以前、母と二人で沿岸沿いをドライブした時のこと

 ずーっと南下して津山もくもくランド(道の駅)で木工製品を購入しての帰り道、以前から行ってみたかった南三陸町の「さんさん商店街」に行ってみました

 大した目的もなく商店街をブラブラして、南三陸町観光協会の建物の立派さにびっくりしたりして辺りを散策していたら、新しい建物群から少し離れたところにそれはありました


南三陸旧防災対策庁舎です


震災のあと、ここの悲しい話を何度も聞いたものです




自分の命を顧みず、町の住人に向けて防災無線で避難を呼びかけた若い命

無念でなりません


この建物を見た時、すぐにその建物だとわかりました、まさか町の復興のシンボルである商店街のすぐそばにあるなんて知りませんでした

見ているだけで胸が締め付けられ鼻がジーンとなってしまいます


13年前のあの日、他人のために尽くして命を落とした人がたくさんいました


近所のお年寄りを避難させようとした人


津波が来るまで建物に残り防災無線で避難を呼びかけた人


他の消防団員を避難させ、一人で堤防の扉を閉めに行った人


こう言った悲劇を繰り返さないように昔から岩手の沿岸部では

津波てんこでんこ

と言っています


てんこでんこというのはてんでんばらばらという意味です

津波が来たらとにかく自分優先で逃げなさいという意味です

近所や家族のことを考えるととても難しいことです

でも、それをやらないと危険なんです


もし、大きな地震の時に沿岸部に居たならばこの言葉を思い出してください

とにかく逃げる、そして絶対戻らない