喧騒の嵐電嵐山駅前を脱出して、
奥嵯峨へ向かう「清滝」行きのバスの中はのんびり…
乗客の殆んどは「清凉寺」や「大覚寺」への観光が目的なのか、
15分も走れば車中は疎らに…
そのうち、何処の停留所で降りるかの心配より眠気に負けてウトウト…
気がついた時には、
他の最後の乗客が「護法堂弁天前」停留所で降りてしまい…
(あれれ? 確か終点で降りればいいんだよね?)
細君の不信感の抗議を受け流したものの、
そのうち清滝のトンネルを潜ると下り坂に…
終点のバス転回所「清滝」で降車…
運転手さんに尋ねると、
化野念仏寺のある「嵯峨鳥居本」の停留所は、
先のトンネルのあった「試峠」を越えて1㎞先とのこと…
(えぇー! 徒歩30分の峠越えー!)
(戻りのバスの時刻は?)
「えーと、2時間後ですねー」
(えぇー! タクシーお願いしたいんですがー?)
「あー、今全台出払ってまして、ちょっとそちらまでは…」
(こんな奥地まで迎車して来て2㎞足らずじゃペイしないよね…)
仕方ありません…
「試峠」越えです。
日没寸前ですから、明るいうちに峠は降りておくべきです。急ぎます。
(悪いのは全部私ですけど、クレームは後にして下さい!)

(「試峠」のカーブミラーは天空から?)

(これが落ちてきたら怖いですねー)
再び汗をかきながらひたすら歩いて30分…
やっと旧愛宕街道への合流地点に差し掛かり、
見覚えのある鮎料理「平野屋」の看板を発見して安堵…
お盆灯篭が夕暮れに並ぶ門前商店街の風情ある光景が目に留まり…
(丁度いい時刻になって、よかったじゃないのー)
「千灯供養」の法要にも心が籠ると言うものです…
「南無阿弥陀仏… 迷子にならずに済んでどうもありがとうございました…」