タイトルからもわかる通り、続きです。

前回のブログをご覧になってから、本編に入っていただけるとありがたいです↓

続・子どもが元気に手をあげる姿がこんなに嬉しいものだとは
https://ameblo.jp/bounofuminori/entry-12462667739.html


(ちなみに前々回のブログは→コチラ




長々と書き連ねた前回のブログですが、一言でまとめると、


「小学生にどうやって歴史のおもしろさを伝えよう!?」


ってことになります。

これ以上でも以下のことも言ってません。
なんだ、一言にまとめることできたんだ、と今気づきました。


さて、前回のブログの最後をご覧いただければわかる通り、ウダウダ言うのをやめた僕。


だって、



この期に及んでなに? って話ですから。


やると決めたことに対して、難しい理由を並べたところで、それがなんになる!?

それよりも、どうすればいいものが出来るかを考える!!

子どもたちに、どうすれば楽しんでもらえ、どうすれば伝わるかを考える!!

それに、大人向けにやってたものと比べるから、余計なことばっか考えちゃうんだ!

はじめてのことなんだから、はじめてなりに、最初っから作る!

「今まではこれでやってきた…」みたいなプライドも捨てる!

子どもに真摯に向き合う!
丁寧につくる!
これだけ!!


と、切り替えることにしました(なんて素敵な考えができる御仁なんでしょう)。


そこからは、担当者さんとメールのやり取りを何度も何度もです。

細かく細かく。

日程のやり取り。募集人数のやり取り。お互いの要望のやり取り。マネージャー紹介のやりとり。講座概要のやり取り。テーマのやり取り。どんな進行にするかのやり取り。その進行の細部のやり取り。

細かく細かくやり取りを重ねていきます。



あ、ここで断っておきますが、この講座をゼロから作りあげたのは、その担当者さんです。

細かいやり取りの舵をとっていたのも担当者さん。
「絶対成功させてやるんだ!」という熱意を持って、無事5月18日という本番を迎えられたのは、すべて担当者さんのおかげ。

なので、この講座の成功は、
9割以上が担当者さんの手柄です。
ということを先に書いときますね。



そして、本番1ヶ月前(だったかどうかはメチャクソ適当です)。
担当者さんと実際に会っての打ち合わせです(もちろんすでに面識はあります)。

確認事項を確認したあと、交わされた会話の中にこんなものが。


担当者さん「講座を受けるとき、子どもたちはパワポを見ながら、っていうものに慣れてます」
房野「ですよねー……」


メールのやり取りでも何度かパワポの話題は出ていたし、僕も以前から
「こりゃたぶん必要になるだろな……」
とは思っていました。


僕が普段やる講演では、ほぼパワポを使いません。
3年前、「超現代語訳戦国時代」という本が発売されて、

これね↑

その内容をしゃべるとなったとき、
仲良し作家、
もとい、
ただの友達・山口トンボくんにパワポを作ってもらったことがあったんですが、その講演内容以外のときは、パワポを使ったことがありません。

「とにかくしゃべって、気が向いたらホワイトボードに書き込む」
というのが僕のスタンスです。

僕が使ってるPCはMac。

そこには、Keynote という、パワポみてーなアプリがあるんですが、
「いずれ使ってみるか…」とは思いつつ、まったく手をつけていませんでした。

ではなぜ、パワポないしKeynoteを使わないのか。
それには、3つの理由があります。


1、必要に迫られてない。

2、Keynoteに頼ったプレゼンは中身がなさそうだから。

3、作るのめんどくさい。


1〜3を比率にすると、1:1:2という感じなんですが、今回ばかりは絶対使った方がいい。

大人の方なら2時間の講演も、休憩をはさみつつだったらお話を聞いてくれるでしょう。
しかし、子どもにその時間
「ずっとおしゃべり聞いといてね」
というのは酷だし、話術だけで子どもの関心をつなぎとめておけるほど、僕はトークマスターじゃありません。

というか、2時間子どもの心を掴んどくなんて、おしゃべりだけだとアンパンマンにもプリキュアにも無理なんじゃないでしょうか。

というわけで、

房野「わかりました。Keynote(パワポ)作ります」

とお返事することに。

そこからはもう、かなりの時間をKeynote作りに捧げることになります。

なんせ、初めてちゃんとさわるKeynote。プレゼン資料をPCで作ることも初めて。
やり始めると、

楽しくて仕方ありません。

"かなりの時間を捧げることに"、なんて書きましたが、すすんで捧げてましたから。
細かいとこにこだわり出すと、歯止めきかなくなる性分を持ってる……みたいで、もう途中から、

「さっきからグラデーションの変化調整してるけど、べつに子どもたち注目しないって!」
「写真の大きさをミリ単位で合わせてるけど、さっきと今で何が違うんだ!パッと見はもう均等になってるよ!」
「ここの構図どうしよう……(30分経過)……考えすぎだろ! まず手つけろ!」

