まさかの4つめです。
シリーズにするつもりもなかったブログが、こんなに長く……。
でも、これが最後ですので安心して。
前回のものから読んでいただけるとスムーズかと↓
続々・子どもが元気に手をあげる姿がこんなに嬉しいものだとは
https://ameblo.jp/bounofuminori/entry-12462876464.html
https://ameblo.jp/bounofuminori/entry-12462876464.html
富士見台駅で一服を終えた僕は、明光キッズ富士見台へと向かいます。
会場はこんな感じ。
入ってパソコンの準備を済ました僕は、テーブルの微調整。
もろもろのスタンバイが整い、いよいよ開場です。
お母さんもしくはお父さんに連れられて、続々と会場に集まってくる子どもたち。
房野「こんにちはー!」
子ども「………こんにちは…」
まだまだ人見知り全開ですww
ざーーっとそろった子どもたち(と、保護者の方々)。
やっぱね、かわいいです。
子どもがたくさん。
座ってるだけで愛らしいですよね。
で、いよいよ本番。
「今日お話ししてくれる房野先生です!」
と、担当者さんに紹介され、みんなの前に立つ房野。
房野「こんにちはー! ブロードキャスト!!というコンビで芸人をやってる房野史典と言います。よろしくお願いしまーす!」
(拍手)
「どんな大人だ?」「芸人初めてみるな」「 楽しいのか今日?」「なにやるんだろう?」
こちらに向ける表情には、いろんな感情がギュッとつまってます。
房野「今日は戦国時代の話をするんですが、歴史好きな人います? なるほど、じゃキライだー!って人は? ほうほう。あれ、てか何年生が一番多いんだっけか? 3年生だよーって人?……」
などなど。多少のアイドリングトークで柔らかめにスタート(2、3、4年生が多かったかな? 1、5、6年生がパラパラって感じだったと思います)。
で、これは言っとかなきゃなーと思ったことから本編に入ります。
房野「最初に言っときたいんだけど……算数とか理科ってさ、ずっと答え変わらないでしょ? 昔から1+1=2じゃん。人間は酸素をすって、二酸化炭素を吐きだすでしょ。でもね、歴史って教科は、正解が変わります。
おじさんとか、パパやママが教わったものと、今これからみんながならう歴史は、違う部分があったりするんだ。
でもそりゃそうだよね。今日話す戦国時代なんかは、何百年も前のことだから、そのときのことを直接見たり聞いたりした人は誰もいないわけよ。
だから、研究がすすむたびに、どんどん新しいものになっていく。今日話す話も、今んとこの最新情報だと思って聞いてください。
なので、歴史っていうのは、正解を求めるっていうよりは、そのときなにがあったか、物語を知ることだと思ってください」
てなことを言っときたかったんですよね。子どもたちに。
そんなちょっとした思いを伝えたあとは、のっけから質問。
Keynoteで次の画面を出しつつ、
房野「じゃあまず最初に……『戦国時代ってなに?』まずこれですよね? 戦国時代がどんなのか、なんとなーくわかる人いる?」
このへんは手をあげてもあげなくても、どっちでもかまいません。
軽いスキンシップがわりの投げかけなんで。
しかし、
房野「お? 手上がった! じゃ、いってみよう。どうぞ」
男の子「室町時代の終わりのほう」
笑いました。
予想外すぎて。
おそらく3年生の男の子から、まさかそんな答えが返ってくるとは。
そして、幸先がいい。
房野「すごいな! こっちが用意した答えより、専門的だ!大正解! みんな拍手!」
ホント子どもって、「よく知ってるなー!?」とか、「すごいとこついてくるね!」ってことを急にほうり込んできたりしますよね。
だからおもしろい。
房野「いまの答えは正解だけど、じゃあちょっと戦国という時代がどんなものだったかを説明するね。これを見てみて……」
と、次の画像を出しながら、戦国時代の背景についての説明に入ります。
そこでしゃべったのは、下の「プロローグ」に書いてあるようなこと(ちょっと読んでみてください)。
ざざっとこんなようなことを説明し、あらかた理解してもらったような雰囲気を感じつつ……
房野「だからみんな戦ってたのよ。でさ、やっぱり戦う世の中になったのには、"キッカケ"があったんだ。それがこれ……」
『応仁の乱』の画像。
房野「なんかむずかしそうでしょ。元号ってわかる? いまはなんだ?」
子どもたち「令和ー!」
