そして、2019年12月8日、73年目を迎えられたコーロカステロがコンサートを開かれた。



第1部はコーロカステロのステージで、「浜辺の歌」や「雪の降る町を」から始まり、フランスの童謡「アヴィニヨンの橋の上で」やナポリの民謡「私の太陽」、オーストラリアの準国歌「Waltzing Matilda」や黒人霊歌「The Battle of Jericho」など世界各地の歌を披露されたが、私には最初の「浜辺の歌」と「雪の降る町を」が心に響いた。良く知っているメロディと日本語の歌詞だとリラックスして聞けるし、歌われる方々にとってもさまざまな思いや感情を込めやすいようにも思う。第1部の終わりに、客席も一緒になって「小さな世界」を二部合唱したが、これは実に楽しかった。2016年の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」以来かと思うが、楽しいサプライズだった。

第2部はコーロカステロの弟分、城の音の皆さんが黒人霊歌と讃美歌を歌われた。まさに歌い慣れておられるとでも言うのか、皆さん、ほとんど手にした楽譜ではなく指揮者を見ておられたので、リズムや音の強弱が見事に揃い、心洗われる気分になれる演奏だった。続く第3部にはクラーククラブ(北大合唱団東京OB会)が登場され、「夏のまぶた」、「Spanish Ladies」、「あの頃へ」、「麦の唄」を披露されたが、途中、白髪に白髭の方が朗々と独唱された船乗りの歌「Spanish Ladies」は聴き応えがあった。又、玉置浩二作曲の「あの頃へ」は哀愁漂う歌声で心に沁みた。アカペラで歌われた箇所があったが、厚みがありながら美しいハーモニーで感心した。

第4部には再びコーロカステロが登場され、ドイツやアイルランド、ウェールズやロシアの歌を披露された。高嶋先生が独唱された「ローレライ」、ウェールズで愛唱されているという「Loudly Proclaim」、そして「フィンランディア」がとても良かったように思う。特に「フィンランディア」は、シベリウスが独立前に「独立への夢」を込めて作曲したと知り、皆さんの歌声に明るい希望に満ちた力強さを感じ、素晴らしい演奏だと思った。アンコールで歌われた「ヴォルガの舟曳歌」にはクラーククラブの方々も加わられ、実に力強く、しかしどこか男の辛さや悲しさを感じさせる演奏になったと思う。久し振りに感動的な「ヴォルガの舟曳歌」を聞かせて頂いたように思う。ありがとうございました!

初めて「コーロカステロ」のコンサートにお邪魔したのは2011年のことだ。聴き応えのある素晴らしいコンサートだったが、深く印象に残った理由は、「Tramp、Tramp、Tramp」というアメリカ南北戦争時代の北軍行進曲が同志社で応援歌として愛唱されている「若草萌えて」と同じメロディーだったことに驚いたからだ。パンフレットには「数奇な運命を辿った歌」と書かれ、北軍士官だったクラーク博士から有島武郎に伝わることで北大では「永遠の幸」という校歌に、新島襄に伝わることで同志社では「若草萌えて」という応援歌に、そしてアイルランド出身の兵士がアイルランドに持ち帰ることで「神よアイルランドを救い給え」という準国歌になったことが紹介されていた。まさに「数奇な運命を辿った歌」なのだ。この曲との出会いで、コーロカステロをものすごく身近に感じるようになったものと思う。

2012年のコンサートでは、開幕と共にメンバーの方々が色とりどりのポロシャツ姿で登場されたり、女装されたメンバーが「ハワイ結婚の歌」を歌われたり、耳だけではなく目も楽しませてくださることを知った。2014年には「カステロいろは歌留多」なるものがパンフレットに紹介されており、例えば「や」やたらrit.がしたくなり、「て」テンポゆるめば元に戻れず、「さ」下がれど上がれず、はちょうどその頃合唱を始めた私に思い当たるもので、大いに笑わせて頂いた。2016年は70周年を記念するコンサートで、盛り沢山の企画に楽しませてもらったが、高嶋先生が独唱された「ホワイトクリスマス」は豊かで優しい歌声に心が癒された。又、客席と一緒に歌う「アヴェ・ヴェルム・コルプス」にも感動した。

 

コーロカステロ
2012年のステージ


2017年は少し物足りなかったと偉そうにブログに書いているが、2018年は「村の乙女」、「手のひらを太陽に」、「トランブーラン」(インドネシア民謡)、「草競馬」、「懐かしのヴァージニア」、そしてビートルズの「Yesterday」など初めて聞く歌が新鮮で、多分、コーロカステロが得意とされてきたロシアやドイツの男っぽい歌よりも表現力が生きて聴き応えがあったのではと思う。逆に、この年から賛助出演されているクラーククラブと一緒に歌われた「巡礼の合唱」には感動したと書いているので、やはり、男の歌は大勢の力強い歌声があるとより一層引き立つのかなと思った。

(続く)

 

「最初に平尾君と電話で話しました。20分程の会話でしたが、驚いたことに、メモした単語をつなぐとそのまま原稿になりました。彼は私の質問の意図や、どうまとめたいかという私の方針まで理解し、私の質問に答えてくれていたんです。」

「次に林君と電話で話しました。」

ここで何人かの方が笑われたから、話の展開を読める程、林君と親しい方が居られたということだろう。

「同じ質問をしたはずですが、話題は低迷を始めた同志社ラグビーのことに変わり、彼が『あんなディフェンスで早慶明に勝てると思いますか?』みたいなことを言うので、『ホンマや、その通りや、良う言うた』と私も答えて盛り上がり、気付いたら私は電話口で泣いてました(笑)」

多くの方が笑われたから、私と同じような経験をされた方がたくさん居られたに違いない。

「それで、『林、今日は君と話せて良かった、ありがとう!』と電話を切って私のメモを見たら何も書いてない(笑) 何を話していたかも覚えてない(笑) 彼は『壊し屋』ですが、私の編集スケジュールまで壊したんです(笑)」

作り話ではないので、話し方にも熱がこもる。

「林君はそういう熱い男やから、ここにいる人たちには責任があると思います。今回の受賞で彼の活躍の場が広がります。しかし、時には、あのう、子供が熱を出した時おでこに貼る冷えピタってありますよね、そういう役割や通訳が必要になると思います。松永さん(慶應義塾OB、林君が会長を務めるNPOヒーローズの副会長)、頼りにしてます(笑)」

皆さん、良く笑い、大きな拍手も下さったが、これも林君への信頼や好意が私に回って来たということだろう。これからも、できる範囲で林君を応援しようと思う。林君、おめでとう。それから、ありがとう。