先日の勉強会でも近況報告を簡潔に済ませようと、「私の2020年1月」なる書面を用意し、皆さんに配った。私が働く業界での出来事、取り組んでいる仕事、世界で起こった事件と私の感じ方、そして、大学ラグビー選手権で感じたことを書いて行った。


「決勝は早稲田vs明治という伝統校同士の対戦。素材は明治が上、練習量は同じ、しかし、自らの弱点を認知し、明治に勝つにはどうすべきかを理解し、共有していた早稲田がチーム力で上回った。我が同志社は素材、練習量、チーム力の全てで彼らの後塵を拝した。負けて当然。」

この「チーム力」を上手く説明できなかったのだが、日経ビジネスで健康社会学者の河合薫さんが紹介されていたアリストテレスの言葉を見付けた。これこそ、私が言いたかったことだ。

The whole is greater than the sum of its parts.

久しぶりに早稲田らしいチームを見たように思う。親父も天国でニンマリしていることだろう。


勉強会に出席した。引退された方が多いが、ジャーナリスト、外交官、公務員、商社マン、大学教授、企業経営者・・と様々な分野で活躍された方々が揃い、毎回、興味深いお話を聞くことができる。

会員の中に元フルブライト留学生がおられる。イリノイ大学院に学び、帰国後はジャーナリストとして活躍。小説家、企業経営者という顔もお持ちという多才な方だ。私より二回り年上だから、悠に80才を超えておられるが、一昨年、プロの落語家に弟子入りして皆を驚かされた。


既に何度か高座にも上がっておられるから大したものだが、今回の勉強会でも見事なオチを披露され、拍手喝采となった。きっかけは私の発言だ。「トヨタ自動車は裾野市の工場跡地にスマートシティを作ります。この変身は見事です。車ではなく街を作るんですから。これに対し、日産は大丈夫ですかね? どうするんですかね?」

「そんなの簡単だよ。音響資材を入れる箱をたくさん作れば良いんだ」(爆笑と拍手) おあとがよろしいようで。
日産の次はトヨタ自動車だ。今年の12月末に閉鎖される裾野市の東富士工場の跡地に、人とあらゆるものをインターネットでつなぐという新しい街を作るのだとか。2000名が実際に暮らすということだから、いろんな試みや実験を繰返し、未来の街を模索するのだろうか。トヨタは自動車メーカーだと思っていたが、街まで作るとは・・。

ニュースが伝えるところでは、カナダのトロント市が同じような試みをしようと、グーグルと準備を進めてきたらしい。ところが、地元住民がプライバシー侵害の恐れありと反対運動を起こし、事業が縮小されたらしい。その直後にトヨタの豊田社長がこの計画を発表されているし、中心になって事業を進める子会社のCEOカフナー氏はグーグルに居られたようだから、トヨタは用意周到に準備し、絶妙のタイミングで発表したということか。

又、この街は「Woven City」と名付けられているらしいが、直訳すれば「織り込まれた街」になるのだろうか。インターネットが人とあらゆるものを縦横に結ぶという意味では良くできた名前だが、トヨタの発祥が豊田自動織機であることを思うと、変身は重ね続けるが原点は忘れず、と説明できるから、なかなかの命名だと思う。

こちらの騒がしさは、映画の予告編を見せられたようで、ちょっとワクワクする。トロント市のように、心配の声や問題の指摘も出てくるのだろうが、変化のエネルギーを感じさせる話だ。