と、自分にツッコミながら、それでもこだわりが止まらないという状況でした。


ほんで、やーっとこさ完成。


今回の講座のタイトルを入れた1枚目がこんな感じ。

バックにさらりと自分の本の宣伝を入れ込む、商魂たくましい房野。

文字が動いたりするアニメーション効果を存分にいれて、子どもたちが多少は視覚で楽しめるものになった。んじゃないかと思ってます。

そののち、講座の本番を終えたあと、僕がパワポ(Keynote)を作るのが初めてだということを知った明光義塾さんのスタッフの方が、

「え!? 初めてだったんですか!? そうは思えなかったなぁ…」

と驚いてくださっていたので、まぁいい出来だったんだとは思います(非常に嬉しい)。


Keynoteも完成させ、講座の内容もかたまりました。

担当者さんと僕の考えるものを組み合わせた結果、こんな感じの中身に↓

・今回取り上げるのは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人。

・小学6年生でならう戦国時代の出来事を入れ込む。

・もちろん教科書に書かれていない説明や、ほかのエピソードも、房野判断でいれる。

・「もし自分が信長だったら、このときどうする?」と投げかけ、自分ごととして考えるパートをいれこむ。

・そのほかにもクイズや、考えて発表する場面をふんだんに入れ、子どもたちの発言を促し、インタラクティブな空間にする。

・武将の考えや学んでほしいポイントを伝え、明日からの自分たちに活かせる講座にする。


だいたいこんな感じのことを決めました。

とにかく僕が一方的にしゃべって、授業感がでるのは避けたい。
「遊んでたら、知ってることがちょっと増えた」というのが理想です。

それに、やっぱり入り口は、信長秀吉家康にかぎります。

戦国時代はこの3人から入るのが一番だし、結局重要な出来事は、ぜんぶ彼らの人生に紐付いてますから。

たまに、"戦国時代の知られざるエピソード"なんかをテレビや人づてで知った人が、

「おもしろいなー! こんなの教科書に載ってなかったよー。学校の勉強でもこういうことを教えてくれたら、歴史好きになってたのにー!」

という感想をもらすのを聞いたりします。

その意見もわかるんですが、
教科書に載ってる出来事こそ、メチャクチャおもしろいものばかりなんですよ、実は。

だって、歴史の数あるエピソードや出来事の中から、「これは重要だよ」というランキングをつけて、上から選んだような出来事が教科書に載ってるわけですから、とんでもない事件ばかり。

おもしろくないわけがないんです。

たとえば、秀吉の「刀狩り」や「太閤検地」にしても、今風に言えば、かなり大がかりな国家プロジェクトで、それをやった理由が実は……
みたいに、実態を知るとおもしろいのは、むしろ教科書に載ってる事柄だったりするんです。

つまらないと感じるのは、それになんの意味があったかが、伝わってないだけ。

てことを踏まえると、子どもたちにまず最初に知ってほしいのは、上の3人の偉業なんですよね(2時間じゃ足りないくらい)。


講座のテーマも、進行の形態も、それを補助するKeynoteも準備万端。

いつのまにやら、
「子どもたちにどう伝えりゃいいんだ?」
と悩んだあの感情はどこへやら。

もう心の中を占めるのは、
「早く当日になって……!」
というワクワクばかりです。

それでも、やはり自分にとってはチャレンジングな企画ですから、ちょっぴりの不安は残り、それがほどよい緊張を生んだまま、むかえた


本番当日。


朝10時という、わりと早めの開始時間のため、僕は9時に現場に入ることにします。

家から富士見台駅は、およそ1時間。

シャキッと目の覚めた朝、足取りは軽く、僕は最寄り駅へと向かいます。

途中何度も乗り換えがあるのですが、はやる気持ちが行動に出てしまいました。

もともとかなり余裕を持って出発していたのに、乗り換えのたび、

「あれ、思ったより早くホームに着いたぞ。一本早いやつに乗ろう」

と、乗り換え検索で出た電車より早いやつに乗っては、

「ん……? これこのまま乗ってたら違うとこ行くじゃん!!」

ということを繰り返すこと、2回。

それでも、どうにか無事、練馬駅まで到着。

そこで、担当者さんとたまたま遭遇します。

今日のことや世間話をしながら、いよいよ富士見台駅に到着です。

「ちょっと早く着いたんで、一服してからいきます」

と、特に意味もなく、最後に1人の時間を作る僕。

あと少しで、本番開始。

準備に時間をかけたものを発表する前って、いつも心地いいムズムズがあるよなぁ。

なんてことを思いながら、空を見上げる入り時間10分前。

1時間後には、子どもたちに向けた特別講座が始まります。





つづく。