行け! 武蔵小山撞球隊

行け! 武蔵小山撞球隊

長年性懲りもなくビリヤードをつづけてきたおじさんが、
なんだかんだといい加減なことを綴ります。

 

私がビリヤードを始めた頃、ある一人の選手がいました。

その人は背中が前に湾曲し、右手首も内側に60度くらい曲がったままで伸ばせない。更に左手の指も変形していたのです。

たぶん先天的な障害だと思いますが、この人が見える球は何でも入るんじゃないかというくらいの恐るべきシュート力を誇っていたのです。

 

でも彼には致命的な弱点がありました。

それは、引き球ができなかったのです。

 

 

ローテーションで、相手がスクラッチして先球をセンターに置いた場面です。

普通は上図のようにちょっと引けばいいと思いますが、彼にはこの引き球ができない。

 

 

それでどうしたかというと、先球をセンターではなくフットに置いて、こんな事をしていたのです。

これ以外に方法がなかったんでしょうね。

しかもフットの球、私が見る限りほとんど全部入れておりました。

それでも引き球ができないのは致命的で、どこまで行ってもA級に近いB級が精一杯だったのですが、なんといっても入れが強いので試合でA級の強豪連中を最もビビらせていたのも彼だったのです。

 

表題のように、本日はレストについて書いてみようと思います。

と言っても普通のレストではなくて、指が曲がっているとか、指を伸ばせない曲がらない、指に負荷がかかると痛いといったような方に向けたレストで、それを考えてみたいと思います。

 

一応レストの基本的な種類は書いておいた方がいいですかね。

 

 

スタンダード。

 

 

オープン。

 

 

これは何て言うんですか?

球越しのレスト。

 

 

土手撞き用1。

 

 

土手撞き用2。

 

他にもマッセなんかの特殊なのもありますが、大体こんなもんです。

 

 

さてレストを考える前に、レストを使う人の条件を決めておかなきゃいかん。

 

〇親指以外の指の第一関節が内側に曲がっている。

〇手のひらがテーブルにベタッと付かず、指先だけが付いている。

〇人差し指に負荷がかかると痛い。

〇全ての指が、中にワイヤーが入っているかのように動きが重い。

〇じゃんけんのグーがうまくできない。

 

これらは関節リウマチやへバーデン結節の症状で、レスト側の左手がこんな状態ということで考えていきます。

そうするとスタンダードは無理っぽいので、オープンレストしかなさそうですね。

 

 

こんな感じでどうでしょう?

無理に指を伸ばす必要はなく、人差し指が痛いのであれば主に中指の指先で支えて人差し指は中指に添える感じです。

実際に撞いてみると、親指側が浮いている状態はグラグラして安定しないので、親指の付け根の下あたりの肉がついている部分をそっとテーブルに付けるとか、工夫してみるのはどうでしょう。

 

後々になって右手のグリップを変えるのは大変ですが、左手のレストを変えるのは簡単なので、やりながら少しづつ工夫を加えていけば自分に合ったレストができるはずです。

 

 

このレストで撞いてみました。

最初のうちは違和感満載でうまくいかなかったのが、10球ほど撞くうちに慣れてきてそれなりに強い球も撞けるので使えると思います。

 

 

あと、もうひとつ。

こんなのもあると思います。

押し球で上を撞く時用に考えたんですけど、ポケットの球は小さいので実際には手の小さい人向けですかね。

あっ、でも、高さを低くすれば普通の大きさの手の人でも使えそうです。

 

 

このレストでやってみました。

使える! 使えますよ。

押しはこっちの方がやり易いかも知れません。

 

なおこの動画、よく見ると3Cのキューでやってますね。

こういうのは同じ道具でやるのが鉄則なんですが、失礼しました。

 

 

なぜか切れてました。

上の動画の続きです。

言い訳をしておきますと、普段私はオープンレストはほとんど使いません。つまりヘタです。

その辺は割り引いてご覧くださいね。

 

 

撮影係が撮ってくれていたので一応載せておきます。

今回は田中忍Pを中心に、みやこの常連さんや私も加わっていろいろやってみました。

こういうのを考えていると、私自身の勉強にもなります。

 

手や指が不自由という理由でビリヤードを諦めている方もおられると思いますが、ちょっとした工夫でどうにかなったりします。

冒頭で紹介した人は親指以外の指が全部変形していましたが、努力と工夫で強豪たちの心胆寒からしめる選手になったのですから。

もし諦めている方がおられたら、遠慮なくメッセージをください。