映画「Harimaya-Bridge」に見る米国の日本人観 | 「沖縄病」の楽しみ方…?

「沖縄病」の楽しみ方…?

空港に降り立った途端に味わうまったりとした空気感が好き…
「また来たよ…」とついニヤリとしてしまう…
先日戻ったばかりなのにもう次の訪沖のことを考えている…
そんなあなたの症状を改善? 助長? いたしましょうかね~

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「日本の軍事的安全は保障してやるから、沖縄の土地を寄越せえ。基地や住宅も日本が造れえ。」
と強要され、それに意見も言えず、唯々諾々と従う日本政府の惨めな姿…


先日、映画「Harimaya-Bridge」を観て、そんな連想をしてしまいました。

監督はアロン・ウォルバーグ、
日本に激しい反感を抱く主人公にベン・ギロリ、その兄がダニー・グローバー
自分のスタンスを持ち主人公の頑なな感情を揺るがす唯一の存在であるヒロインに高岡早紀、
そして、主人公に翻弄され右往左往する苦役を担うのが清水美沙です。

結末は、ありきたりな、少々安易な展開にはなりましたが、
米国の傲岸さと、それに抵抗出来ず反発心は抱いても従順に従う日本の縮図が垣間見え~
前半は、腹が立つやら、イライラするやらで、結構感情移入していました。

主人公の偏った感情が、
高知の自然や町並みや~
地元の人々との様々な関わり合いの中で~
徐々に変化し和らいでいく様の表現の仕方は、説明的なところがないのに説得力があって、
とても高級な技法だと言えましょうか。

翻弄され、右往左往する日本人達の中にあって、唯一ヒロインだけが孤高で涼やかな存在で~
溜飲が下がります。



ところで、映画の舞台が高知なのは、監督はかつて英語教師として日本に派遣されていた思い出の場所であり、
その高知への思い入れが、作品の随所に現れていて、彼の観察力の高さに関心します。

蛇足ですが、この舞台が沖縄だったなら~
ヒロインとハーフの幼娘の生活は、より容易だっただろうに…
と余計な事を考えたりしますが、
米国人の主人公の日本に対する偏見は揺らぐ事は無かったかも知れませんねぇ。