今年もバレンタインデーがやって来た。昨今は義理チョコ自粛ムードが漂うが、心優しい職場の同僚たちがチョコレートを準備し、私に持たせてくれた。



昨年までは、手ぶらでは帰れないと訴える私を気遣う「メンツ・チョコ」だったが、今年の7月を以て、ついに私も職場を去ることとなったので、今回のチョコは「送別チョコ」となった。

いちばん付き合いの長い同僚は35年、いちばん短い人でも15年だから、思えば皆さん文句も言わず、良く私を支えてくださったものだ。付き合いも長くなると普通なら緊張感も中弛みするところだが、年に一度やって来るバレンタインデーが、「あっ、いけない、うちのチームに何もできない男子が一人いた、皆で支えないと!」というリマインド効果をもたらしてくれたように思う。

ホワイトデーのお返しも最後になるだろうから、きちんとお返ししておこうと思う。

齋藤ジンというワシントンのコンサルティング会社の共同経営者が「世界秩序が変わるとき」(文春新書)という本を出している。副題は「新自由主義からのゲームチェンジ」、帯には「ソロスを大儲けさせた伝説のコンサル」、更には「中国の衰退、日本の復活」とまで書かれていたから、買わずにはいられない気分にさせられた。



読み始めたら止まらなくなってしまったが、私が生きてきた時代のことが論理的に分析され、それが平易な言葉で語られているから、なるほど、そういうことか、と納得できることが出てきた。特に、米国を覇権国家と定義し、その地位を脅かす存在が出てきた場合には迷わず叩くという説明には説得力があった。


日本は第2次世界大戦で米国に完膚なきまでに叩かれるが、戦後は米国と対峙するソ連を叩くには強い日本が必要との判断から、米国は日本の復興を後押しし、奇跡と言われた経済成長を実現させる。しかし、ソ連が崩壊して日本を特別扱いする必要がなくなり、1990年代中頃に日本のGDPが米国の7割まで達すると、今度はさまざまな規制や日米構造協議の名の下に日本叩きを始める。

日本はその後の失政もあり「失われた30年」を経験するが、その間に急成長を遂げた中国が米国にとって新たな脅威となる。そこで、米国は中国を叩くために強い日本を必要とし、再び日本の経済復活に手を貸すだろうという筋書きだった。そこまで読んだ直後に、石破さんが訪米され、トランプ大統領とのにこやかな会談が報道されたから、「さもありなん」という感想を得た。何が正しいのかは分からないが、先ずは何が起こるかをちゃんと見ようと思う。

毎日新聞の朝刊に仲畑貴志さん選出の川柳コーナーがある。ときどき覗いては、世の中にはこんなにも鋭い観察眼と巧みな表現力をお持ちの方がおられるのかと感心する。



一昨日、「秀逸」に選ばれていたのはラグビーを詠んだものだった。


「ラグビーをよくぞ呼んだぞ闘球と」


ラグビー経験者なら選手時代に味わった痛みを懐かしく思い出すのでは。この作品以外にも「上手いこと言うなぁ」と感心した川柳があった。


「同期会やっていないと思ってた」

私にも案内の来ない同期会があるかも(汗)


「賢人会照れてる人は誰も居ず」

私が呼ばれることはないだろうが、万一呼ばれても末席に座ろう(笑)


そして、私が選んだ「秀逸」は次の作品。


「あちこちを傷付け丸くなった石」


最近、「ボルさん、表情が柔らかくなりましたね」と言われる。多分、回りの人たちにきつく当たって傷付け、それを後になって気付いて反省し、少しずつ相手のことを思いやれる大人になってきたのだと思う。


まだまだ尖っていると思うので、今後は私の尖りレベルでは傷付きそうにない、タフな人を探そうと思う(笑)