咲き始めた桜に目を奪われがちだが、ふと足下を見ると、草むらの中に青白く咲く花がある。「花韮(ハナニラ)」だ。花言葉は「悲しい別れ」、青白い花がもの悲しく見えることが理由のようだが、確かに無言で悲しみに耐えているようにも見える。


悲しい別れと言われると、亡くなった両親やラグビー仲間を思い出すが、別れが悲しかったのは、それだけ共に過ごした時間が濃厚で、かけがえのないものだったからだろう。そう考えると、悲しい別れがあるということは、素晴らしい出会いに恵まれたということだ。花韮を見付けたら、そう思い、感謝するようにしよう。
「性格が災いした」経験は私にもたっぷりあるが、今回はその逆で「性格が幸いした」お話。

横浜市西区の合唱祭に参加した私たち、男声讃美歌研究会は打ち上げの会を会場近くの横浜中華街で予定していた。既にお店が予約され、十数名の参加者が手を挙げていたが、その中では最年少の私が道案内をすることになった。本番3日前の練習時にお店のパンフレットと中華街全体の地図を渡されたが、経路は実にシンプルで、指定された東門から中華街に入れば、一度左折するだけで到着できる。まぁ、何とかなるかなと思い、前夜は早めに寝た。

しかし、当日の朝、私の性格が出る。そもそも中華街には土地勘がない。道案内の途中で万一道に迷ったら年長者の皆さんに迷惑を掛ける。そんな想像をし始めると居ても立ってもいられなくなり、予定より一時間早く家を出て横浜に向かった。先ず会場へ、そして中華街のお店へ。迷うことはないと思っていたが、東門を入ったところが三叉路になっていたから一瞬迷った。又、地図の活字が小さくて、歩きながら地図を見るのは無理だと分かった。

幸い、朝に下見しておいたお陰で、案内時には激しい西日が眩しく、良く前が見えなかったが慌てなかったし、ものすごい人出で私たちの列が長く伸びてしまったが、前を気にすることなく余裕で待てた。私の心配性が幸いし、皆さんを迷うことなくお店まで案内できたのだ。めでたし、めでたし(笑)

東大ラグビー場の桜が咲き始めた。
横浜市西区の合唱祭に参加した。パイプオルガンの伴奏で、讃美歌から「いつくしみふかき」、高田三郎さんの典礼聖歌から「来なさい重荷を負うもの」を歌い、最後にアカペラでメンデルスゾーン作曲の「Beari Mortui」を歌った。


指導頂いている先生から、「神様からの言葉や神様への言葉を歌うのだから、べちゃべちゃ平べったく歌わない。もっと深みと奥行きのある声を出しなさい」と良く注意される。又、pianoで小さく歌うときにこそ、きちんと話さなくては駄目よと言われるが、それらが少しできるようになってきたかなと思う。歌詞がちゃんと聴衆の皆さんに伝わっているように思えたからだ。

それでも先生が渋い表情をされた瞬間があり、後で「私は大変気持ち良く歌えたのですが、どこかマズイ点があったのでしょうか?」と尋ねたら、「八分音符が続くところで何人かがバタバタっと早いリズムになっちゃったわね。惜しかった」と言われた。それに気付かなかった私は回りの歌声に耳を傾ける余裕がなかったということだろう。次の目標ができた。もっと回りの歌声を聴こう。

音楽祭の先生方から講評が届いた。概ね好意的なものが多かったが、中に「感動的です。皆さんの歌を聴くのではなく、皆さんの心と私の心が一つになるのが嬉しいです」と書かれたものがあり、こちらの方こそ感動した。次は6月に教会で歌うことになっている。引続き努力しようと思う。