「アヴェマリア」と聞くと、子供の頃にバイオリンで練習したグノーのアヴェマリアを思い浮かべるが、ソプラノ歌手の田村麻子さんによると、世界には100曲を超える「アヴェマリア」があるのだとか。多くの人々に慕われ、愛されてきたマリア様だから、さまざまなメロディと言語で歌が作られ、地域や時代を超えて歌い継がれて来たのだろう。
その中から選ばれた16曲の「アヴェマリア」を田村麻子さんがパイプオルガンの伴奏で歌っておられる。"Jewels of Ave Maria" というアルバムで、それぞれの曲に人々が込めてきた感謝や祈りの念を感じ、聴く程に心が清められて行くようだった。
ここからは個人的な好みになるが、一番好きなのはカッチーニのアヴェマリアで、その地位は不動。しかし、ピエトロ・マスカーニのアヴェマリアとサヴェリオ・メルカダンテのアヴェマリアも素晴らしく、田村麻子さんの美しく豊かな歌声がピッタリ合っていたように思う。対照的にドヴォルザークのアヴェマリアは教会で歌うのが似合いそうな、高尚で少し厳格な雰囲気が漂うアヴェマリアで、こちらも素晴らしかった。。
最後に収録されていたのはピアソラのアヴェマリアだが、何故かこれには胸が締め付けられる思いがした。南米ラテンのマリア様はきっと情熱家なんだろう。作曲家により心に描くマリア様も違うということだろうが、それぞれを歌いこなす田村麻子さんは立派。
