本土での「お盆」一考察 | 「沖縄病」の楽しみ方…?

「沖縄病」の楽しみ方…?

空港に降り立った途端に味わうまったりとした空気感が好き…
「また来たよ…」とついニヤリとしてしまう…
先日戻ったばかりなのにもう次の訪沖のことを考えている…
そんなあなたの症状を改善? 助長? いたしましょうかね~

そんな話を実家で母親にしておりましたら…
「さいとう」と云うお盆行事の話をしてくれました。
 
「さいとう」…
「さいとう焼き」と称する地域もありますが、
漢字にすると「柴灯」ですね。
お盆のかつての「お迎え」行事なんですが、
昭和時代の我が実家は、
玄関前は砂浜が広がっており、
(夏になれば、倉敷とかの都市部から避暑客が大挙してやって来る「海水浴場」となっていました。
 我が家はその頃、旅館と料理屋を営んでいたんですが…
 アルバイトさんが操作する「かき氷」機の、
 氷柱を削るシャカシャカと云う音が好きでまとわりついていたのを覚えています。)
お盆前になると、
その波打ち際に地区ごとの青年会の若者達が集まって1本の長竿に藁を積み上げ、
頭頂部をキツネの姿に束ね上げてから、
その口に本物のオアゲを咥えさせたオブジェのようなものを作るのです。
藁で作り上げた「お稲荷さん」が海に正面し…
お盆に戻って来るご先祖様達をお迎えする…
と云う態勢が整う訳ですが、
その後は何故か、
余所の青年会から「刺客」が放たれ、
藁の「お稲荷さん」に火を点けようと互いに争いを始めるのです。
まだうら若き女学生だったであろう母親の目には、
村の若者達が先を争って勝ち名乗りを上げようと躍動する姿も眩しかったのでしょうけど、
轟々と燃え上がる藁のオブジェのシルエットがとても印象的だったとのこと…
 
イメージ 1
画像は、
富士吉田市の日本三奇祭の一つと称される「吉田の火祭り」のものなんですが、
これは「浅間神社」と「諏訪大社」の例大祭で、
毎年8月26日と27日に行われる行事ですから…
お盆の行事とは直接的な関係は無いようですけど…
お正月の「とんど焼き」と同様に、
勇壮な「火柱」の荒ぶるエネルギーが、
邪気を払い…
お迎えするご先祖様の霊に纏わりついている「餓鬼」や「無縁仏」の霊を追い払う役割を…
担っていたのではないかと…
思う訳です。
 
残念ながら、
私の幼少時代の記憶には無いものですから、
昭和30年代前半までの行事だったようです。
そんな歴史も謂れもやがて忘れ去ってしまおうとしている私達の世代は…
8月15日を「お盆」と思い込み…
7月15日が本来の「お盆」だと云うことや…
「旧暦」の意味を…
いい加減にしたまま日々の生活に流され続けているのです。ここ本土では。
 
そんなことを、
今年の「糸満ハーレー」の日は知らせてくれました。
この行事は、毎年「旧暦」の5月4日に行われることになっていますが、
例年6月中旬から下旬が応当日のところ…
今年は6月1日…
巷でよく言われる「那覇ハーリーで梅雨が始まり、糸満ハーレーで梅雨が終わる」と云うのが、
全く的外れな格好になった訳です。
季節感では「旧暦」の方が感覚的にしっくり来るものですから、
違和感を強く抱いたものでした。
…何故なんでしょうかね?