Wikipediaによると、「オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』は、クリストフ・ヴィリバルト・グルックが作曲した3幕からなるイタリア語オペラで、グルックのオペラの中で最も有名な作品である」とのこと。たまたま、朴 令鈴さんがオーケストラの中でチェンバロを弾かれると知り、鑑賞させてもらうこととした。



物語は亡き妻エウリディーチェを何とか生き返らせようと祈りを捧げるオルフェオの登場で始まる。彼に同情した愛の神アモールの手引きでオルフェオはエウリディーチェとの再会を果たし、現世に連れ戻そうとするが、全能の神ゼウスが「現世に戻るまでは決して彼女の顔を見ないこと。見たらその場で彼女は死ぬ」という条件を付けたことを知る。ところが、そんな条件のことなど全く知らないエウリディーチェから「なぜ、あなたは私の顔を見ようともしないし、抱擁もキスもしてくれないの?」と迫られ、オルフェオはついに彼女の顔を見てしまう。

ここで終わると悲劇のオペラだが、第3幕に更なる救いがあってハッピーエンドとなる。良かった(笑) 歌手や合唱団の歌声にはその場面ならではの感情が豊かに込められていたし、ダンサーの皆さんの激しくも滑らかな動きには目を見張った。又、それらを終始支えておられたオーケストラの演奏は素晴らしかったし、令鈴さんが弾かれたチェンバロもちゃんと聞こえて来こえてきた。特にオルフェオがエウリディーチェを想って歌う場面ではチェンバロの音色が素敵に重なり、私には悲しみ悩むオルフェオをチェンバロの凛とした音色が励ましているように聞こえた。楽しい時間になった。

丸紅ラグビー部で一緒にプレーした仲間6人で食事した。共通の話題は当然ラグビーになるが、誰からともなく「俺たち、良い時代にラグビーしておいて良かったな」と言い始め、一同、深く頷くこととなった。以下、元ラグビー選手たちの独り言。



「BKも今やラック、モールに入れないと使ってもらえないんだろ?俺、あんな痛そうな所に入りたくないよ(笑)」

「最近の第1列はパスも上手いし、BKラインに入っていても違和感ないよね。俺、無理。ま、誰も俺にはパスしないと思うけど(笑)」

「最近はSHですらデカイもんね。スクラムサイドもぐってきても、俺、タックル行くの止める(笑)」

「ラグビーは15人で戦うもんだと思っていたけど、今は負傷退場以外でも8人まで交代できるんでしょ? だったら23人で戦うスポーツだよね」

「昔は15のポジションがあって個性を生かせるスポーツだと教えられたけど、今や個性の前に最低80kgの体重と走れる身体が必要じゃないの」

「TMOにも驚いた。我々の時代は間違っていてもレフェリーの判断が絶対で、俺なんか世の中の不条理を学ばせてもらったと感謝してるもん」

と、一人ひとりが呟く度に皆が頷くこととなった。確かにラグビーは変わった。が、痛みや苦しさ、緊張や興奮、喜びや悔しさを大人数で共有できる点は変わらない。本当に素敵なスポーツを経験できたと思う。

豊島区の「区民ひろば高松」で開催された「秋フェスタ」というイベントに男声讃美歌研究会で参加し、50名程の来場者を前に歌う機会を与えて頂いた。



讃美歌だけでは十分にお楽しみ頂けないだろうとの推測から、最初に源田俊一郎さんによる編集曲「ふるさとの四季」から秋と冬の歌を各2曲と「ふるさと」を、次に讃美歌の「安かれ我が心よ」と「慈しみ深き」を歌った。たまたま私は司会進行役として曲の紹介をしていたのだが、来場者の中には目が合うと微笑んだり頷いてくださる方が多く、暖かな気持ちにさせられた。

次に歌ったのは永六輔さん作詞、いずみたくさん作曲の「女ひとり」だが、曲の紹介で「♫京都大原三千院、恋に疲れた女がひとり♫と歌詞に出てきますが、我々の中には学生時代を京都で過ごした者が多いので、ひょっとすると、この中に恋する女を疲れさせた悪い奴がいるかも知れません、いや、いるに違いありません」と申し上げたら皆さん笑ってくださった。慣れぬ司会進行だっただけに嬉しい反応だった。

最後に歌ったのは「群青」で、曲の説明は一転、厳しく重いものとなり、東北地方を襲った東日本大震災により、卒業式を終えたばかりの南相馬市 小高中学校に津波が押し寄せたこと、106名いた1年生の内、2人が亡くなっていること、残る104人も福島第一原発の事故によって避難を余儀なくされ、97名は北海道から九州まで散り散りになってしまったこと、残る7名の生徒たちも歌う元気を失くしていたことを説明した。ただ、そんな中、音楽の小田美樹先生が大きな日本地図と同級生の顔写真を地図に張り出されたことから生徒たちが集まって会話を始め、生徒たちの言葉が「群青」の歌詞になっていることをご説明すると、皆さん、静かに聞いてくださっていたのが、少しホッとされたように見え、これは本当に心を込めて「群青」を歌わないといけないなという気持ちになった。

セレモニーの最後には、来場者の皆さんと一緒に「ふるさと」を合唱した。皆さん、ご自分の故郷を思い出されたのか、優しく暖かな思いに満ちた「ふるさと」に聞こえ、大変感動した。ハンカチで目頭を押させておられる方がお二人おられ、素晴らしい時間を過ごせたのだと思った。感謝。