昨日は「父の日」だった。子供の頃から見ている日テレの「笑点」で「父の日から始まる五七五の川柳を」という出題があり、三遊亭小遊三さんが「父の日も  良いけど欲しいな  じいじの日」とお答えになり、座布団は貰えなかったものの、客席からの笑いと拍手を受けておられた。



日本には未だ「じいじの日」はないと思うが、孫娘が手作りのスイートポテトとコーヒー豆をプレゼントしてくれた。私は老人扱いされたくない高齢者ではあるが、昨日は幸せな「じいじの日」になった。感謝。

今年も大学の先輩、S橋さんから「新美展」の案内ハガキが届いた。今回はF50号を3点出品されたとのこと。調べてみると、F50号のサイズは1167㎜×910㎜という大きさだから、これを3点完成させるのはさぞかし大変だったことと思う。

 

その1点目は「鵜飼」と題されたもので、鵜匠が複数の鵜を操り、川魚を取らせている様子が描かれている。私が見事だと思ったのは、夜空を背景にくっきりと浮かび上がる鮮やかな篝火だ。子供の頃、長良川の鵜飼いを見に行ったことがあるが、魚を捕る鵜より、勢いよく燃える篝火に目を奪われた記憶がある。それを思い出した。



2点目は「祇園祭(京都)」という作品で、まさに向きを変えようとしている山鉾の様子が描かれている。大きくて重い山鉾だが、エンジンもハンドルも付いていないから、向きを変えるのは一苦労だ。多くの人が力を合わせて山鉾を引き、少しずつ向きを変えていくが、その息遣いが聞こえてくるような作品だ。



3点目は「祇園新橋(京都)」という作品で、夕暮れ時の祇園新橋が描かれている。赤く染まる夕焼け空、赤く光の灯った料亭の窓、そして赤い神社の玉垣と着物姿の女性たち・・・なんとも妖艶な世界だ。こんなになまめかしく、あでやかな祇園新橋を描けるということは、こういう時間帯にS橋さんは何度も出入りされていたのだろうか。今度、聞いてみよう。



DSKクワイア(男性讃美歌研究会)でご一緒しているY野さんが出演されると知り、小平市のルネこだいら大ホールまで足を伸ばした。「メンネルコール」はドイツ語で男声合唱団のことらしいが、頭に付く「K・K」は何かと思ったら「小平・界隈(Kodaira Kaiwai)」を意味するとのこと。ひょっとすると高尚で難解なドイツ語の頭文字から取られたのかなと思っていたので、多少拍子抜けするとともに、大いなる親しみを感じた。

 

さて、開演はまだかとステージを眺めていたら、単独で出て来られたピアニストの方が行進曲を弾き始められたから、いったい何が起こるのかと思っていたら、客席の後ろのドアから団員の皆さんが入場行進して来られ、客席からステージに上がられた。なんともユニークな演奏会の始まり方に驚いたが、観客の皆さんは手拍子でそれを迎え、大喜びされていたから、小平では人気のある合唱団なんだ知った。



1st Stageはヨーロッパに伝わる学生歌の「Gaudeamus」、東日本大震災の復興を願う「ほらね」、そして早稲田大学グリークラブで生まれたという「酒頌」の三曲が演奏されたが、私は「ほらね」の響きに大人の優しさを感じ、素晴らしい演奏だと思った。東日本大震災の被災者のことを思い、何とか励ましたいと願う歌詞に共鳴された大人が揃っておられるのだと思った。

 

2nd Stageは銀色夏生作詞、上田真樹作曲の男声合唱組曲「終わりのない歌」を演奏されたが、第4曲の「終わりのない歌」が最も心に響いたように思う。この組曲は男性の切ない恋心を歌ったものらしいが、平均年齢75才の団員が歌われる第4曲の「時間をください」「力をください」という歌詞には嘘偽りのない願いが込められているようで、間もなく70才になる私も歌詞に共感することとなった。



3rd Stageには全身黒尽くめのスタイルにトップテナーは赤、セカンドテナーは黄、バリトンは緑、ベースは青のネクタイを締めて出て来られ、目にも鮮やかな登場に客席から「おぉ~」という歓声が湧いた。「そうらん節」に始まり、「昴」、「主は私の羊飼い」、「Sing Along」など7曲を演奏されたが、アカペラで歌われた「そうらん節」、途中でガラリと趣を変えて歌われた「大きな古時計」、ソロとコーラスが新鮮に響いた「明日に架ける橋」が素晴らしかったと思う。

 

以上、団員の皆さんと指揮者の下村雅人さんと観客席の皆さんが見事に一つの世界を作っておられ、普段は出身校つながりの合唱団コンサートしか知らない私にとっては、新鮮で興味深い演奏会になった。サービス精神が旺盛で、さまざまな人生を歩んでこられた方々がおられる合唱団だから、来年も驚きと笑いに満ちた演奏会を企画されるのかなと思う。