2023年の婚姻数47万6千件の見通し、出生率は1.20前後。女性が結婚したくない国。 | 夢老い人の呟き

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親日家のイーロン・マスクさんが 「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ消滅するだろう」 とツイッターに投稿して波紋を呼んだが、 2023年の日本の年間出生数は72.6万人、対して死亡者数は2022年のデータであるが156万8961人

 

一般に出生率と呼ぶのは合計特殊出生率のことで、 1人の女性が生涯に産む子どもの平均的な人数で、15〜49歳の女性が産んだ子どもの数を基に毎年算出する。

そして人口を維持するためには、出生率が概ね2.07を保つ必要があるが、2023年の見通しは1.20前後と絶望的な数字。

 

 

さらに出生数に結びつく婚姻数は2023年は47万6千組と激減しており、これは2~3年遅れて出生数の低下として現れるでしょう。

 

 

以下引用

2023年の出生数(日本人)は、前年に比べて4万人以上少ない72.6万人となる見通し。減少率は▲5.8%減となり、16年以降減勢が加速した中でも、19年と並ぶ最大の減少率となる公算。

合計特殊出生率は、過去最低であった22年の1.26を下回ることが確実。1~9月の人口動態統計概数から試算した23年の合計特殊出生率は、1.20程度になる見通し

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)から、23年4月に公表された将来人口推計(日本人)の出生数(中位)との比較では、23年の実績が推計値を1万2千人下回ることになる。社人研の将来人口推計では、24~30年は出生数が横ばいで推移し、74万人以上を維持するとしており、合計特殊出生率も2030年に向けて徐々に回復し、その後長期にわたり1.30以上を維持する見通しとなっている。しかし、足元23年の実績値は中位推計を下回り、先行きも中位推計から大きく下振れして推移する展開となることが懸念される。

大幅な出生数減少の背景には、コロナ禍で顕在化した婚姻数の減少がある。23年の婚姻数は、前年対比▲5.8%減の47万6千組となる見通し。婚姻数は、コロナ禍に見舞われた20年に大幅減少したのち、22年はその反動からわずかに持ち直し。その後、コロナ禍が収束したことで、結婚を先延ばしにしていた人たちを中心に巻き返す動きが期待されたが、2023年に再び大きく下振れた形
以下省略

 

 

 

婚姻数は昭和45年(1970年)がピーク(102.9件)ですが2021年には51.4万件に、そして2023年の見通しは47万6千件と激減しています。

なお日本の総人口のピークは2004年12月の1億2784万人ですが、2024年2月1日現在は1億2399万人で、前年同月に比べ64万人(0.51%)減少しています。

 

出典:内閣府男女共同参画局  結婚・離婚・再婚件数の推移

 

 

婚姻数とは対照的に未婚率は年々高まり、2020年には男性の生涯未婚率25.7%、4人に1人以上が生涯未婚となっています。

女性の未婚率も高まっており、30~34歳の未婚率が35%を超えています。

出生率が下がるのは当り前だと思います。

出典:社会実情データ 年齢別未婚率の推移

 

 

 

これらのデータのように晩婚化、未婚化が進んでいますが、その原因や背景は何でしょうか?

 

1人でいる方が気楽で良いと、「ソロ社会」化などとポジティブに捉える向きもありますが、たくさんの人が好きな異性と一緒にいるよりも1人の方が良いというのは私には分かりかねます。

 

晩婚も未婚も個人の意思でそうする分には他人がとやかくいう事ではありませんが、「出来れば結婚したいが出来ない人」もいるのであれば、結婚しない理由、できない理由はなんなのか尽き留め、改善しないと少子高齢化はますます進み、高齢化率の上昇と共に現役層の負担はどんどん大きくなってゆきます

 

 

まずは“財務省の「なぜ未婚者が増えているのか ―その背景分析―」”を見ると・・・・

 

 

駄目だこりゃ汗

こんな調査結果からは何の社会的な問題も浮かばず、改善策など浮かばないでしょう。

 

 

少し自分なりに考えると、次のような事を思いつきます。
 

収入格差の広がり

収入格差が広がり続けており、年収が低い人は結婚をためらう、あるいは諦める。

参考までに相対的貧困率を見ると下図のようになる。

「相対的貧困層」とはごく大雑把にいうと所得中央値(高所得の人から低所得の人まで順番に並べた時に中央となる人の所得で、平均所得よりも低い)の1/2以下の所得の層だが、グラフから高齢層だけでなく20代男性の貧困が多い事が窺える。(下図出典:相対的貧困率の動向

 

女性の社会進出…キャリアを中断されたくない

女性の社会進出が進んだことで「仕事を優先したい」という女性も増加しているそうです。

女性は結婚・出産によってキャリアが中断されることも多く、「それなら結婚しないほうが良い」と考える女性が増えたとの事。

 

正規で働く女性の「生涯未婚率」男女逆転の衝撃 女性は年収が上がるほど未婚率が高まる”によると、高収入の女性ほど未婚率が高い結果になっています。

 

子育て、教育の経済的負担

現代の日本では子育ては経済的に大きな負担です。

女性が働いても、保育所などを利用すればその分収入は相殺されてしまいます。

また定員がいっぱいで、そもそも保育サービス自体が利用できず負担が強いられることもあります。

 