房野「そう! その前は?」
子どもたち「平成ー!」
房野「完ぺき! 平成の前の前の前の、ずーーーっと前が、この『応仁』。で、そのときにあったあらそいを『応仁の乱』て言うの。みんな『将軍』て聞いたことある?……」
ここから、少しだけ『応仁の乱』の説明です。
すると……
房野「……ていうタイミングで、子どもが生まれちゃったのよ」
保護者「アァー……」
リアクションが大きかったのは、子どもたちより保護者の方々。
その『アァー』は、
「ヨー、ロリン、サンダー(アァー)」
の『アァー』に似てました(アリスね)。
保護者のみなさんが冬の稲妻にうたれたあとは、いよいよ武将たちの紹介です。
房野「でね、応仁の乱がおこってから約70年後、戦国の世に、1人のカリスマが誕生するんです」
織田信長の画像ドーン。
『戦乱と混沌の世に登場したヒーロー』といった感を少し演出します。
武将の話をするとき、「なんかカッコいいかも…」と思ってもらうことは大切。
そこからも、子どもたちと対話しながら信長の話しをすすめます。
房野「……だったのよ。で、この戦い。(画像チェンジ)『長篠の戦い』って言うんだけど、信長は、このあと登場する徳川家康さんて人とタッグを組んだのね。それじゃ、信長と家康は誰と戦ったか、その相手がわかっちゃう人いる?」
女の子「(ピシッ!)」
房野「わ! 元気な手の上げかた! じゃどうぞ」
女の子「武田信玄の子ども!」
房野「すごい!! 100点! じゃもしかして、その武田信玄の子どもの名前がわかる人いるかな? …お、マジで!? そこの男の子どうぞ」
男の子「武田勝頼!」
房野「そのとおり!! 大正解!」
ホントすごい。
たぶん2、3年生の女の子と男の子。歴史が好きなんでしょうね(ちなみに「室町時代の…」と答えた子とは、また別の2人)。
でも、もはやあるあるかもしれません。
子どもたちが20、30人集まると、歴史好きが2、3人必ずいる。
いろんなとこでこれを感じます。
ということは、10人1人、いや、もう少し高い割合で、歴史が好きな子たちはいるのかもしれませんね。
そして、信長パートの最後に
房野「……ていうのが『本能寺の変』です。さ、ここで信長はなくなってしまいましたが、みんなに『信長のここを見てほしい』ってとこがあるんです。それは現代でも、というより、今だからこそ見習ってほしい部分で……」
明日に活かせるメッセージを送って(ナイショ)、
房野「よし、5分休憩しよー!」
ちょいと休憩です。
そこで、担当者さんがサササと近づいてきて、
担当者さん「房野さん、おもしろいです!」
の一言。
これは、素直に嬉しかったです。
どうやら、子どもたち、もっと人見知りから入るらしいんですが、今回は最初っからうちとけてる感じがあるとのこと。
これは、まあ、「芸人やっててよかった」って感じですかね。
休憩のあいだ、子どもたちとおしゃべりするのも楽しかった。
「武田信玄の子ども!」と答えた女の子とも、
房野「詳しいねー。戦国時代好きなの?」
女の子「(コクリ)姫が好きー!」
房野「あー、姫ね!」
女の子「家にね、浅井三姉妹の本がある! 姫の本はね、6冊持ってる!」
房野「6冊もー!? めちゃ持ってるな」
てな会話を交わしたり。
自分のことをしゃべるときの子どもってなんであんなかわいいんでしょうね。
その後も、豊臣秀吉、徳川家康を紹介しながら、クイズをしたり、グループで考えてもらったり、
とにかく楽しい時間は流れていきます(僕にとってね)。
子どもたちも、だんだんキャラを出してくるから余計楽しいんですよ。
歴史好きの子は、知ってることが多いからとにかく答えたい。
ふざけるのが好きな子は、とにかくボケたい。
みたいに。
房野「さっき、『自分が秀吉だったら、天下をとったら何をする?』 っていうのを考えてもらったでしょ。じゃあ秀吉は実際に、何をしたと思う?」
男の子「はい!」
房野「お! ちょっとまて……おまえ、ボケるつもりだろ」
男の子「(目キラキラ)」
房野「もう目が『ボケます』って言ってる。じゃあ、答えをどうぞ」
男の子「ゲーム!!」
房野「ほらボケた!www 天下を取ってゲームしねーだろ!」
男の子「(ビシッ!)」
房野「あ、今度はこっちの子いこうか!」
男の子「スイッチ!!」
房野「スイッチもゲームだろ!www いいですか、重大なことを言うのを忘れてました。この時代、ゲームはありません!」
保護者「(笑)」
しつこいボケに何度笑ったことか。
