またまた日航123便事故の事で恐縮ですが、今年が最後かもしれませんのでお赦しください。
陰謀論者以外にもあの事故の原因について疑問を持つ人は多いようです。その原因の一つは事故原因が一般の方にも理解できるように、しっかり説明されることが少ないからだと思います。
マスコミが取り上げる「専門家」なる人達は大抵乗員上がりの評論家など、ボーイング747型機の機体構造やシステムの細部まで知り尽くしているとは言い難い人たちで、ネームバリューの無い地上の技術職など見向きもされません。
下記は本日私のブログを訪れた人のブログに書かれていた一節ですが、こういう疑問を持っている人は多いと思います。
謎だらけの事件事故です。圧力隔壁が破損して、垂直尾翼を飛ばして。。。強い強い垂直尾翼を飛ばす程の強烈な圧がかかったにも関わらず、後部にあるトイレや、人間を機外にすっ飛ばされないなんて。。。そんな非常識な事、あり得るんですかね急減圧は無かったらしいし。以下省略
なお現在上の文書は削除され、‟ ALPA Japan/日乗連 日航123便に急減圧はなかった ”というページが残っていますので、まだ急減圧を否定しているのかも知れませんが、刊行物の紹介だけなので内容は不明です。
なぜ私はこれらの意見を否定するのか?
これは重整備で機内の内張やシーリングパネル(天井板)が剝がれた状態の機内や、あるいは貨物機の機内を見た事があれば、容易に想像できることです。
下図はボーイング747型機のシーリングパネルやサイドウォールパネルやフロアパネルが取り付けられていない状態ですが、天井裏は殆どガランドウです。
そしてシーリングパネルは厚さ1㎝くらいの、紙に近いような素材の軽いハニカム構造です。
圧力隔壁が破れれば、機内の空気は弱いシーリングパネルをとばして、天井裏を流れて圧力隔壁開口部からStabilizer Compartmentに流れるのは当たり前です。
出典:Fichier:Boeing 747-230 Schleswig-Holstein 33.JPG
ところが多分「専門家」なる人たちも、乗員も客室乗務員もサイドウォールパネルやシーリングパネルに囲まれた客室内しか見た事がないのでしょう。
ジャンボ機の機体構造、客室内の構造はこのようになっているとい説明など皆無で、一般の方が納得できないのも当たり前でしょう。
ですからいつまで経っても「客室最後部の化粧室が壊れないのはおかしい」、「客室内を前から後に強い風が吹かなかったのはおかしい」、「やはり圧力隔壁が壊れたというのは嘘だ、真実は隠されているのだ」という幼稚な話が絶えることがなく、これからも続くでしょう。