GDPとGNIを整理整頓するとこうなる。


GDPは「どこで」概念だから、日本企業が海外で上げた収益は日本のGDPには含まれない。しかし、GNIは「だれが」概念だから、日本企業が海外で上げた収益はGNIには含まれることになる。よって、GDPに海外からの所得の受取りを加え、逆に海外勢が日本で稼いだ所得を差し引くとGNIになる訳だ。なるほど!


別の見方をすると、「日本勢の海外での稼ぎ」と「海外勢の日本での稼ぎ」の差がGDPとGNIの差になる訳だが、この「出稼ぎ収支」がプラスならGNIがGDPよりも大きくなる。では、この「出稼ぎ収入の稼ぎ手」は何かというと、①ヒト、そして、②カネ、ということになる。


日本は出稼ぎ収支がプラスだが、では、①と②のどちらが稼いでいるかというと、①ではなく②だ。日本は巨額の投資を海外に対して行い、利子や配当を得ている訳だ。にも拘わらず、安部首相は「国家戦略特区」を作るとか、海外からの対日投資残高を2倍にするとか、どちらかといえば「GNI」ではなく「GDP」押し上げに焦点を当てた政策を発表しておられる。それがおかしいと浜先生は指摘されているのだ。全くその通り!


もう一つ、為替についても浜先生は鋭い指摘をされている。すなわち、対日投資を増やすなら円安も良いだろうが、対外投資を増やすには円高の方にこそメリットがある。事実、「GNI大国は通貨高大国でもあるのが通例」とのことだ。


以上、GDP重視で行くのか、はたまたGNI重視で行くのか、日本の将来を考える場合には大きな分かれ道となる選択肢だ。話を日本という国家ベースで考えるからややこしいが、これを「ボルネオ7番王国」(アマゾネス説あり)で考えてみると、人口が5人から3人に減ったこともあるし、できればGDPではなく、経済発展を遂げる他の王国への投資で利子や配当が得られるGNI重視の環境になっていた方が良かったかなという気もする。


さて、日本はどちらの道を選ぶべきなんだろう。


ボルネオ7番のブログ-hana

6月15日(土)付け毎日新聞朝刊の「危機の真相」は読み応えがあった。

同志社大学教授、浜矩子先生の連載記事だ。


ボルネオ7番のブログ-浜先生


先日、安部総理が「一人当たり国民総所得を10年後に現在の水準から150万円以上増やすことができる」と発表されたことに対し、「安部総理は国民総所得の意味を良く分かっていないのでは」という疑問を投げ掛けておられる。


安部総理がきちんと理解されているかどうかは分からぬが、恥ずかしながら、私自身が良く分かっていないことが明らかとなったので、きちんと真面目に読ませて頂いた(笑)


経済を語るとき、私たちが良く使う「GDP」とは「国内総生産」のことで、これは「どこで」概念の指標だから、日本で生み出された収益が全て含まれることになる。これに対し、「GNI」と呼ばれる「国民総所得」とは「だれが」概念の指標だから、たとえ日本国外であっても日本企業が稼いだ収益ならこのGNIに含まれることになる。


(続く)


【嘆きの壁】

エルサレム旧市の西側の城壁の一部。紀元70年、ローマ軍に破壊されたエルサレム神殿唯一の遺構としてユダヤ人の聖地とされ、中世以来、ユダヤ人はこの壁に額を押し当て、聖なる都の滅亡と神殿の荒廃を嘆き、その回復と復興を祈ってきた。(大辞泉)


嘆きの壁は英語で "Western Wall" というらしい。その Western Wall をタイトルとする一文がインドの友人から送られてきた。てっきりジョークだと思って読み始めたのだが、どうしても笑えない。これはジョークではなく実話なのか、はたまた、思い切りシニカルなブラックユーモアなのか。


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CNNの女性記者が、嘆きの壁で長年に亘り毎日2回ずつ祈りを捧げ続けているという年老いたユダヤ教徒の噂を耳にした。早速、彼女は嘆きの壁を訪れ、そのユダヤ教徒の老人が45分間、嘆きの壁に向かって祈りを捧げるのを目撃する。やがて、祈り終えた老人が杖を使って歩き始めたとき、彼女は老人に近付き、インタビューを試みる。


「失礼します。CNNの記者でレベッカといいます。お名前を伺えますか?」

「モーリスです」

「嘆きの壁で祈るようになって、どれくらい経つんですか?」

「60年かな」

「60年も?驚きました。何を祈ってこられたんですか?」

「キリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒の間で平和が保たれること」

「戦争や憎み合いが無くなること」

「子供たちが無事、信頼できる大人に育ち、隣人を愛せるようになること」

「政治家が真実を語り、彼らの利益より私たちの利益を優先するようになること」


そこまで聞いた女性記者が尋ねる。

「60年間、それを継続してこられ、今、どのように感じておられます?」

「うん・・・・まるで、壁に向かって話してきたような気分だ」


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「天は自ら助くるものを助く」という。

神様の方こそ、ずっと待ち続けておられるのかも。