自動車を電源として考える、EVを再エネと組み合わせる、仮想発電所とは | 夢老い人の呟き

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北海道の全停電時、地元のセイコーマートは95%以上の店舗が営業を続け話題になりましたが、 同社は停電などに備えたマニュアルを備えておりました。道内の暴風雪被害や東日本大震災、2016年の台風被害などのたびに見直しを重ねてきたとのことで、車を使って最低限の電源を確保することもマニュアル化されていたそうです。

マニュアル化されていたのも凄いですが、緊急時に従業員がそれを実践できたのも凄いと思います。セイコーマートがどうかは知りませんが、大手のコンビニチェーンなどは従業員は契約社員という名のアルバイターが多く、しかもオーナーが社会保険料を負担しなくても良いように労働時間も週20時間以下程度に抑えられ、中々緊急時の対応の教育までは手が回らないのではないかと思います。

 

 

自動車を電源として使用する場合、プラグインハイブリッドの車両はたいてい100V/1500Wの電源をとれるようです。

 

普通の車両の場合はシガーライターのソケット、またはバッテリーからインバーターの電源を取り、AC100Vを給電できますが、シガーライターのソケットは電流が車両により10Aか15Aが最大です。

  • 下の一番左、最も安価な製品はシガーライターのソケットからですが、10Aまでとすると単純に電圧を12Vとすれば(実際には13~14Vくらいではないかと思いますが)12V×10A=120Wとなりますので、マージンを持たせて100Wくらいまで、15Aであれば150Wくらいまでに抑えた方が良いと思います。
  • 真ん中の製品はバッテリーに直接つなげば1000Wまでとなっていますが、電流値を考えるとどうかな~?
  • オルタネーターの出力を考えると500W以下くらいではないかと思います。

 

 

  • 一番右は1500Wとなっていますが、ハイブリッド車のバッテリーに直につなぐような方法でしょうか。急に価格が高くなっていますが、「正弦波インバーター」と書かれているところがミソです。

インバータ―の出力波形は正弦波と修正波がありますが、安い製品は修正波です。

修正波の製品は電子機器やインバーター式の蛍光灯などには使用しない方が良さそうです。

 

 

 

EVは発電機がついていませんから、長時間の使用は勧められませんが、京都を走っているBYD社のバスなら非常用電源として外部に給電することが可能で、出力1500Wなら9日間利用できるそうです。

 

さらに燃料電池バスのトヨタソラなら大容量外部給電システムを搭載しており、高出力かつ大容量の電源供給能力(最高出力9kW、供給電力量235kWh)を備えており、災害時に電源としての利用が可能です。

いざという時に病院など重要度の高い施設への電力供給に使えるように、地域に何台か配備したらどうかと思います・・・・水素スタンドが問題ですが。

 

 

 

 

さらに、緊急時用ではありませんが、太陽光発電とEVを組み合わせる方法もあります。

こちらは原発の三菱重工ではなく三菱電機の製品ですが、2014年のグッドデザイン賞受賞ですから、5年くらい前からあったのでしょうか?

 

 

 

 

以上出典:https://www.mitsubishielectric.co.jp/home/smartv2h/

 

 

太陽光発電というと売電か蓄電池に蓄えるしかないと思っている人が多いと思います。

しかし電力というエネルギーを蓄えるにはこういう方法もありますし、もっと単純に太陽光発電の電力で大容量の電気温水器でお湯を沸かせば、これも立派にエネルギーを蓄える事になります。

 

この他にもエネルギーを蓄える方法はいろいろあります。
例えば工場でしたら太陽光でコンプレッサーを回してエアタンクに蓄え動力源とするとか、いろいろ考えられます。私ごときでもいろいろ思いつきますので、頭の良い人が本気で考えれば、様々な応用があると思います。
 
 
 
家庭用の太陽光発電は売電型から自家消費型に変わってゆき、さらに地域をネットワーク化して仮想発電所に変ってゆくのではないかと思います。
 

■仮想発電所
日本が「原発が無いと電力が足りなくなる」、「原発はベース電源として絶対必要」、「送電線の空き容量が無い」と10年一日の如くいってる間に、欧米は日本を周回遅れにして仮想発電所をすでに事業化しています。

実は仮想発電所はそんなに新しいものではなく、 2014/2/5 の日経新聞にすでに紹介されています。

欧州で成長する「仮想発電所」 電力自由化時代の調整役

 電力市場の自由化が進む欧州で、「バーチャルパワープラント」(VPP:Virtual Power Plant)」と呼ばれるビジネスモデルが成長している。

 

 複数の小規模な自家発電設備や電力の需要抑制を統合することによって、あたかも1つの発電所のように制御することから「仮想発電所」とも呼ばれる。電力市場の自由化に向けて取り組みを進めている国内の電力ビジネスにとって、今後を考える上で参考になりそうだ。

 

 バーチャルパワープラントビジネスを手掛けるベンチャー企業の一つが、ドイツ・ケルンに本社を置くNEXT KRAFTWERKEである。欧州最大の研究機関であるフラウンホーファー研究所に所属する研究者がスピンアウトして、2009年に設立された企業だ。同社CEOのJochen Schwill氏によると、売り上げは2013年に1億ユーロ(1ユーロは約140円)に達し、収益も黒字化する見通しという。2014年には売り上げは倍増し、ベンチャーキャピタルから5億ユーロの資金を調達できるとしている。

 

■再生エネ率向上へあの手この手

 同氏によると、ドイツでバーチャルパワープラントビジネスが成長してきた背景には、欧州の電力市場が「垂直統合型」から「構造分離型(発電、送電、配電、小売りを分担する形態)」に転換され、誰でも発電事業に参入できるようになったこと、さらに再生可能エネルギーが総発電量に占める割合が上がってきたことがある。ドイツでは2012年に総発電量のうち再生可能エネルギーの比率が22%に達し、これを2020 年に35%、2030年に50%にまで上げる考えだ。

 

以下省略

 


南オーストラリア州は7日までに、米テスラと協力して世界最大級の「仮想発電所」を構築する計画を発表しました。

 

■南オーストラリア州の仮想発電所計画

 

南オースとラリア州政府は州内の住宅の少なくとも5万戸に太陽光発電システムとテスラ製の家庭用蓄電システムなどを無償で提供 します

設置費用は発電した電気を売る収入分でまかなうことができるため、支払う必要がないそうで、事業は4年計画。

第一段階の1100戸から段階的に増やし、4年後に50000戸とします。

 

日中ソーラーで発電し、蓄電池に蓄える。

余った電力は売電する。

 

夜間は蓄電池の電力を使用する。

 

各世帯の太陽光パネル蓄電池のデータを常時監視して、安定した電力供給を図る

 

 

設置するシステムは、発電能力5kWのソーラー発電システム容量5kW/13.5kWhの「Tesla Powerwall 2」バッテリシステム、そしてスマートメータで構成されます。

予定通りに設置すれば総発電容量250MW/650MWhの「世界最大の仮想発電所」 が誕生します。

これは約7万5000戸分の電力に相当し、南オーストラリア州で消費される1日の電力の約20%を賄えるそうで、 各世帯の太陽光パネルと蓄電池のデータを常時監視して、安定した電力供給を図ります。

以上出典;世界最大の「仮想発電所」構築へ、米テスラが協力 豪南部 、 太陽光パネルとテスラ製バッテリを5万戸に無償設置--豪で世界最大の仮想発電所

 

 
日本が周回遅れどころか二周遅れ、三周遅れとならない事を願います。