政府は「炭素循環」の活性化策のため、遺伝子組換えにより驚異的な成長力を付与した熱帯植物群を関東地方に植林したのが原因で、国土は在来の植物層環境を破壊され、熱帯原生林が急拡大したことから、人類の生存が困難となってしまった。
一方、二酸化炭素を固定化して精製された「カーボン」はダイヤモンド以上の硬度と利用価値を持ち、世界の貴金属・鉄鉱石・構築物の価値観を一変させた。世界経済は、「株価」より「炭素価」を売買する「カーボニスト」が席捲し、二酸化炭素排出超過や固定化技術先進度の程度が国家の存亡を左右することになった。
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以上が、池上永一著「シャングリ・ラ」の粗筋です。
日本の次期首相の座を射止めようとする政治家と、世界経済を牛耳ろうとするカーボニストが暗躍する中で、健気に活躍する主人公を描いた小説世界が、正に今現在の私達の地球社会を彷彿とさせるではないですか!
残念ながら、現在の科学技術力では、空気中のCO2を固定化するにはそれ以上のCO2を排出することとなるそうです~
声高に「地球温室効果ガスの排出削減」が提唱されていますが、それは「ガス排出の加速度を若干緩める」だけであって、「削減」では全くないのですよ。
勘違いしてはいけないのです(我が会社にも言いたい!)。
そんなことにヒステリックになるのではなく、植林を沢山した方がマシなのです。
と云うようなことをつらつら考えている今日この頃ですが、この「シャングリ・ラ」、中々示唆に富むタイムリーな物語です。
この作品が映画化され、温室効果ガス削減の大切さを世間にアピールする契機になればいいのに…と思いません?
池上永一さんの作品についての思いは色々ありますが、それはまた後日…
(既出)
HP「沖縄の話をしよう!」へ (http://2nd.geocities.jp/lmeg_mamo0821/)