約1ヶ月、ブログを更新していないことから、「元気にしてる?」というお問い合わせを頂いた。幸い、元気にしてはいたのだが、実は、心の余裕がなかった。私から心の余裕を奪ったのは「不思議の国のアリス」だ。


(木下牧子さんの作品)

子供たちに音楽を教えておられるS先生から、今年も子供たちのためのオペラへの参加を打診された。3年前の「白雪姫と7人の小人たち」と2年前の「魔笛」ではコーラスの一員を務め、昨年の「森は生きている」ではコーラスに加え、総理大臣役を拝命したので、ちょっとした台詞を言う場面があった。


(鳥2の衣装、右端)

今年もその程度の役割だろうと安請け合いしたのだが、私が引き受けた役柄の「鳥2」、「伯爵夫人の使用人」、「ジャック裁判の傍聴人」各々に短いながらも「歌う場面」があることを知った。慌てて楽譜を開いたが、#や♭、3連符が頻繁に出てくるし、とても私の手には負えない。「不思議の国に迷い込んだのは私だ!」という気分になった。


(終演後のカーテンコール)

それでも何とかなったのは、22回中19回の練習に参加できたこと、参加者の一人である大学生が作成してくれた音源を暇さえあれば聞けたこと、そして、やっぱり今回も歌や踊りや演技に明るく挑戦を繰り返す子供たちの笑顔に励まされたからだろう。練習を重ねる度に不安が増す大人、練習を重ねる度に堂々としてくる子供、その対比が面白く、頼もしくもあった。

同級生、A山さんと代々木駅近くのジャズ・ライブハウスにお邪魔し、A山さんのご友人、Hannaさんがヴォーカルを務めるジャズ・トリオの演奏を聴いてきた。


回りのテーブルを見回すと、ウィスキーや生ビールで乾杯しながら開演を待つ方々が見え、まさにオトナの世界。しかし、お酒が大好きではないA山さんはジンジャーエール、お酒が全く飲めない私はノンアルコールビールを小声で注文、静かに乾杯して開演を待った。



喉を潤し、汗が引いた頃に開演。それからの約3時間、Hannaさんの伸びやかで優しいヴォーカル、ナミヘイさんの緩急自在のピアノ、キリンさんの安定感抜群のベースをしっかり堪能させてもらった。

帰り際にA山さんが「こういう夜もたまには良いよね。ちょっとオトナになった気分」と言ってきたから、ついつい「ホンマやね」と答えてしまったが、考えてみれば我々2人は70才の高齢者。まだオトナの世界に辿り着いていないのかと気付き、おかしくなった。A山さん、ぼちぼちオトナの世界に行こうね(笑)

沖縄のホテルで食事をしていたら、「同志社の卒業生ですか?」と後ろのテーブルに居られた紳士から声を掛けられた。私が着ていたラグビー部のTシャツに同志社の校章がプリントされており、それをご覧になられたらしい。

「はい、1978年の卒業で、ラグビー部に在籍していました」、「そうでしたか。私はワンダーフォーゲル部のOBで、1969年の卒業です」という自己紹介から同じ体育会出身ということが分かり、初対面とは思えない楽しい会話をさせて頂いた。

普段は卒業生であることを意識などしていないが、同級生や同窓生と会うと同志社の卒業生であることと、新島先生が私たちに残された言葉を思い出す。

(校祖 新島襄先生)

「わが校の門をくぐりたるのものは、政治家になるもよし、宗教家になるもよし、実業家になるもよし、教育家になるもよし、文学者になるもよし、且つ少々角あるも可、奇骨あるも可、ただかの優柔不断にして安逸を貪り、苟くも姑息の計をなすがごとき軟骨漢には決してならぬこと、これ予の切に望み、ひとえに希うところである。」


はい、政治家にも宗教家にも実業家にも教育家にも文学者にもなれず、角だけは未だに少々あるようですが、軟骨漢にだけはならないよう努力します(笑)