Bookworm in the Hammock

過去の記事に埋もれてしまっているけれど、


実はtakeshi イチオシの本は、こちら。


→ http://ameblo.jp/bookworm-traveler/entry-10694139137.html



ブログを書き始めた頃のエントリーなので、


文章も紹介の仕方もとてもつたないのですが、


是非皆さまに手にとっていただきたい作品ですビックリマーク

Amebaでブログを始めよう!
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『ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死』石井光太著 NHK出版新書

お久しぶりですビックリマーク

takeshi です。


ブログ記事の書き方、

忘れてしまいました 笑


今日ご紹介するのは、takeshiの大好きな著者、

石井光太さんの新著、

『ニッポン異国紀行 在日外国人のカネ・性愛・死』 (NHK出版新書)

です ビックリマーク


$Bookworm in the Hammock


この本は、海外ルポルタージュの傑作、

『物乞う仏陀』、

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『神の棄てた裸体』、

$Bookworm in the Hammock


の著者である石井光太さんが、

日本国内に住む外国人、すなわち「在日外国人

に目を転じて、著したものです。


実は、takeshiは多くの在日外国人を

仕事上のクライアントとしているので、

平均的な日本人よりは

在日外国人のことを理解していますが、

それでも、石井さんの斬新な切り口によって、

様々な気づきや発見を

得ることができました・・・


     * 


本書の章立ては以下の通り。


第一章 外国人はこう葬られる

第二章 性愛にみるグローバル化

第三章 異人たちの小さな祈り

第四章 肌の色の違う患者たち



面白そうでしょう? 笑 


     *


本書は、つぎのような出だしで始まります。


「日本で外国人が死ぬとどうなるか知っているか?

外国人の死体は内臓を抜かれて防腐加工され、

ドライアイスで冷凍保存されたまま、

飛行機で祖国へ送り返されるんだぞ。

まるで輸出された魚だよな。


けど、遺体の搬送ってすごくお金がかかるんだ。

中東に運ぶだけで百万円はゆうに超える。

日本で何年も必死になって働いても、死んでしまえば、

貯金はすべて死体の搬送費用で消えちまうんだ。

儲かるのは、日本の葬儀屋と航空会社だけ。

結局俺たちは、いつまでたっても貧乏なままなのさ」


     *  


外国人をクライアントとするtakeshiは、

国際相続、つまり在日外国人の相続問題について

ご相談を受けることはあります。

しかし、なくなられた直後のことや、

墓地の問題については、

葬儀屋さんの領域なので、

よく知りませんでした・・・


また、日本の病院で早期に流産してしまった

外国人女性のくだりには、

思わず涙してしまいました。


日本では、妊娠12週未満の胎児は、

「感染性廃棄物」、つまり医療現場における

ゴミとして、廃棄処分されるそうです。


ところが、宗教や文化によっては

これら12週未満の胎児も、

「人間」と考えることもあります。


「少し前にも、医師が母親の意見を聞かず、

流産した胎児を棄ててしまったことが

ありました。(中略)

あとから母親はそれを知って、

取り乱して僕のところに泣きついてきた。

『赤ちゃんを国に送って埋葬しようとしたのに、

医者が棄ててしまった!』ってね。

 (中略)

最終的にはボランティアの通訳が説得して

何とか事態を収めましたが、

母親の心の傷は癒えることがなく

いつまでも泣き続けていました。


母親にとっては、妊娠した時点で

子どもは子どもなんでしょうね。

生まれてこなかったとはいえ、

丁寧に葬ってあげたかったんだと思います。」


文化の違いは、

時にこんな悲劇も生んでしまいます・・・




        *

第二章では、

日本におけるセックス・ビジネスの話や、

偽装結婚」がとりあげられています。

takeshiは、国際結婚のご相談もよくお受けするので、

なかなか興味深く拝見しました。

        
        *

第三章では、

日本人ホームレスに布教している

韓国系教会という、

実に興味深い異空間が取材されています。


        *

第四章では、

ナイジェリア男性と日本人女性の、

ともにHIV感染者である夫婦が

取材されています。

ここのくだりは涙なしでは

読めませんでしたが、


ビザを所有していないことが

露見することを恐れて、

病院に行くことができない

不法滞在の外国人が、

怪しげな薬に手を出したり、

命を落してしまうケースさえあるという

現実が報告されています・・・



現在の日本では、

外国人とかかわりを全く持たずに

生活をされている方のほうが、

むしろ少数派になりつつあるのでは

ないでしょうか?


