続きか一部を聴くかのようで、いかにもアルメニア風。
終結部では再びバカみたいに盛り上がり凄かった。オケのメンバーは自分の音とか聞こえてたのかな?
珍しい作品をナマで聴けて良かったです。録音で繰り返し聞きたくなる作品ではないけど。
アンコールはやはりハチャの「仮面舞踏会」からワルツ。