伊江島は「新エネルギー」の玉手箱 | 「沖縄病」の楽しみ方…?

「沖縄病」の楽しみ方…?

空港に降り立った途端に味わうまったりとした空気感が好き…
「また来たよ…」とついニヤリとしてしまう…
先日戻ったばかりなのにもう次の訪沖のことを考えている…
そんなあなたの症状を改善? 助長? いたしましょうかね~

千葉大学の倉阪教授を中心とした研究グループが毎年公表している~
「永続地帯」(Sustainable Zone)と云う理論が注目されています。
これは、
住民が再生可能な自然エネルギーと食料生産によって生活していける地域~
を定義し、
「自然エネルギーをもっと利用し、 食料自給率も高めて、
 永続性のある経済社会を目指」そうと云うものです。
数式にすると次のとおりです。
「自然エネルギー自給率」=その区域での再生可能エネルギー供給量/その区域の民生・農水エネルギー需要量
従って、この数値が100%以上の地域が「永続地帯」と称されるようになる訳です。
 
都道府県別にみると1位が大分県(25.24%)…
(九重町に大規模な地熱発電所を持っています。)
最下位が東京(0.21%)で、
大阪、千葉、埼玉、神奈川、そして沖縄(0.71%)がこれら大都市県と1%未満のワーストの座を競っています。
市区町村別にみると、
1位が小水力発電でダントツの自給率をもつ熊本県五木村(1599.1%)…
2、3位が大規模地熱発電所のある福島県柳津町(1231.8%)と上述の九重町(1134.2%)と、
傾向は「山々に囲まれた自然豊かな町村」が並びますが、
100%以上の「永続地帯」の中で唯一の市が新潟県糸魚川市(142.5%)です。
ここは、植物や廃棄物(家畜糞等の利用)などを原料にするバイオマス発電があります。
 
そして沖縄の各地に話題を展開しますと…
全国平均の自給率が3.16%(沖縄県平均が0.71%ですね)の中で、
5%を大きく上回っている自治体が2つあります。
先ずは、伊江村(伊江島)の8.14%です。
この島には、自然エネルギー供給施設が多種揃っています。
一つ目が、太陽光発電所…
伊江島カントリークラブの隣に設置されており、規模は小さく10kWの出力です。
(小さなビル1棟の消費電力を賄える程度でしょうか…)
二つ目が、風力発電所…
太陽光発電所に2基隣接されており、出力は1200kW(600kW×2基)、
他所の施設に比べて若干小ぶりの発電所です。
イメージ 1
そして出色なのが、
この「バイオマスエタノールプラント」です。
以前、このブログで紹介しましたが、
サトウキビからバイオマスエタノールを製造する実証プラントで、
アサヒビール㈱が中心となり、
国(1府3省)の支援を受けながら、九州沖縄農業研究センターと共同開発しているものです。
ここは勿論、「発電所」じゃありません。燃料製造所です。
「新エネルギー」と云う括りでは、立派な供給施設ですから。
サトウキビからE3燃料(ガソリンに3%混合させるやつです)等を製造しています。
(同種の施設は、宮古島の下地地区に㈱りゅうせきが設置していますね。)
 
伊江島は、一つ一つの発電施設は小ぶりですが、電力需要も小ぶりですから、
自給率を押し上げているようです。
それからもう一つは、ダントツの21.12%と云う自給率の国頭村なんですが…
この続きは、次回の記事にて…
 
 
(追伸)
「伊江島バイオマスエタノールプラント」は、昨年、種子島の実用プラントに発展的移転しています。
伊江島には、これまでの施設の一部であった「蒸留プラント」が残され、
「伊江島蒸留所」の名称で地元に引き継がれています。
因みに、この蒸留所で製造されるのが「ラム酒」です。
「バイオマスエネルギー」と「ラム酒」が密接な関係にあるのが、
何とも不可思議です。