その日、奥嵯峨・化野念仏寺へバスで辿り着くのには、
紆余曲折がありまして…
歩いて歩いてやっとその参道(旧「愛宕街道」と称われているそうです)に到着した頃には、
もう日没後の薄暗がりになっていて、
暑いのと足がだるいのとで、
「もうこの店でいいや…」
と飛び込んだのが…
湯豆腐料理のお店「与呂七」(「よろしち」と称います)です。
嵯峨名物の湯豆腐の鍋に湯葉が添えられていて、
ゼンマイと筍の茹で和えた山菜ものが小皿に…
8月末の残暑の下でしたが…
疲れてへたり込んでいる身体にとっては、
五臓六腑に染み渡るような…
素朴な味わいの優しい料理でした。
西日本の人間にとっては、
この嫋やかな味の出汁つゆが絶妙で…

この日は、
通常なら閉店時間過ぎなんですが、
「千灯会」の縁日なんで営業時間延長で頑張っておられたそうですが、
「今年の人出はほんに少のうなりましたわー」
とのこと。
嵐電嵐山駅前のあの混雑を見れば信じられないような話ですが、
観光客の志向は有名な場所に偏向しているような…
外国人観光客の故なのかな…
まぁそこに、京都での観光を堪能するコツがあるのかも…
地味でいいので…