行列一行が一ノ鳥居を潜って本殿まで参進するのは、
葵祭の行事の一つである「社頭の儀」のほんの一部分に過ぎませんから、
一行の最後尾の「勅使舞人陪従の列」
(近衛府のお役人さん達です。今で言う「皇宮警察」のようなものですね。)
の舞楽が終わると、
参道はすっかり静かになります。
二ノ鳥居の向う側で一行が次の儀式をやっているのは判りますが、
一般客は見物出来ません。
相変わらず中途半端な雨がシトシトと続いており、
牛車も早々に格納されていましたから、
手持無沙汰になった観光客の半分は引き上げてしまいました~

(順番を待つ飾り馬さん達~中にはタテガミを綺麗にカットして貰ってオシャレなのも)
午後6時頃から「走馬(はしりうま)の儀」が行われるようになっていますから、
地元の人とか、
祭りの流れを理解していて居残った人達は、
かれこれ半分程でしょうか…
儀式の時間が近づいて来ると、
「役者」は馬ですから、
興奮して境内から飛び出さないよう一帯はロープで物々しく封鎖されてしまいます。
事情を知らない観光客が、
「どうやって出ればいいの~」と騒いでいます。
(これから儀式が始まると云うのに…)

「走馬の儀」とは、
飾り馬に境内を走らせる事で神社への奉納とするものです。
別に「競馬」をする訳ではなく、
一頭ずつが順序良く淡々と走るだけなんですが、
このお馬さん達は「競馬」用のサラブレッドですから、
ドドドドと飛ぶ様に私達の眼前を走り抜ける様は圧巻です。
中には、
興奮してしまって乗尻さん(騎手の事ですね)を放り出す悍馬も登場します。
待機していた白衣のお医者さんが駆け寄ってきて辺りは一時騒然となりました。
葵祭のイメージがちょっと変わるようなワイルドな「儀式」です。