この2度目の絶滅の危機を生き抜いた生物にティクターリクという生物がいる。浅瀬を泳いでいた魚で、形はワニに似ているが、肋骨があって肺呼吸をしていたらしい。この魚のヒレが脚に進化し、何と陸に上がることで生き残ったらしい。なるほど、第2の危機では「新しい世界」がサバイバル要因か。

ティクターリクの想像図

第3の絶滅の危機は約3億年前のペルム紀にやってくる。パンゲアという合体による超大陸ができたことから雲が発生し、雪が降り始めて寒冷化を迎える。一方では火山の噴火が活発化し、これが100万年続いたことから食糧難となり、96%の生物が絶滅する。

興味深いのは、生き残った4%の生物の中にカイムシが含まれ、発掘された化石を調査したところ、この危機を乗り越えたカイムシの大きさが約半分近くまで小さくなっていたことだ。食糧難となった第3の危機では「小型化」がサバイバル要因ということか。

今回のコロナウィルスの感染拡大が止まらない。これに大きなダメージを受ける個人や法人が多いと思うが、感染拡大は世界的なもので、今や「移動」しようにも安全な場所がない。又、「新しい世界」も見当たらない。そういうことからすると、限られたお金や食糧、水資源などで賄える「小型化」こそ有効なのかなと思えてくる。
NHKの「コズミックフロント」という番組を観た。「大量絶滅ビッグファイブ~生命進化の謎に迫る~前編」で、地球上で過去に5回あったという大量絶滅の中から最初の3回を取り上げていた。

聞きなれない固有名詞が飛び交っていたが、5億年前にカンブリア大爆発があり、その後、豊かな海洋生物が出現する。ところが、オルドビス紀の後半に氷河期を迎え、厚い氷床で海が減ったところに今度は温暖化が進み、海水温度が上昇してしまう。その結果、85%の生物が絶滅。

面白いのは、この時、生き残った生物の特徴だ。チョッカクガイという円錐形の殻を持つ生物は移動能力に長け、生存可能な場所まで移動したものが生き残る。もう一つ、ウミユリは海底に根を降ろした生物で移動は叶わないが、海中に放出した卵の中から生存可能な場所までたどり着いたものが生き残る。なるほど、第1の危機では「移動」がサバイバル要因か。

2度目の危機は4億年前のデボン紀に訪れる。大雨が降り続けることで、リンや窒素の栄養分が海に流れ込み、大量の植物プランクトンが発生する。これをバクテリアが分解する際に酸素を必要としたことから、海中が低酸素状態となる。その結果、生物の王者として君臨していたダンクルオステウスという強靭な顎の骨を持つ体長10メートルの巨大魚もあえなく絶滅。植物連鎖の崩壊から75%の生物が絶滅したらしい。

巨大魚の想像図と人間の大きさとの比較。

(続く)
アール・ウォーレンという判事が残した言葉、「私はいつも最初にスポーツ欄を開く。そこには人間が達成したことが記録されている。第一面は人間のしでかした失敗ばかりだ」。最近、新聞を開く度に、本当にその通りだと思う。スポーツ欄が無いに等しいから身を乗り出さないのだ。

そんな中、毎日新聞の夕刊がパラカヌー日本代表の瀬立モニカ選手を取り上げていた。高校一年の体育の授業で転倒した彼女は脊椎を損傷し、胸から下を動かせなくなってしまう。苦しい日々が続くが、元々カヌー選手だった彼女は久しぶりのカヌーで水面がどこまでも平らでバリアフリーであることに気付き、再び競技に取り組むようになる。

その瀬立モニカ選手が沖縄県大宜味村の塩屋湾で練習を重ねているという記事だったが、地元の人たちが彼女のために海面に降りるための木製スロープを作ったり、新鮮な野菜を毎日届けたりしているとか。写真は沖縄で「ゆんたく」と呼ばれる井戸端会議に彼女も参加し、地元の人たちと談笑しているときのものだ。


ここにあるものは法律に基づく行動でもなく、何か宣言があってできた集まりでもない。スポーツ選手が回りの人たちに感動を与え、スポーツ選手はそういう人たちから戦うためのエネルギーをもらう。何と素晴らしい世界か。コロナウィルスのワクチンが開発されたら、先ずはスポーツ選手に回してみてはどうだろう。