田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける
田子の浦港から広い海に漕ぎ出してみると雪に覆われた雄大な富士が見えるというような意味でしょうか、美しい景色の綺麗な海を想像すると思います。
しかし駿河湾の最奥部にある田子の浦は富士市を中心とする岳南地域にあり、戦後は、食品加工・化学繊維・自動車・電機などの大企業が進出し、加えて関連中小企業の設立や設備投資が相次ぎ、工業地域として発展しました。
昭和30年代に入り県は産業基盤整備を重点とした総合開発計画を策定し、この岳南地域に駿河湾臨海工業地帯の拠点とする「工業港」の建設を決定し、昭和33年4月から工事に着手しました。
昭和39年4月には重要港湾、41年4月には関税法による「開港」の指定と、名実ともに国際貿易港として発展しましたが、昭和40年代後半になると、‟ヘドロ公害”が深刻となりました。
そんなヘドロの海をテーマに制作されたのが、1971年の東宝映画‟「ゴジラ対ヘドラ」”です。
宇宙からの生命体がヘドロの海・海洋汚染で赤褐色となった駿河湾で公害物質を糧に成長し、ゴジラでさえ窮地となり、被害者数は1千万人近くというゴジラ史上最凶の怪獣となったのです。
そしてゴジラとヘドラの最終決戦は富士の裾野の乾ききった荒れ地で行われますが、この頃は大井川の水は枯渇し、富士の裾野も映画のように乾ききった荒れ地でした。
1960年、大井川中流部に‟塩郷堰堤(一般的には「塩郷ダム」と呼ばれているが、河川法におけるダムの定義である15.0 mに満たないため、堰として扱われる)”が完成し、導水管による下流の中部電力川口発電所への送水を開始した。
以降、堰堤から川口発電所(約20km)区間では夏の河原砂漠・冬の砂嵐、河床低下を引き起こ
大井川の枯渇は1980年代になるとさらに深刻となり、‟「水返せ運動」が起こりました。
こういう歴史を経てやっと取り戻した大井川の水。
川勝元知事を左翼という人もいるが、本来は極右と言われ、リニア推進派だった川勝元知事。
しかし大井川の水問題だけは絶対に譲れなかったのでしょう。
全長25㎞の南アルプストンネルが通る赤石山脈(通称南アルプス)は中央構造線や糸井川静岡構造線はじめ、大きなものだけでも6つの断層を横切る、断層だらけの地質。
また大昔は海底だった‟付加体”が盛り上がって出来ており、現在も1年間に4~5ミリも上昇を続けている。
そして断層があれば水を通しやすい破砕帯があり、大量湧水の危険性がある。
出典:ルート選定経緯に静岡県苦言 JR「高圧湧水は避けられず」【大井川とリニア】|あなたの静岡新聞
当ブログではこれまでにもリニア新幹線の工事による水枯れを取り上げてきたが、今回は岐阜県瑞浪市で起きた。
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どうしてリニアの工事を止めないの? 他でも影響出る可能性あるのではないの?
— 木野龍逸 (Ryuichi KINO) (@kinoryuichi) May 16, 2024
もう、環境に影響出るのが前提になんだろか
『JR東海は14カ所で水位の低下を確認し、トンネル工事による湧水が原因とみている』
⇨リニアが影響、水位低下 岐阜県内、工事は継続 JR東海https://t.co/h7Ow7YMm60
しかしこれまでメディアは取り上げなかったが、リニア工事による水枯れはあちこちで起きていた。
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岐阜県大湫町の地下水低位や水枯れの件。水枯れはあちこちで起きるのに、なぜメディアは今まで報道しなかった?リニアにおける水枯れなら山梨リニア実験線での事例は外せない。裁判資料ではJR東海が明らかにし水枯れ・減流は34ある。★写真1枚目 上野原市の「棚の入沢」。かつては釣りのメッカ。 pic.twitter.com/mQvBDyGHif
— 樫田秀樹 (@kashidahideki) May 16, 2024
私のような老い先短い年寄りにはさほど影響無いが、次世代、次々世代のために自然を壊すのを止めて欲しいと思います。