都民芸術フェスティバル~オーケストラ・シリーズ
東京交響楽団
指揮/川瀬賢太郎
ピアノ/仲道郁代
♪ドヴォルザーク 序曲「謝肉祭」作品92
♪ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58
♪リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」作品35
今年の芸フェス、ぼくは室内楽2回、オケが今日の1回と例年並み。日経「私の履歴書」で再び話題になった方のカルテットは、あまりに劣化が激しくここに書く気にもならなかったけど。
今日は郁代さんのベトを久しぶりに聞いてみたくなったのと、若武者カワケンと東響のコンビやいかに…ということで出向きました。
最初のドヴォの序曲。芸劇は、とくに最後列の打楽器の音をバンバン跳ね返すので、バランスが難しい。
今日の演奏はそのあたり全く考慮せず、シンバルとタンバリンがバシャバシャやかましいこと。あまりにドカドカ打楽器群がやかましいので、それが抜けたところは、何とも薄っぺらい響きに感じてしまう。
続く演奏が懸念されたけど、ベトの打楽器はティンパニだけなので、ようやく落ち着く。
仲道さんのピアノ。使用ピアノはヤマハCFXとプログラムに記載あり。違いはよく分からなかったけど、わりと素直な、逆にいうと奥行きにない響き。
作品が作品だけに、仲道さんのピアノは、それほど押し出しの強いものでなく、粛々と柔らかで優しい音楽が奏でられる。
アンコールはシューマンのトロイメライ。
後半の「シェエラザード」が期待以上に良かった。今日の公演はオケ主催の定期演奏会でもないし、そつなく無難に流されてしまうかなと思ったけど、意外や中々に濃厚な演奏。
ヴァイオリン・ソロを受け持つコンマスは水谷晃氏。彼がまた絶妙なヴィブラートを駆使して、めちゃくちゃ甘くてロマンチック、良かった。
ここ最近シェエラザードは集中的に聞いてきたけど、N響・マロ氏、東フィル・三浦パパより数段良かった。
カワケンは若武者のごとくガンガン行くかと思いきや、第3曲までは意外と落ち着いた音楽作り。
最初のドヴォで気になった打楽器群のバランスもよく整えていたし、短い練習時間の中で、この作品を仕上げることに集中したかのよう。
次々と各パートのソロが披露される作品だけど、フルート:甲藤さん、オーボエ:荒井さん、クラリネット:ヌヴー氏、チェロのソロ(誰か不明)等々、みな抜群に上手く、聞かせてくれました。
第3曲までじっくり音楽を作り込んだカワケンも、終楽章では若武者ぶりを如何なく発揮。
ここでは、さすがに再び打楽器群も全開になって、バスドラ、シンバルのドカドカ、バシャバシャは耳に痛かったけど、まぁ勢いでしょうがないかな。
聞かせどころのメリハリをきっちりつけたカワケンの手腕や見事なもの。ソヒエフ/N響も良かったけど、今日の演奏は双璧(バッティ/東フィルを上回る)。面白かった。
アンコールは「花のワルツ」。終演21:15