沖縄の古い集落を歩くと必ず見かけるのが、
珊瑚石の石垣の連なりです。
これが全部人力で出来上がっているのが信じられないほどの直線…
防風、防砂のための必然とは言え、
よくぞここまで造り上げたもんだと感心します。
糸満の真壁地区にある「真壁ちなー」を目指して集落に入ると、
丁度、電力会社が電線の保守作業をやっていて、
トラック1台でもう道路は塞がっています。
ぐるりと回り込んで反対側から進入しましたが、
この集落全体が石垣に囲まれていて、
どの路地も車両1台がやっと通れるだけの幅しかありません。

通りすがりの観光客にとっては、
厄介な道路事情なんですが、
集落自体がこのレイアウトで構成されてしまっていますから、
大規模な再開発工事がなされない限り、
ここはもうこのままの環境、人々の生活、そして時間がず~っと流れていく訳です。これからも。
真壁地区は、
かつて沖縄戦で壊滅し焼け野原になった所です。
で、ここの「喜納」家の建物が唯一焼け残り、
旧三和町の役場として利用された…
と云う歴史を持っています。
ですから、この建物内外には、
当時の激戦の名残りがあちこちに保存されています。
想像してみて下さい~
焼け野原の中にポツンと焼け残って建つ喜納家の建物と、
その周囲に展がる珊瑚石の石垣…
その遺構はそのまま復興し、
やがて、
「道路は狭いし、どこも石垣に囲まれてるから目印がさっぱりだよ~」
なんて毒づいているお気楽な私達がうろちょろしている現在があります。
単なる石垣の連なりなんですが、
沖縄の人々の生活力の強さを感じます。