職場の同僚に外国人がいる方、

配偶者が外国人の方、

留学生の友人をお持ちの方など、


外国人とのかかわりをお持ちの方全員に、

おすすめできる一冊です。



ではまたビックリマーク

『ニッポンに生きる 在日外国人は今』 共同通信社取材班 ~現代日本の難民事情、そしてスギハラ~

takeshiです。


東京もクリスマス間近らしい、

冬の冷え込みになってきました・・・


今日は、家の近くの

小さな本屋さんで見つけたかなりの良書、

『ニッポンに生きる 在日外国人は今』 共同通信社取材班(現代人文社)

をご紹介しますビックリマーク

$Bookworm in the Hammock


本書には、30名近い日本に暮らしている

外国人が登場します。


日ごろ外国人をクライアントとして仕事をしているtakeshiにとっても、

なかなか興味深い外国人達が沢山登場しています。


・死線をさまよった後に難民として来日しその後帰化した元カンボジア人男性、


・尖閣諸島事件の折に留学生として在留していた中国人女性、


・日本人夫のDVからようやく逃れたフィリピン人女性、


・日本人との接点がないために滞日20年でありながら日本語がおぼつかないペルー人男性、


・日本人夫と結婚した後に以前働いていた工場を提訴した元実習生の中国人女性、


・不法滞在歴22年のパキスタン人、


・政府の人権侵害を告発する記事を書き本国を追われ日本で難民認定を受けたものの仕事が無く

 生活保護を受給しているアフリカ人ジャーナリスト などです。



また、外国人だけでなく、フィリピン旅行途上の航空機内で日本人ブローカーに

偽装結婚を持ちかけられて結婚し、その女性の借金を背負って債務整理した日本人男性など、

在日外国人の周辺に生きる日本人も取材しています。


特に、takeshiは難民認定について不勉強であったため、登場する5名の難民や

難民申請者をとりまく現状には愕然としました。


日本は緒方貞子さんが国連難民高等弁務官を務めていらっしゃったこともあり、

難民にはそれなりに理解のある国だと思い込んでいたのですが、

現実はそうでもないようです。


本国で政治的な迫害を受けている人たちにとって、

日本の難民認定やビザの入手は、命にかかわる問題です。


久しぶりに、第二次世界大戦中、日本外務省の訓令に背いてビザを発給し、

6000名のユダヤ人の命を救ったとされる杉原千畝さんの業績を思い返しました。





それではまた!




スティーブ・ジョブズとパレート、あるいはプラトン。

takeshiです。


なんだかすっかり寒くなりましたねーー。

12月初旬はコートを着ない!と決めていましたが、

さすがにそうも言っていられない寒さになってきましたビックリマーク


今、『スティーブ・ジョブズ 全発言』(桑原晃弥著)

を読んでいます。

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とても良い本ですが、この本のレビューは次回に譲るとして、

今回は、前回ご紹介した『スティーブ・ジョブズ』を

読みながら考えたことを、

書きとどめておきたいと思います・・・


$Bookworm in the Hammock



takeshiが面白いと思ったことは、スティーブ・ジョブズの

人材マネジメント手法が、ビジネス書によく登場する

「パレートの法則」から逸脱しているように見えた点です。


パレートの法則とは、どんなチームにも2割のAクラス人材と

8割のその他がいて、チームの8割の成果は、その2割の

Aクラス人材が生み出す、というものですよね。


時に、この法則の説明として、たとえ8割をクビにして

あたらに別の人材を雇い入れても、しばらくすればやはり

2割のAクラス人材と8割のその他に分かれてしまうので、

結局は同じことだ・・・みたいに言われたりするのですが、

ジョブズは果敢にも???Aクラス人材で無いと判断した

人間は、容赦なく解雇したようです。


確かに、チームに加えられたAクラス人材が、Bクラス人材に

転じた瞬間に解雇すれば、チームには常にAクラス人材のみが

存在するようにも思えます・・・


次に、ビル・ゲイツ氏の水平モデルと、ジョブズの垂直モデル

の優劣について・・・

takeshiはこれって、民主政治とプラトンのいう哲人政治の

優劣の話とすごく似ていると思ったんですよね。


プラトンは、師のソクラテスが民主政の下で殺害されたことから

民主政に批判的になり、哲人政治を唱えたとされていますが、

現代では、民主政治の方が圧倒的に支持されています。


それはなぜかと言えば、「哲人」はそうそう現われるものでは

ないということを、人類は長い歴史の中で学んできたからです。


ビル・ゲイツ氏は言っています。

「スティーブが舵を握っているあいだは統合アプローチが

うまくいきましたが、将来的に勝ち続けられるとはかぎりません」


これって、

「哲人が治めている間は哲人政治がうまくいきましたが、

将来的にうまくいくとはかぎりません」

といってるのとほとんど同じに見えます。


ただ、民主政治は衆愚政治にもなりやすい訳で、

スティーブ・ジョブズのゲイツ氏に対する警告も、

たしかに一理あります。


「もちろん、ゲイツの分断モデルは成功したさ。

でも、本当にすごい製品は作れなかった。そういう問題があるんだ。

大きな問題だよ。少なくとも長い目で見るとね。」


$Bookworm in the Hammock


今日はこの辺で!


『スティーブ・ジョブズ Steve Jobs』 ウォルタ・アイザックソン著 (講談社)

みなさま、お久しぶりです!

2ヶ月も空いてしまいました(>_<)

もう12月ですね!!

