山田洋次監督の寅さんシリーズ第25作目です。
ヒロイン(マドンナ)は浅丘ルリ子~
旅回り歌手リリー(浅丘ルリ子)が、沖縄で入院中との便りが届き、寅次郎は見舞いに駆けつけます。
看病した甲斐あって彼女は快方に向かい、ふたりは夫婦気取りの生活を始めますが…
余所者が安易に立ち入ってはならない領分と云うものが、何処でも、誰にでも、大なり小なりあります。
沖縄には、それを許さない(安易に色分けしてはならない)歴史があり、事実が今も厳然としてあります。
人の心の中に陰と陽があるように、事象にも「表」と「裏」が存在しますが、それは悪や善で割り切れるものではありません。
それは、「混沌」と言うよりは、丁度「太極図」のように「表裏一体」になったものなのです。
山田洋次監督はこの映画「ハイビスカスの花」の中で…
初めて沖縄を訪れた寅さんが米軍基地の前をバスで通過するシーンについて、どうするか悩んだ結果~
寅さんにうたた寝させることで、それを見事に表現しました。
「寅さん」は正に語らずして「ヤマトンチュ」の沖縄に対する立場を表現したのではないか…と思います。
しかしながら、このことは~
「沖縄の問題に、本土人は立ち入るべきではない」と言っているのではない、と云う事は判っていただけるでしょうか?
「普天間基地移設問題」が迷走しており、
「移設受入れ先になるのではないか」と報道される毎に、関係自治体は拒否声明に躍起になっています。
これは沖縄だけの問題ではないのです。
日米安保同盟の根幹に関わる、即ち私達自身の問題なのです。
都会の雑踏で、暴漢に襲われている被害者の傍を…
見ざる、言わざる、聞かざるで~
他人事のように通り過ぎようとしている者が、余りに多いと思うのです。我が国は。