でもホント、その場の空気、空間て大切だと思うんです(ちょっとだけ真面目な話します)。
今回、挙手してもらうことに重きを置いたわけじゃありません。
手なんか挙げなくても、口々に思ったことを言えばいいんです。
大事なのは、
自分の考え、感じたこと思ったことを外に出す
ってこと。
もっと言えば、
自分が今、何を思ったかを確かめることが大切です。
僕がどんなにおもしろい話をしようが、聞いてるばっかりじゃ、ただ上っ面のデータが増えるだけ。
しかし、「自分だったら?」と考えたり、その考えを僕や友だちに向かって意見すれば、それが本当の知恵と経験になっていきます。
なので、考えたことであるならば、正解だろうが不正確だろうが、ボケだろうが疑問だろうが、当然ながら、もうバンバン言ってほしかった。
実は、講座の最初に「歴史は正解を求める教科じゃないよ」と言ったのは、ここにリンクしてるんです。
「だから思ったことは言ってね」の前フリというか、下準備だったんですね(刷り込みってやつかな)。
なんでも言っていい雰囲気から、素晴らしい意見て生まれますから(←いろんな人の受け売り入ってますけどね)。
間違った答えを言えば「もっと勉強しようか」、
ふざけた回答をすれば「真面目にしなさい!」。
子どもの頃からこれを繰り返されれば、そりゃなんにもしゃべらなくなっていきます。
「どうぞ萎縮してください」と言ってるようなもん。
小さいときから「手を挙げて正しい答えを言え」って、ハードル高すぎません? いろんな可能性も狭めてるし。
だから、「手を挙げようが挙げまいが、感じたことを言って」でいいと思ったんです。
それでも小学生の子たちは、比較的、思ったことを口に出してくれます。
これにだんだん圧がかけられると、大人になるにつれ、自分の考えを外に出すことを放棄していってしまう。
子どもたちの発信をそのまま許容することが、現段階で大人の僕たちが果たす役目なんじゃないでしょうかね。
自分の考えを持って、それを発信することは、この子たちの幸せにつながっていくんですから。
↑完全にいいことを言いました。
もうブログも終盤ということで、フルスロットルでいいことをぶち込んでみました。
あ、それと!!
「完全にいいこと」とはべつに「完全にいい発見」があったんです!
でも!
絶対書くスペースないから、また"次回へ"ってなるから、やめとく!!
機会がありましたら、書きます!
講座の最後にはクイズ大会を行い、それが終わってみんなで集合写真。
ホント楽しかった。
子どもたちはずっとステキでした。
「手を挙げても挙げなくてもいい」って書きましたが、「自分をあててくれー!!」と手をめいっぱい伸ばして自己主張する姿は、とてつもなくかわいかった。
これですよね。
ハチャメチャに元気な姿なら、なんでもアリだ。
終わったあと、ふと思ったんです。
「今日のこれ、オレの仕事なんだよな」
と。
あらためて、これが仕事だなんて、なんて贅沢なんでしょう。
楽しさしかない。
追伸
講座が終わったあと、本の販売をしたんですが、たくさんの子と保護者の方にご購入いただき、これまた本当に感謝しかありません。
近くでしゃべると、照れながらもニコッとする子どもたちの笑顔は、最高でした。
次々と本は売れ、みんな会場をあとにし、最後の1組。
お父さんと男の子です。
房野「あ、きみ、最後のクイズ大会で、武将の名前バンバン答えてた子じゃん! 武将の名前になったら急に強くなったね! なんでそんな知ってんの?」
お父さん「いやー、私が城が好きで、その影響です」
房野「あーそうなんですかー!」
お父さん「ゴールデンウィークもこの子と一緒に10コ以上のお城にいきましたから」
房野「10以上!? そりゃスゲーっすね」
お父さん「(男の子を見ながら)まだついてきてくれるうちに、いっぱい行っとこうと思って(照れ)」
なんてチャーミングなんでしょう。
こういうときのパパって、本当にかわいいと思いませんか。
思春期を迎えて親と一緒に行動しなくなる、その前に。限られた時間、息子に自分の趣味に付き合ってもらう。
愛情と哀愁の入り混じったその照れた顔に、父性のいいところが全部あらわれてました。
お父さん、お子さんも絶対楽しんでますよ。
房野「パパにいろんなところ連れていってもらって楽しいよな?」
男の子「うん」
房野「よかった」
男の子「でも…」
房野「?」
男の子「お母さんはあきれてる」
だよねー!
こういうときのお母さんはあきれるよねー笑