この間、ぺたをいただいた方、ありがとうございます。


マーケティングとか仕事がらみの本以外は

ぜんぜん読むことができず、

このブログから遠ざかっていました。


最近、そんな時間は無いはずなのに、

どうしても読まずにはいられなかったのが、

本書『スティーブ・ジョブズ』です。


面白かったです!!

いろいろな面で本当に勉強になる本でした!


$Bookworm in the Hammock


アップルコンピュータの創立メンバーの中に、

マークラという、ジョブズの父親のような役割を果たし、

ジョブズにマーケティングを教え込んだ人物がいます。


マークラが作った「アップルのマーケティング哲学」と

いうペーパーの3つ目のポイントは<印象>。


「iPhone や iPad の箱を開けたときに感じるなにか、

それが、その製品に対する想いを決める第一歩に

なってほしいと僕らは考えている。

これはマイクが教えてくれたことだ。」


iPod や iPhone って、確かに過剰なほどクールな

箱に入っていますよね。

あれにはこういう背景があったんだ、という面白さと、

ジョブズにもやはりメンター的な存在がいたっていう

ところが興味深いです。


「50回はやり直しをさせたと思いますよ。開いたら

ゴミ箱へ直行するものなのに、その見栄えにものすごく

こだわっていたのです。」

「美を、品質を、最初から最後まで貫き通す必要が

あるのです。」


僕らがアップル製品に感じる一種のストイシズムは、

このような哲学に裏打ちされたものなのですね。


このマークラという人は本当にすごい人で、

スティーブがアップルを追放され、その後再び

返り咲いたときにこうアドバイスしています。


「PC事業ではマイクロソフトに隅へと追いやられて

しまった。なにかほかのことをする会社に再発明する

必要がある。ほかの消費者製品とか他の機器とか。

蝶のように変態しなければならないんだ」


これは後のiPod , i Phone , iPadへの見事な

方向付けとなっていますよね。この大局観は

すごいです。


次に、興味深かったのは、ソニーはなぜiPodを

生み出せなかったのか、という理由です。

ソニーは、東京芸術大学の音楽科を卒業した

大賀典雄さんが社長の時代から音楽と密接な関係があったし、

その後の出井さんも、ハードとコンテンツの融合を標榜

していたはずです。

そのソニーがなぜ、iPod を生み出せなかったのか??

CDウォークマンまでのソニー全盛期に学生時代を

すごしたtakeshiにとって、

それはとても残念なことだったのですが、

その理由は、ソニーの「社内抗争」にあった、と

本書では分析しています。


技術的に追いつけなかった、というのではなく、

ハード部門とコンテンツ部門の勢力争いがあったとは・・・

本当であれば、日本人としてはやっぱり残念としか

いいようがありません。


3つ目に興味深かったのが、

マイクロソフトのビル・ゲイツ氏との確執です。

PCの世界において、水平的戦略を進めるゲイツ氏と、

垂直的戦略を進めるスティーブとは水と油で、

先日ご紹介させていただいたスタンフォード大学の

卒業式のスピーチの中でも、マイクロソフトは、

マックをぱくった、として皮肉ったりしています。


本書の中で、ゲイツとスティーブは至るところで

罵倒し合いやりあうのですが、実はお互いとても良い

ライバル関係でもあったんですよね。


本書下巻のラストに、死を目前にしたスティーブの自宅を

ゲイツ氏が訪れるシーンがあるんです。

そしてお互いの功績を認め合います。

ここは涙なしでは読めませんでした。

(例によって涙もろいもので・・・汗)。



また、これはホームページ制作に興味のおありの方は

ご存知だと思うのですが、アドビ社のフラッシュって、

iPhoneなどのアップル製品に搭載されているブラウザ(=サファリ)

では見れませんよね?

takeshiも以前からアドビ社とアップルは仲が悪いらしい

ということは知っていたのですが、

本書ではその理由が明らかにされており興味深かったです。



本書の最後で、スティーブは著者に対して、

「このプロジェクトはものすごく怖かったよ」と語っています。

「ではなぜ協力を?」と問われた彼は、こう語っています。

「僕のことを子どもたちに知って欲しかったんだ。」


そう、スティーブ・ジョブズは本書を、

自分の子どもたちに捧げようとしていたんですよね。

だから、おそらく、着飾ることなしに、

在りのままを語ったはずなんです。


天才というものはどういう人なのか、

takeshiは本書ではじめて知ったようにさえ

思いました・・・



スティーブ・ジョブズ。

たくさんのワクワクをありがとう!!


$Bookworm in the Hammock

スティーブ・ジョブズ 【Youtube】 Stay Hungry Stay Foolish

takeshi です。


アップルの創業者、

スティーブ・ジョブズが亡くなりました。


今日、グーグルのトップページに


Steve Jobs,1955-2011


の文字を見たとき、とてもショックで

言葉を失いました。


それと同時に、今日は早く家に帰って

“あれ”を見たい、

と強く思いました。


それが、今日ご紹介するジョブズの

スタンフォード大学卒業式における

名スピーチです。


takeshiは、このスピーチで、

ジョブズが死について触れていることを

忘れていました。


何度見てもすばらしいスピーチです。









とても残念です。

ではまた。

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