EVの固定観念が変わるスイス限定、超富裕層向け?スーパーEV | 夢老い人の呟き

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一昨日のブログに書いたように、今、EV、ZEVのブログネタがあり過ぎ何から書こうかと迷います。

すでに3件の記事を書きましたが、このままではEVブログ、エコブログになってしまいそうなので、そろそろ打ち止めにしたいと思います。

そこでEVネタの締め括りは何にしようかと迷いましたが、今回はEVに対する固定観念を変えていただくためにナノフローセル社の超富裕層向け?スーパーEVを紹介します。

 

この車はポテンシャルではナンバー1で、バッテリーは凄い可能性を秘めていると思いますが、日本では殆ど知られていません。

それどころか、この車はスイスのご当地限定で、世界的には殆んど知られていないと思います。

なぜかというと、この車は充電式ではなく、電解液を入れ替える方式だからです。

電解液スタンドがあれば簡単に電力補給ができ、テスラも真っ青の電池容量300kWh、560㎾(760馬力)、最高速度300km/h、0-100㎞加速2.4秒、航続距離1000㎞を誇りますが、残念ながらインフラはジュネーヴしかないようで、走行はスイス国内に限られるようです。

 

 

■ナノフローセルのお話し

ここからはしばらくフロー電池のお話しになりますので、面倒臭い人は革命的、超富裕層向け?EV  クアント、クアンティーノ」に飛んで下さい。

 

フロー電池は下図のように正極の電解液と負極の電解液がそれぞれタンクに蓄えられ、イオン交換膜に隔てられたセルに循環させられ、陽イオンがイオン交換膜を通して流れる事により充放電します。

  一般的には レドックス(Redox)・フロー電池 あるいはレドックス電池と呼ぶこともあり、電解液、電極の材質は何種類かありますが、現在は両方のタンクにバナジウムを使用するバナジウム・レドックス・フロー電池(VRFB)が主流となっています。

サイクル寿命が長く、充放電のロスが無い、安全性が高いなどの特徴があり、構造が簡単で大型化に適するため、発送電所、変電所、工場などに用いられ、低需要時に電力を蓄え、高需要時に電力を供給するような用途に使用されます。

 

以下 20兆円市場狙え 大阪湾岸に蓄電池の研究・生産拠点 より引用

■住友電工、大容量「レドックスフロー電池」を研究・量産

 テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)にほど近い住友電工の大阪製作所。同社はここをレドックスフロー電池の研究開発と量産の拠点に位置づけた。この電池はバナジウムの電解液をポンプで循環させて充放電する仕組みで、発火の心配がなく安全性が高い。電解液や電極は耐久性があり、リチウムイオン電池やナトリウム硫黄(NAS)電池より長持ちするのも特長だ。

 

 量産体制を整えたのはまだ同社だけで、まず北海道電力の変電所に蓄電容量6万キロワット時という世界最大のレドックスフロー電池を設置し、風力と太陽光発電の電力をいったんためて電力系統に送る実証実験を2015年度から始める。住友電工は、再生可能エネルギーの活用に積極的な米カリフォルニア州の電力会社などへの輸出もにらんでおり、「生産施設拡張の余地はある」(徳丸亀鶴・インフラ事業推進部長)という。

 大型蓄電池の開発のスピードアップやコストダウン、輸出振興に貢献しそうなのが、経済産業省所管の独立行政法人、製品評価技術基盤機構(NITE)が咲洲に建設する大型蓄電池の試験・評価施設だ。

 

■蓄電池の世界市場、2020年には20兆円に

 現在は雑草が生い茂る大阪市住之江区南港北の一角。NITEはこの大阪市の遊休地2万6400平方メートルを購入し、15年度末をメドに施設を整備する。振動や衝撃を与えたり充放電を繰り返したりして製品の安全性や耐久性を調べる施設で、16年夏以降に稼働させ、将来は2000キロワット時までの系統安定化用や自家発電用の大型蓄電池の試験や評価に対応する。

以下省略

 

このように大型設備用として期待されるフロー電池ですが、しかしエネルギー密度・出力密度はリチウムイオン電池よりも低く、小型化には適しません。

ところがナノフローセルもフロー電池ですが、 NanoFlow Cell はエネルギー密度600Wh/㎏、出力密度6000W/kgとバナジウム・レドックス・フロー電池は言うに及ばず、リチウムイオン電池よりもはるかに高くなっています。

※フロー電池は電池容量は電解液のタンク容量、出力はイオン交換膜の面積によって変わります。

 

このような長所がありますが、住宅用として太陽光と組み合わせても良いと思います。

 

●詳しくは NANOFLOWCELL をクリックしてご覧下さい。

 

 

 

■革命的、超富裕層向け?EV  クアント、クアンティーノ

 

上の2枚の写真の車両の向こうに見える赤と青のスタンドが電解液の補給スタンドで、ナノフローセルは「充電式」ではなく電解液を入れ替えます。

これで充電にかかる時間も不要としていますが、補充のインフラの有るスイスしか走れません。

九州ほどの広さのスイスですから、スイス国内であればこれで不便はないのかも知れませんが、しかしスイス国外に売ることは出来ませんから、少量生産とならざるを得ません。

 

上の白い車がクアント、黄色の車がクアンティーノですが、ハイパフォーマンスモデル「Quant」のデータは以下のとおりです。

Technical Data
Top speed km/h: 300
Acceleration (0-100 km/h): 2.4s !!!!
Transmission: Automatic Drive: All-wheel drive
Number of doors: 2
Number of seats: 2+2

【Motor】
Type: 4x low-voltage synchronous motors
Fuel type: Electric (bi-ION) Maximum power kW (hp): 560 (760)760馬力ビックリマーク

                      ※ちなみに大型トラックでも200~300kW程度です。

Maximum torque (Nm): 2,000 per wheel

【Flow Battery】
Type: nanoFlowcell®
Voltage (V): 48
Capacity (kWh): 300 テスラの最上級車種の3倍日産リーフ10台分以上ビックリマークです。
Rated current (A): max 1,500 per cell

【Consumption】
Energy consumption: tba
Tank volume (l): 2x 200
Range (km): >1,000・・・航続距離1000㎞以上ビックリマークスイス国内ならどこでも行けるでしょう。
Harmful emissions: 0


システム構成

これは少し古い図ですが、電解液タンク(上のデータによると200リッター×2) ナノフローセル スーパーキャパシターで、出力密度に優れるキャパシターを介する事によって、急加速の際には一気に放電して高出力を発揮させる上手いデザインだと思います モーター4モーターです。 

電解液が200リッター×2で400㎏。

タンクとナノフローセルを含めたシステムトータルの重量は分りませんが、仮に600㎏とすると、600㎏/300kWh、次期型リーフの30kWhに単純に換算すると60㎏(1000㎏としても100kg)!

これならガソリン車よりも軽いEVが可能となります。

 

 

 

最後に動画をご覧ください。

日本もどんどん進歩していますが海外も凄い勢いで進歩しています。

海外の情報を得ず「日本はスゴイデスネ」ばかりでは日本は置いてゆかれます。