一見、雅やかで、厳粛なイメージのお祭りですが、
内に秘めたエネルギーの発散どころを…
当時の宮中の人々は心得ていたようですね。
一般の拝観は、
お祭りの中で色々と取り行われる「儀式」の全てについて許されておらず、
唯一、御所から神社への移動である「行列巡幸」のみが認められていましたから、
一目見ようと云う京の人や地方からわざわざ見物に上京して来た見物人達で通りは溢れ返り…
「隠居」の立場の法皇や上皇の牛車群が桟敷の場所取りで諍いが起こった…
とかの記録が残されているように~
当時は「娯楽」と言ってもそうバラエティは無かったのでしょうから、
衆目を浴びる側の者にとってこの「行列巡幸」のイベントは、
身震いしそうな程にアドレナリン値の上がる時間だったに違いありません。
(或いは、ある種の「恐怖心」だったかも…)
動と静の表裏を併せ持つ「貴族的」なお祭りと言えましょうか…

初めての見物でしたが、
「行列巡幸」の終始で気になっていた事は…
一行の「足元」でした。
正味2時間のゆっくりとしたウォーキングに換算して約12㎞の行程は、
「草鞋」の足には相当なダメージだった筈。
現代人にとって、そもそも履き慣れないもので…
足型にフィットする作りとは思えず…
しかも耐久性には難点があるようで…

「行列巡幸」の一行は上賀茂神社での儀式の一切を終えると、
後片付けのグループや、
馬の世話、装束の着替えなど、
三々五々に分散していきます。
中には、装束のままチャーターのバスに乗り込んでさっさと引き揚げるビジネスライクなグループもありました。
足元の件が気になっていたので質問してみると…
「草鞋」は稲藁を舐めしてから編み上げているものなんで、
使えば使うほど自分の足型にフィットして馴染むようになるんだそうです。
勿論、摩耗も少ないとのこと。
決して強がりの弁ではないと思えます。
一度私も試してみるといたしましょう。いずれ。