スマートコミュニティ稼働開始、ドバイのサスティナブル・シティ。 | 夢老い人の呟き

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先日、「中東は太陽光で発電し日本に石油を売るようになるかも」 にご紹介した、2.99セント/kWh ・・・・1キロワット時あたり3円強と信じられない価格で売電契約を結んだ 「ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム・ソーラーパーク」 のあるアラブ首長国連邦(UAE)最大の都市ドバイ。

 

そのドバイで開発中のスマートコミュニティ「サステナブル・シティ(Sustainable City)」で、中国のトリナ・ソーラーの太陽光パネル約2万4000枚を採用した分散型の太陽光発電所が稼働を開始しました。

※2015年から日本の太陽光パネルのメーカーは世界のトップテンから消えました。

  2位のカナディアン・ソーラーは本社はカナダにありますが、オーナー経営者や製造拠点は中国です。

  出典:http://solar-nenkin.com/market-trends/2015-pv-module-maker-top10-ranking/

 

 

スマートコミュニティと言ってもあまり聞きなれないかと思いますが、ご存知で無い方は経産省の制作した動画をご参照ください。

 

しかし、経産省の制作した動画の舞台は2030年と遠い未来で夢物語のような扱いですが、アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでは2006年からスマートコミュニティの人工都市 [マスダール・シティ] の建設が始まっています。

 

 

 

 

 

そして本題のドバイの「サステナブル・シティ(Sustainable City)」では開発の第一段階の太陽光パネル24000枚、6MWが稼働を始めており、2030年までに全ての建築物の屋根に太陽光発電システムを設置する計画です。

先日書いた日本のEV用バッテリーのロードマップは数年遅れていたでは、日本の自動車用電池のロードマップは現実よりも4年遅れていると書きましたが、スマートコミュニティのロードマップはいったい何年遅れているのでしょうか?


 

■サスティナブル・シティは地元のDiamond Developers社がマスターデベロッパーとして開発を進め、「中東で機能しているスマートコミュニティとしては最大規模」との事。

500戸の住宅、170室のホテル1棟、モスク、学校、オフィスや商業施設などを建設しており、 面積は500万平方フィート(約46ha)。最終的に2000人の居住人口を見込みます。

 

下の図のように太陽光パネルは建物の屋上などに分散して設置されており、現在、開発の第1段階として約2万4000枚のパネルを設置し、約6MW分が稼働を開始しています。

第2段階で残りの約1万5000枚が設置され、すべての太陽光パネルが稼働すると、出力は約10MW、年間の発電量は約16GWhを見込みます。

出典:6MW分の太陽光を分散設置、ドバイ「サステナブル・シティ」

 

 

 

さらに、ドバイは2030年までに全ての建築物の屋根に太陽光発電システムを設置する計画です。

30年に全ての屋根で太陽光発電 ドバイ、再エネ導入加速

再エネへの総投資額は1兆円以上

 近年、ドバイは再生可能エネルギーの導入や推進を加速しており、2015年には「ドバイ・クリーンエネルギー戦略」を策定した。2030年までに25%、2050年までに75%のエネルギーを太陽光などのクリーンなエネルギーで賄うのが目標だ。

 

 この目標を達成するために、同国は2030年までにすべての建築物の屋根に太陽光発電システムを設置するとし、再エネ分野だけで136億ドルの予算を割り当てている。このようにして太陽光で発電される電力は、それぞれの住宅やビルで消費されるだけでなく、余剰分は同国の電力事業者であるドバイ電気・水道局(Dubai Electricity and Water Authority:DEWA)の系統網にも供給される見込みだ。

 

 ドバイでは2020年に万国博覧会「EXPO 2020」が開催される予定となっている。DEWAはそれまでにドバイのスマートシティー化を進め、エネルギーや水道のインフラをネットワークに接続、統合するという計画を明らかにしている。このため、今後ドバイではスマートメーターや電気自動車(EV)用の充電ステーションといったスマートグリッド関連の社会インフラ整備が急速に進むとみられる。

 

お暇な方は 「ドバイ計画2021」 もお読みください。

イスラムに対する見方も変わるのではないかと思います。

 

