西表島仲間川でカヤック | 「沖縄病」の楽しみ方…?

「沖縄病」の楽しみ方…?

空港に降り立った途端に味わうまったりとした空気感が好き…
「また来たよ…」とついニヤリとしてしまう…
先日戻ったばかりなのにもう次の訪沖のことを考えている…
そんなあなたの症状を改善? 助長? いたしましょうかね~

イメージ 1

今回紹介するのは、西表島の「仲間川」でのカヤッキングです。

出発が丁度干潮時で、干潟ではミナミコメツキガニやらシオマネキがウジャウジャ這い出してきてモゾモゾと私達を見学していました。
近づくと一斉に巣穴に潜り込みます。
そこで、ズズイと砂ごと掬い取ると、4~5匹のカニが、私の掌の中で、それでも穴を掘って逃げようと絶望的にトルネードをやってました。
このミナミコメツキガニは足長のため、横だけでなく前後左右自由に動けるのです!
驚愕の事実に一同は大笑いしました。

遡行の途中で、地元のおじさん達が鉄パイプを川中で担ぎながら作業している現場に出くわしました。
聞けば西表島では真水を採取するため、川沿いの陸地(マングローブ林の奥)に浄水工場を設置しており、そこからパイプを通して居住区へ送水しているのです。
西表島の川縁には、送水用パイプが人知れず(観光客が知らないだけでしょうが)敷かれています。
言われてよく観察すると確かに岩場の陰やヒルギの気根の後ろなどにパイプが隠れています。
おじさん達は、そのパイプの交換作業をしていたのです。
水を空気同様にしか考えていない本土の人間には、真水を得るための苦労の工程を垣間見るよい機会でした。
沖縄は、真水を確保するための労苦には今も昔も事欠かない地なのです。

引潮に乗じたカヤックツアーは、正味2時間。
往復12Kmの行程でしたが、それ程の疲労を感じることなく、スイスイと進行しました。
マングローブ林の中の中洲での弁当は、飽食気味の身にとり最高のご馳走でした。


ところで、仲間川の8km沖にパナリ島(新城島…「あらぐすくじま」)がありますが、シーカヤックのコースとしてポピュラーなところです。
ここは、4年前の17年3月に3人が遭難した場所です。
この3人は、パナリ島に1泊し、早朝の凪ぎを利用して島を出発したのですが、天候悪化の予測が不十分だったとも、10歳の子連れの観光客が無理を言ったとも言われていますが、原因は知る由もありません。
ライフジャケットをしていてもダメな時はダメなんだと、尽々自然の冷徹さを思い知らされます。

西表島の山中縦走でも、毎年何人かが行方不明になっています。
大原港待合所には、こうした遭難者のお尋ねのポスターが何枚も貼られています。

観光客は開放的な気分になっていても、自然は寛容ではありません。
何も沖縄だけの話ではありませんが、「余所者」は心して、何時でも謙虚であらねばなりません。


(既出)

HP「沖縄の話をしよう!」へ(http://2nd.geocities.jp/lmeg_mamo0821/)