さらに教育にかかる費用も高く、公立校に通わせても進学させようと思ったら塾等費用が掛かり、さらに大学は学費が高く、奨学金で賄っても卒業後長期間奨学金の返済に苦しむ人が少なくありません。

そういう状況から結婚を諦める人もいるし、そもそも自分自身が奨学金の返済に苦しんでいる人は結婚どころではないかもしれません。

 

女性は家事・育児の負担が大きく、割に合わない

昭和の親父の時代は男性は頑張って働き、女性に家庭を守ってもらうと考える人が多かった。

しかし今は男女ともに、「女性も結婚しても働く」と考える時代。

 

ところが家事や育児に対しては昭和の親父のような男性も多く、家事や育児は妻任せという男性も少ないくないらしい。

その結果女性の負担の多い結婚生活に魅力を感じない女性が増えているのではなかろうか?

 

モラハラやDVに対する離婚の大変さ

共同親権の問題でツイッターに女性と弁護士の投稿が増えたが、モラハラやDVで離婚する大変さは我々の想像とは全然違うようです。

 

日本は裁判所のキャパが小さくDVが認められ難く、またDVを取り扱う弁護士も少ないとのこと。

共同親権の条件にもDV除外とは入っていますが、「DVが認められないのでは?」と不安を持つ女性が多ようです。また共同親権が導入されたら、子供を連れて避難施設や実家に避難しても誘拐とされるのではないかという不安もあり、共同親権が導入されたらもう結婚など出来ないという女性の声も多数あげられています。

 

しかもすでに離婚している夫婦にも遡及するという事で、とんでもない悪法となる可能性がありそうです。

 

 

共同親権共同監護を混同、あるいは親権と監護をセットと誤解している人が多いが、親権が無い元夫にも子供に対する扶養の義務があり養育費は払わねばなりません。

 

ところがそういう元夫に限って養育費をバックレますし、妻子を虐待するような男は共同親権となったから養育費を払うかといえば否でしょう。

 

一方共同親権となると、子供の入学などの子供の進路を決める時には両親の印鑑が必要となり、虐待から逃れた母子にとっては大変な脅威です。

 

 

また、有名な人が次のような投稿をすると誤解する人が多いでしょうが、親権が無くても養育費は払わねばならず、共同親権になったから経済的に楽になるという事はありません

逆に果たすべき扶養の義務を果たさなかったような男に、共同親権を持たせたら非常に危険です

ひろゆき氏の言うような良心的な元夫なら、離婚などされなかったでしょう。

BAD SUMPLE

 

 

 

さて、それではどうしたら良いと思うか?

➀最初に述べておきますが、現在の日本のように人権意識が低い状態では共同親権は結婚の妨げになるでしょう。

➁結婚できない男性を減らすためには、経済格差を縮小させる経済的な政策が必要でしょう。

また女性に対しては結婚でキャリアを無駄にしなくて済むようジェンダーギャップの少ない社会とする必要があるでしょう。

③昔と違って核家族化している現在、子育てに対する負担は結婚への大きな障壁です。

これは政府と自治体が真剣に取り組む必要があります。

④一般家庭取っては塾や大学の学費等、教育に掛かる費用は大きな負担です。

大学までの学費の公的負担も未婚と少子化を防ぐためには必要です。

⑤そしてこれからの日本は昭和の頃のように、男性が結婚したからといって家族手当や住宅手当等で収入が増える事はあまり期待出来ないでしょう。ならば男性は昭和の親父感覚を捨てて家事も育児も共同参画し、世界ジェンダーギャップ指数ランキング146ヵ国中125位の現状を改め、かつてのように結婚が幸せだと思える社会にしなければ未婚率は低下しないと思います。

 

 

民事連帯契約(通称PACS)

またあくまでもツイッターから受ける印象ではありますが、結婚に不安を持つ女性も多そうです。

それは虐待されても離婚までの道のりが厳しそうというのが理由のひとつでしょう。

 

ならばスウェーデンやフランスが取り入れている 民事連帯契約(通称PACS) を導入したらよいと思います。

これはキリスト教のカトリックは宗教上離婚が禁止されていますが、そのためかフランスも離婚が大変で、それが結婚への足枷となっていました。

  • そこで取り入れたのが民事連帯契約(通称PACS)で、これは同性・異性を問わず共同生活を営もうとするカップルを対象とする契約(非婚カップル保護制度)です。
  • 当事者自身が相互の権利と義務の関係を決めて契約書を自由に作成、それを裁判所に提出して公証してもらうことにより、当事者だけでなく第三者にもその効力を発生させるものです。
  • 手続が簡単でどちらか一方の姓を名乗る必要はありません。
  • これにより結婚しているのと同様の法的権利を受けられます。
  • 契約破棄(離婚に相当)は両者の同意は不要で、一方からの通告のみでよいことになっていますので契約することに対する敷居は低いかと思います。

これにさらにN分N乗税制を取り入れれば、カップルの納税額が減る可能性があり、子供が生まれればさらに税額が下がります。

 

 

「このまま何も改めなければ日本は消滅するかも知れない」と危機感を持って改善する事が必要ですが、高齢者にそれを期待しても無理でしょう。

若い人たちが自分の未来を考えて、それを実現するために政治に関わってゆかなければ、何も変わらないと思います。