続・技巧派がんばれ | 行け! 武蔵小山撞球隊

行け! 武蔵小山撞球隊

長年性懲りもなくビリヤードをつづけてきたおじさんが、
なんだかんだといい加減なことを綴ります。



つい先日のこと。
ビリヤードをやらない知人女性からメッセージが届いたので読んでみますと、その中にリンクが貼ってありました。

「女性が好印象を抱く男性の趣味」

おや、ビリヤードがあるぞ。
どれどれ・・・

「ビリヤード」
賢い男性がやっている趣味というイメージ
見た目もオシャレ
お酒を飲みながらも楽しめる

・・・・・

ほぉ。
それでつまり、ビリヤードをやる男はモテるってことか?
そういえば、メッセージを送ってくれた知人も「モテてますか?」と書いておった。






おちょくってんのか!


いいか諸君!
こんなデマに騙されてはいかんぞ!

私はねえ。
飲みに行って「ビリヤードのプロです。」と法螺を吹いたことがある。

・・・モテなかった

意地になって「私は『日本ビリヤードの母』と呼ばれている。」と大法螺も吹いてみた。

・・・それでもモテなかった



これ以上、どんな法螺を吹けというのだヽ(`Д´)ノ

もういいです。
どうせ〆切りに追われてテキトーな記事を書いたんでしょうけど、テキトーにもホドがありますな。
当ブログもマッサオですよ(*´Д`)=з



怒りを鎮めて前回の続き、本格派と技巧派のお話でも始めましょうか。
両者の違いはいろいろありますけど、試合ではっきり差が出るのは「拍手の数」
これでしょうな。



ジャパンオープンの特設でこんなのをキメたら場内は大歓声、割れるような拍手に包まれる事まちがいなしです
その映像をYouTubeにでも載せたら、ものすごいアクセス数になるでしょうね。



一方これ。
8番をペロっと舐めるセーフティーです。

あなた・・・拍手しますか?

これねえ・・・
できるといえば誰にでもできる球です。
要は薄く当てるだけですからね。

ただ、空振りしたら終了ですからそこで使えるかどうか。



空振りだけは避けたいとか思っていると、きっとこんな事になります。

そんなわけで試合で使うにはけっこう勇気のいる球なのですが、一見すると誰にでもできますので拍手は貰えません
ツラいところです。


なかなか拍手を貰えないさびしい技巧派のみなさんに、「秘伝・拍手の取り方」のご案内です。
今回はJPAを例にあげてみます。



この局面。



ポンと入れて、後は8番9番。
「球なり」で事故の起きようのない運びですね。

でも、これでは誰も拍手してくれません。


以前の私は、JPAでこういうマジメな球を撞いていたのです。
そしたらね。
拍手どころか、私の試合が始まる頃にはチームメイトはさっさと帰ってしまっていないのですよ。


全身に拍手の嵐を浴びたい。
それ以外に、私がJPAに参加する意味はないのだ。
だってアンタ、社会に出て万雷の拍手を浴びる機会って滅多にありませんからね。

執念に燃える私は研究を続けた結果、ひとつの結論を導き出したのです。

「地味な球はモテん」



拍手してもらうには、「球なり」ではいけません。



わざとこんな事をやります。



そこからフリを見て「長線まわし」をやったり、



逆で回したりする要領です。

私の目論みはまんまと的中しました。

「すご~いすご~い!」ドキドキ
「ステキよ~!」ドキドキ
「抱いて~」ドキドキ

そりゃもう大拍手大歓声ですぞ!


結論です。

「拍手の取り方」
●ヘタな球を撞く
●むやみに逆をヒネる



ところが、世の中は予定通りに行かないんですな。
私が所属するJPAチームのキャプテンにウスイというのがいて、これはなかなか撞ける男ですが、みんなで海に行ったり飲み会を開いたりする時に非常にいい企画を持ってくるので重宝しております。

人呼んで「段取りのウスイ」

それで、私がデタラメな球を撞いてヤンヤの喝采を浴びておりますと、この男がジワジワ近付いて来て囁くのですよ。





「マジメにやってください。」


私はイタズラを見つけられた子供みたいに、
「すまん。次からちゃんとやる。」
とか言って、しぶしぶ地味な球を撞かされるわけです。



やれやれ。
またしても話が長くなってしまった。


ここからは、私が応援する某技巧派へのメッセージです。
長々と書いてきましたように、拍手を取るのは簡単ですが、ちゃんと見ている人もいるわけです。
そして、そういう人はあまり拍手をしないんですな。

私はちゃんと見ていますよ。



こんなのを撞く時、キミがほんのちょっと小さじ1杯分くらい逆をヒネっている事だってお見通しですぞ。
だって私、この球はキミからパクりましたから。

でも、拍手はしません。


技巧派に拍手は似合わん




もしキミがこんなのをキメても、「そんなの誰でもできるじゃん。」なんて言いませんよ。
私は拍手をするかわりに、腕を組み眉間に深い皺を寄せてうなることでしょう。


「うむ。」


そうです。
試合で本格派が二重三重の観客に囲まれている横で、ひっそり地味な球を撞き続けるのが技巧派の真骨頂というものです。
観客といえば、うるさそうなおっさんが2~3人。
はりきって、そのおっさん達をうならせてやって下さいな。
きっとその中に私もいますから。