地下を流れる川・地下水脈、柿田川、白糸の滝、丹那トンネル、南アルプストンネル。 | 夢老い人の呟き

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日本の地下には川が流れている。

もちろん地下に川など流れるわけはありませんが、悠久の時を経て地下水脈が、伏流水が流れています。

 

 

柿田川

 

日本の三大清流のひとつ、日本名水百選の一つにあげられる柿田川

 

ここから湧き出る水は富士からの伏流水です。

 

 

白糸の滝

 

日本の滝百選にも選ばれている他、日本三大名瀑に選ばれることがある。国の名勝天然記念物。「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として世界文化遺産に登録されている白糸の滝。

(Wikipedia白糸の滝より引用)

上の写真の左手の滝は川からの水だが、その右側に広く流れ落ちる滝は崖の途中から流れ落ちています。

これは 古富士泥流堆積物の上に白糸溶岩流が位置し、溶岩流の各層の隙間から富士山の地下水が流れ出ているのです。

 

 

 

丹那トンネル

 

こんな処にトンネルと作ったらどうなるだろう?

ジオサイト伊豆、北伊豆には丹那盆地(Tanna Basin)があり、その下を丹那トンネルが通っています。

 

かつて丹那盆地は至るところから水が湧き出る水の豊富な処で、水田やワサビが作られていました。

しかし丹那トンネルによって、水がめの底が抜けてしまいました。

丹那トンネルの工事は大正7年から昭和9年なので、戦後生まれの私もつい最近まで知らず、丹那は酪農の地だとばかり思っていました。

 

丹那盆地の地質

 

以下Wikipedia丹那トンネルより引用

 

この付近は活火山箱根山から続く火山地帯で、トンネル自体は活動を止めた熱海火山(多賀火山とも呼ばれる)の山体を貫いている。通常、火山の山体には緻密な溶岩流層と十分固結していないでできた層が存在する。そのため大量の水を溜めたり湧き水として湧出させたりするが、丹那トンネルの上部にある丹那盆地も地下に大量の地下水を溜めていた。またトンネルは活発な活断層である丹那断層を横切っており、トンネル掘削中の1930年にこの断層を震源とする北伊豆地震が発生した。この断層以外にもトンネルは4か所の大きな断層帯を横断しており、大湧水を伴う1か所の火山荒砂帯とともに、工事進捗の阻害要因となった。

 

 

大量湧水

以下Wikipedia丹那トンネルより引用

 

丹那盆地の地質構造から、トンネル掘削は大量の湧水との戦いだった。トンネルの先端が断層や荒砂層に達した際には、トンネル全体が水であふれるような大量の湧水事故も発生した。湧水対策としては、多数の水抜き坑を掘って地下水を抜いてしまう方法がとられた。水抜き坑の全長は本トンネルの2倍の15kmに達し、排水量は6億立方m(箱根芦ノ湖の貯水量の3倍とされる)に達した。

トンネルの真上に当たる丹那盆地は、工事の進捗につれて地下水が抜け水不足となり、灌漑用水が確保できず深刻な飢饉になった。住民の抗議運動も過激化したため鉄道省は丹那盆地の渇水対策(貯水池や水道等の新設、金銭や代替農地による補償等)にも追われることとなった。現在でも、完成した丹那トンネルからは大量の地下水が抜け続けており、かつて存在した豊富な湧水は丹那盆地から失われた。例えば、湿田が乾田となり、底なし田の後が宅地となり、7カ所あったワサビ沢が消失している。

 

 

現在丹那トンネルからの湧水は1日10万トン。

この水は函南町と熱海市の上水道に使われていますが、これだけの水が丹那盆地から失われました。

当然ながら丹那盆地の水が回復するわけはなく、JRは未だに補償金を払い続けているらしい。

 

出典:特集80年前そして現在(PDF:2847KB) - 函南町

 

 

 

しかし丹那トンネルは水瓶の底を抜きましたが、リニア新幹線南アルプストンネルは大井川源流(大井川源流だけではありませんが)である南アルプスの水脈を断ち切り、流れを変えてしまうのでしょうか?

影響はどこまで及ぶのか分かりません。