円安と火力発電と再エネ | 夢老い人の呟き

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今日は日銀政策決定会合。

為替レートは昨日夕方に予想どおり1ドル155円を超え、現在155円台半ば。

為替介入はまず無いと見られていますが、多分今はまだ為替介入への警戒もあって日銀の会合を注視しているのではないでしょうか。

 

そして日銀政策決定会合の報告がされたら、その後は・・・・・・・。

多分1ドル155円は通過点にすぎず、さらに円安は進むのでしょうか。

円安と物価上昇のダブルパンチに怯えながら為替レートの行方を注目しています。

 

 

円安が直撃する化石燃料輸入価格

 

私事はさておいて、エネルギー資源は全て輸入の日本。

円安は化石燃料の輸入価格に直結し、電力等のエネルギーコストを直撃します。

 

昨年12月の国連の気候変動対策会議COP28」で民間のNGOから、「日本が石炭火力発電所などを延命させ、再生可能エネルギーへの移行を遅らせている」として、ニュージーランド・アメリカとともに「化石賞まじかるクラウン」を受賞した日本。

 

では日本の火力発電の割合はどれくらいかと見てみると、資源エネルギー庁が定期的に発表している統計データによると、2024年2月末に公表された、2022年度の国内の発電量の79.8%が火力発電でした。(LNG:45.4%、石炭:42.2%、石油:3.2%)

出典:【2024年最新】火力発電における燃料の使用量と種類について解説!日本の発電量の電源別割合は?

 

 

 

エネルギーコストが上昇する火力発電

 

■円安

1ドル155円台は通過点という見方が強い円相場ですが、どこまで下がるかは分かりません。

これだけ円安が進行すると、火力発電に要する化石燃料の輸入価格があがり、発電コストも高くなります。

 

■カーボンプライシングなど脱炭素政策

また脱炭素のために”「カーボンプライシング」”などの政策が取られ、例えば企業はCO2発生1トン当たり○○○円といった形で税金を納めねばなりません。

 

ちなみに電力を使用する企業がどうやってCO2排出量を計算するかというと、電力会社は自社の電力のCO2排出係数を公表していますので、使用電力のCO2排出係数電力使用量から計算します。

 

■電力使用によるCO2排出量

例えばTEPCOの2022年のCO2排出係数0.376 kg-CO2/kWhです。(2022年度のCO2排出係数について|お知らせ|東京電力エナジーパートナー株式会社 (tepco.co.jp)より)

  • これは発電時の電力1kWh 当たりのCO2排出量ですから、その事業所の使用電力量0.376を掛ければ発電時に排出した二酸化炭素量が計算されます

それでは電力会社はどうやってCO2排出係数を計算するかというと、水力、太陽光、石炭火力などの発電方法(用いるエネルギー)によって排出係数が決まりますが、CO2を出さない電力ほど高く売れる事になります。

この点でも火力発電は不利です。

 

 

火力発電を減らし再エネを増やす必要がある

 

環境破壊のメガソーラーもあり太陽光アレルギーの日本ですが、日本の将来を考えると環境に配慮しつつ工夫して再エネを増やしてゆく必要があります。

 

太陽光以外にも地熱発電陸上/洋上風力発電もありますし、太陽光発電地上は農地などに使用しながら、その上を太陽光発電に使用する方法や、最近の技術なら”ペロブスカイト太陽電池”でビルの壁だって発電に使えます。

 

何よりもシリコン型などでは完全に中国に席捲されてしまいましたが、次世代太陽電池なら中国に先行して市場の覇者となる事が可能ですし、そうならなければ日本は勝ち残れません。

 

また円安の今だからこそ、国内産業を育てる絶好のチャンスです。

 

 

原発は?

 

原発は2019年3月時点で”廃炉決定・検討中”が24基あり、多分現在決定しているのが22基だと思いますが、現在18基が”廃止措置中”です。

 

発電コストは発電所の建設から運用中に掛かる全てのコスト、そして発電所の廃止に掛かる全てのコストを合計し、運用中の全発電量で割って求めますが、これまでに廃炉が行われたことは一度もありません。

 

廃炉にかかる費用は廃炉積立金制度で積み立ててはいますが、実際に廃炉となれば廃炉費用や放射性廃棄物の処理等どれくらいかかるかは定かではなく、大幅に不足すると言われています。廃炉が行われ始めれば費用が大幅に増え、発電コストが上昇する可能性があります。

"東電1社で8兆円 廃炉費積み立て決定、逃げ道なく - 日本経済新聞 (nikkei.com)"

 

 

また日本では最も発電コストが安いとされる原発ですが、世界的には最も発電コストが高いとされており、極一部を除けば古い原発しかない日本ですが、これからは割に合わなくなると言えると思います。

 

出典:Wikipedia‟Levelized cost of electricity