子供の頃から年末12月30日には琵琶湖畔にあるご先祖様のお墓参りに行くことになっている。父が元気な頃は父と、父が亡くなってからは一人で行くことが多いが、父の口癖は「わしが墓参りに行くと晴れる。ご先祖様が喜んだはるからや」で、実際、墓参した日が雨だった記憶がない。

ところが、父が亡くなり、私一人で行くようになってからは2回に1回は雨に降られているし、雨だった昨日の墓参では足を滑らせて転倒し、右脚の向う脛を負傷してしまった。ハンカチで出血を抑えながら溜め息をつき、「あぁ、ご先祖様が怒ったはる。特に親父が怒ってる」と思わざるを得なかった。

父は私が48才の時に亡くなったが、30才までの私は期待通りか期待以上の息子、しかし、それ以降の私は期待外れの息子だったように思う。やり直せるものならやってもみたいが、今さら時間は取り戻せない。そこで、痛む脚を庇いながら京都へと戻り、今年も父の友人で良き話し相手でもあったゴローさんのお宅にお邪魔した。ゴローさんも私が期待外れの息子になってしまった経緯はご存知だか、そんなことには一切触れず、今年も奥さんと一緒に歓待下さった。奥さんが作られたおせち料理を味見と称して頂く。

数の子。この歯応えステキです!

栗きんとん。「裏漉しが大変なんえ」とのこと。すみません、味わって頂きます。

山椒の効いた田作り。オトナの味。

皺一つない丹波の黒豆。あぁ、幸せ。

そして、何より大好きな「棒鱈」。骨までサクサクと食べられるほど、時間を掛けてじっくり煮込まれた逸品。

ご先祖様も父も、私の生き方に満足はされていないが、「それを知って反省したなら、ゴローさんと奥さんに頼んで好物のおせち料理を食べさせてやる」という父の声が聞こえたような・・。来年、きちんと生きます。
参加している勉強会の忘年会が開かれた。多分、近況報告の時間があるだろうが、一人2分でも30分近く掛かるし、最年少の私が時間を取るのは申し訳ないと思い、A4用紙一枚に「私の2019年」を書いて持参し、皆さんに配らせて頂いた。


「大切な順に書いたのなら、仕事よりラグビーの方が大切ということだね」と指摘され、「ABC順です」と答えたが、FAMILY, RUGBY, WORK の後は MUSIC, TRAVEL と続いていたのでウソがばれた(笑) これを書いてみて分かったことは「まだまだ受け身」ということだ。自分の意志で決めてはいても、自ら進んで始めたり取りに行ったものが少ない。

その中で能動的に動いたのは MUSIC に多かった。いろんなコンサートを聴きに行き、合計すると20のコンサートに出掛けていた。又、合唱団で6回、バイオリンで3回、合計9回、人前で歌ったりバイオリンを弾いたりしていた。「バイオリンはなかなか上手くなりませんが、人前で弾けるだけ厚かましくなれました」という文章に皆さん拍手を下さったが、楽しいことは自分から動くし、自然に続くということだ。2020年はそういうことを他の面でも探そうと思う。
「アヴェマリア」と聞くと、子供の頃にバイオリンで練習したグノーのアヴェマリアを思い浮かべるが、ソプラノ歌手の田村麻子さんによると、世界には100曲を超える「アヴェマリア」があるのだとか。多くの人々に慕われ、愛されてきたマリア様だから、さまざまなメロディと言語で歌が作られ、地域や時代を超えて歌い継がれて来たのだろう。

その中から選ばれた16曲の「アヴェマリア」を田村麻子さんがパイプオルガンの伴奏で歌っておられる。"Jewels of Ave Maria" というアルバムで、それぞれの曲に人々が込めてきた感謝や祈りの念を感じ、聴く程に心が清められて行くようだった。


ここからは個人的な好みになるが、一番好きなのはカッチーニのアヴェマリアで、その地位は不動。しかし、ピエトロ・マスカーニのアヴェマリアとサヴェリオ・メルカダンテのアヴェマリアも素晴らしく、田村麻子さんの美しく豊かな歌声がピッタリ合っていたように思う。対照的にドヴォルザークのアヴェマリアは教会で歌うのが似合いそうな、高尚で少し厳格な雰囲気が漂うアヴェマリアで、こちらも素晴らしかった。。

最後に収録されていたのはピアソラのアヴェマリアだが、何故かこれには胸が締め付けられる思いがした。南米ラテンのマリア様はきっと情熱家なんだろう。作曲家により心に描くマリア様も違うということだろうが、それぞれを歌いこなす田村麻子さんは立派。