小禄散策もネタが尽きました。
最後に、再び「がじゃんびら公園」での話に戻ります。
ここでは残念ながら、余りに整備され過ぎていて~
時代の移ろいや、人々の生活感も感じることはありませんでしたが…
ここからの那覇市街地の眺望は良好でした。
奥武山公園の方向に見える地続きになっている小島が、「御物城」(オモノグシク)です。

15世紀の第一尚氏の末期・第6代尚泰久王の時代~
当時、外交と通商の役所が設置されていた「御物城」の管理責任者に任命された「金丸」が、
権力を揮い、やがて第一尚氏を滅ぼして、第二尚氏の始祖となるのです。
その舞台となったのが、この小さな島城なんですが、
現在は那覇軍港の中に取り込まれており、今でも米軍の一施設として利用されているとのことです。
近くまでは行けますが、フェンスで仕切られており、それを確認することは不可能です。
視野を左展開させると、ロワジールホテル那覇の側に見えるのが、「三重城」(ミイグシク)です。

これは、16世紀後半の時代に、倭寇防御のために設営された城塞で~
後には、那覇港から旅立つ人を見送る格好の場所となり、
あの琉舞「花風」の舞台にもなっている地元の名跡です。
で、この城塞は対岸との対になっていて、
「屋良座森城」も設営されていましたが~
ここも那覇軍港の一部に散り込まれており、その場所を確認することは不可能です。
現在は更地になっており、その形跡は喪失しているそうです。
「がじゃんびら」とかつて称されていた「蚊坂」も~
本来の場所は鏡水地区にあったものと思われ、
そこも米軍基地内に取り込まれていて、確認することはできません。
この辺りの広大な土地は、那覇軍港と陸上自衛隊の駐屯地として大半が接収されているのです。
悲惨な歴史と、厳しい現実がそこに横たわっています。