 

ところがドバイが中東で一番先行しているのかと思いきや、 アラブ首長国連邦(UAE)の中で最大規模を誇るアブダビ首長国の首都であり連邦首都でもある、アブダビ市の方が先行していました。

※マスダール・シティは上にも紹介しましたが、もう少し詳しく現状を紹介します。

アラブ首長国連邦・マスダール・シティ――当初計画は大幅な変更ながら「再エネの世界拠点」を目指す

 アラブ首長国連邦(UAE)の中で最大規模を誇るアブダビ首長国の首都、アブダビ市。その近郊の砂漠地帯で、人口約5万人、面積約6.5km2の人工都市「マスダール・シティ」の建設が進んでいる。CO2排出量ゼロの究極のエコシティを目指した意欲的な計画で、構想では、例えば電力はすべてシティ内における太陽光発電などの再生可能エネルギーで賄う。造水も域内の海水淡水化プラントで生成、クルマも電動コンパクトカーなどの次世代交通システムを導入し、ガソリン自動車はシティ内に入れないといった熱の入れようである。
マスダール・シティの完成イメージ(出所:Masdar)
 

 ただし、計画は大幅に遅れ、内容も修正を余儀なくされている。2016年の完成を目指して2006年に開発が始まったものの、2010年には計画が見直された。この時点で完成予定時期は2020〜2025年とされたものの、その後も計画はさらに遅れた。2016年時点では2030年まで先延ばしするとした。

 

 計画内容についても、再エネをシティ内で自給するのではなく、外部から調達する方針に変更。シティ全域へ導入予定だった無人運転電動コンパクトカー「PRT(Personal Rapid Transit)」も研究施設内での利用にとどめ、代わりにEV(電気自動車)の導入を検討することにした。220億ドルの総事業費についても10〜15%圧縮すると発表した。

 

 欧米・日本などマスダール・シティに参加している企業関係者からは、あまりの計画遅延と内容変更に、「ゴーストタウンになるのでは」といった声まで出ている。しかし、日経BPクリーンテック研究所が2016年2月に取材したマスダール市の担当者はむしろ悠然とした態度で、余裕さえ感じられた。

 

 その理由は、アブダビ政府の狙いが単に新都市を作ることではなく、アブダビを「世界の再エネ開発拠点にする」ことであり、その長期方針には揺るぎがないと見ているからのようだ。

目的は「石油に代わる新しい資源を生み出す」

 もともとマスダール・シティ計画は、2006年にムハンマド皇太子の指揮のもと、石油に代わる新エネルギー資源を開発する「マスダール・イニシアチブ」と呼ばれる構想を発表したことに始まる。「マスダール」とはアラビア語で源泉または資源という意味で、石油に代わる新しい資源を生み出そうという想いが込められている

 

 ムバダラ開発を母体とし同構想を実現する会社として設立されたADFEC(Abu Dhabi Future Energy Company)の事業は4つの柱から成る。第1はマスダール科学技術研究所(MIST)で、世界各国から研究者を呼び寄せ、世界の再エネ研究拠点を目指している。第2は排出権事業の推進、第3は再エネ投資であり世界各地の再エネ事業に活発に投資している。そして第4がマスダール・シティの建設であり、他の事業を推し進めるための「実験場」として位置づけられているのである。

 マスダール・シティの開発は遅れているものの、他の事業と合わせれば、再エネ拠点としての目標に向かって進んでいるといえる。特に投資活動は活発で、2013年3月に稼働を開始した100MW太陽熱発電所「Shams-1」溶融塩を使って24時間稼働を可能にした太陽熱発電プロジェクト「ゲマソーラー」、ドイツの電力大手E.ON社と共同で投資した「ロンドン・アレー洋上風力発電プロジェクト」などに投資している。

 

以下省略

 

 

石油資源国が将来を見据えて脱石油、新エネルギーのサスティナブル(持続可能な)シティを目指しているのに、資源の少ない日本は目先に囚われ将来へのプランニングが遅れています。

愛国というと「日本美化と勘違い」している人もいますが、「日本スゴイですね」ばかりでは、日本は時代遅れの国になってしまいます。