32年前、ピカピカの社会人一年生として世の中にデビューした私は、「新入社員研修」で次のことを学んだ。


①取引先とプロ野球の話はするな。

②取引先と政治の話はするな。

③取引先と給料の話はするな。


①と②は支持球団や支持政党が取引先と違った場合の混乱や悪影響を回避するため、②は待遇の差があった場合の感情的なもつれを回避するためだろう。以後、忠実にその教えを守って今日まで来たが、今回の「社民党の連立離脱は不可避か」というニュースにつき、ちょっと意見を言いたくなった。政治には全くの素人なので、それを良いことに、「連立政権というチームに帰属又は参加するときの心得」についてのみ書く。


連立政権とはラグビーで言えば日本代表チームみたいなものであろう。昨シーズン日本一の三洋から8名、トヨタから3名、サントリーと東芝から各2名、合計15名で戦う「選抜チーム」、どうだろう。当然、チームによって戦法や信条は異なるし、日本代表に選ばれる選手には個人のプライドもあるだろう。しかし、観客やファンは日本代表チームが一丸となって戦うのを期待しているのであって、ゲームの途中で選手が文句を言い合う姿ほど見苦しいものはない。そんな意見の違いは練習で出すべきで、グランドに出たら慎むべきだ。慎めないなら最初からチームに入るべきではないだろう。何たって見ているのは国民だけではない。外国の政府だって見てるんだから。


そもそも、優秀なプレーヤーなら、プレーするチームの長所や短所から自分の役割を理解し、回りの選手との調和を維持しながら自分の任務を黙々と果たすだろう。それができないプレーヤーに日本代表でプレーする資格はない。又、先日の日本対香港のラグビーマッチは後半ラフプレーが多く、何度も試合が中断したが、選手たちは「味方の選手がやられたから、敵の選手を殴っていた」のであって、決して味方を殴ったりはしていない。ラグビーやサッカー、バスケットボールでユニフォームを着用するのは、敵味方が入り乱れる中で敵と味方を瞬時に判断できるようにするためだが、連立政権に参加する政治家はどうも目が悪いらしい。



今の日本の政治家を、米国や中国、北朝鮮はどう思いながら見ているのだろう。


ボルネオ7番のブログ-表彰台
(表彰台上の日本代表戦士)


関西学生野球の春季リーグで同志社大学硬式野球部が13季振りの優勝を果たし、来月、神宮に乗り込んでくる。めでたい。野球部にとっての神宮球場は、ラグビー部にとっての国立競技場であろう。長らく便りのなかった息子から「帰郷」の連絡を受けたような気分だ。野球部は神宮球場を、ラグビー部は国立競技場を故郷と思い、年一回は必ず帰ってきて欲しい。いずれも東京にあるが、我々のような多くの家族が首を長くして待っているのだ。


野球部の皆さん、ありがとう。


神宮への帰郷は6月9日(水)と聞いた。

当然、有給休暇を取って参上する。

T道幹事長曰く、「こういうときのために、サラリーマンの有給休暇はある」。

賛成。


柔道部OBのY木さんは「気は優しくて力持ち」を絵に描いたような人物で、最近はラグビーに熱中している。その影響か、お二人のお子さん、S太郎くんとN美ちゃんもラグビーを始めたらしい。その親子が先週の土曜日、秩父宮まで2011年W杯アジア予選最終戦の観戦に出掛けた。その模様がブログに紹介されている。

http://ameblo.jp/kanto-doshisha-sports-un/entry-10543642717.html


読み進む内に、S太郎くんの質問が出てきた。

ゲームの後半、エキサイトした選手たちのラフプレーが相次いだのだが、香港の選手がジャパンの選手を殴ったときの質問だ。


 「ラグビーって紳士のスポーツじゃないの?」


S太郎くんは頭の良い少年だ。誰かが教えた「ラグビーは紳士のスポーツだ」をちゃんと記憶していたのだ。こういう質問に接すると、プレーヤーは、特にナショナルチームでプレーするような選手は、紳士に求められる自制心を決して失うことなく、最初から最後までフェアプレーに徹する必要があると言いたくなる。


この質問への答えは難しいと思うが、強いて言えば、「ラグビーは紳士になるためのスポーツ」なのだろう。私のような二流選手が偉そうなことを言ってはいけないが、ラグビーの生い立ちからして、ラグビーには様々な教育的側面があるように思うし、実際、あの激しいぶつかり合いの中で自分をコントロールするというのは大変なことだ。選手たちは皆、何度も後悔しながら、少しずつ紳士になって行くのだと思う。


もう一つ、S太郎くんが鋭い質問をしている。


 「ハッセーがイエローカードなのに、立川はレッドカードなの?」


ジャパンを応援するS太郎くんの気持ちがひしひしと伝わってくる。このジャッジに異を唱えた大人が私の回りにもいたように思う。この質問に答えるのも厄介だが、ここは、「ハリー・メイソンさんが主審だったから」と答えるしかないのではないか。私も現役の頃、何度か「なんでやねん!」と文句を言いたくなる反則を取られたが、ラグビーで主審のジャッジは絶対なのだ。そして、ラグビーで何度か経験した「不条理」を、社会人になってから、仕事や人間関係で何度か味わうことになった。それを思うと、私はラグビーを通して一足早く社会を垣間見たようにも思うのだ。