そんな町屋旅館の畳部屋で寛いでいると…
「夕食は御幸町通辺りで"おばんざい"料理を楽しもうか」とか云う…
気力が萎えてきて…
「確か、この旅館の前の路地にも"おばんざい"のお店があったよねー」
宿の女将さんに尋ねると、
「へぇ、是非とも使っておくれやす…」
と推してくれたので、安心して…

午後6時頃からマイペースに開店します。
おばんざいの店「ふじ井」さん…
サンプラザ中野さんのような風貌の大将が静かに迎えてくれます。
「うちのお客さんなんどすぅ。よろしゅうにねぇ」
(宿の女将さんのちょっとしたこんな口添えが、一元客には心強いのです)
開店早々の時間でしたから、
私達以外の客は居ませんでしたが、
1時間もすれば、
地元のお勤め帰りのOLさんや単身赴任のおじさんとか、
近隣で日中の営業を終えた商店の女将さんとか、
入れ替わり立ち替わり「小腹の足し」のように…
瓶ビール1本に、焼酎1合…
「おばんざい」は2皿程度で…
「大人の食事」ですね…
それに引き換え私達は、
ガツガツと注文してしまう「子供の食事」です。
沖縄でも何処の観光地でもそうですが、
観光客相手のお店の料理は「観光客値段」になりますから、
普通の「惣菜もの」でも、結構なお値段の覚悟が必要です。
こうした地元客が使う料理店こそ…
カウンター越しの会話や、地元らしい料理が楽しめますし…
庶民的なお値段で二重の喜びが味わえるのです。
「おばんざいの店」と云うのは、本来が、
こうした日常の中での「ちょっと休憩」的な…
「惣菜」を楽しむ小料理屋さんである筈なんですから…