映画「2012」(原題:2012)は2009年製作、ローランド・エメリッヒ監督のアメリカ映画である。
ローランド・エメリッヒ監督と言えば「インデペンデンス・デイ」(1996年)、「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年)という人類の危機を描いた作品で有名な監督である。
「2012」はこれに続く人類の危機を描いた作品で、映画.com の【解説】 はこうである。
「インデペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」のローランド・エメリッヒ監督が手がけるディザスター・ムービー。古代マヤ文明の暦が終わる2012年12月21日に地球が滅亡するという予言を題材に、世界中で地震や津波などの大災害が起こる中、必死に生き延びようとする人々を描く。ジョン・キューザックが家族を守ろうと奮闘する主人公に扮し、キウェテル・イジョフォー、ダニー・グローバー、ウッディ・ハレルソンらが脇を固める。
2009年製作の作品であり、物語も2009年の太陽爆発によって地球の地殻に異常が発見されるところから始まるので、公開当時であれば現実に大災害が起こるかもしれないというリアリティーがあったことだろう。
世界の余命、2年──。
全世界60億人が直面する「世界終末の日」。
<ストーリー>
2009年、トップクラスの科学者のチームは、地球が間もなく滅亡に向かっているという事実をつかんでいた…
2012年までにできるだけ多くの人類を救出するようにと世界各国のリーダーからの要請を受けていたが、人類すべてが救出されるのは不可能だということは明白な事実だった。
ジャクソン・カーティスが子供2人とイエローストーンに旅行中、偶然干し上がった湖底に建てられた巨大なリサーチ施設を発見する。
そして政府が隠蔽している、「世界が滅亡へ向 かっている」という秘密を知ってしまう。
ジャクソンは自分の家族、自分自身の身を守る為に必死で生き残る術を模索しはじめるが、大地震、火山の噴火、津波など次々と恐ろしい天災が地球を襲ってくる…
※上記バナーの Amazon 商品サイトより引用
ブログで取り上げることにしたのはストーリーに感動したからではなく、下記の映画.com の特集記事にもある通り、地球規模の大災害による世界の終末映像が圧巻だったからである。
※地震・津波の映像が含まれています。視聴にはご注意ください。
▼映画.com の特集記事はこちら
この作品はあり得る可能性の映像化としてよく出来ていたというだけでなく、この映像を実際に目で見るという体験が、自分の災害に対する感度を上げたと感じられた。
そして、こうした大災害の発生周期は数百年~数万年であるのに対して、我々の都市化と人口増加のスピードは圧倒的に早いということがわかる。
こうした災害時に発生する問題は多様であり、それぞれの問題に対して長期的に対策を講じておく必要があるということも頭ではわかる訳だが、この圧倒的に長い発生周期に対して数十年しか生きない我々はどのように危機意識を持てるだろうかと思うのである。
たとえば地球のN極とS極が逆転する地磁気反転(地磁気逆転)という現象が遠い将来には起こるだろうと言われているが、生物への影響はまだはっきりとわかっていない。(下記の記事等を参照)
▼「朝日新聞社」の「地磁気反転」についての記事
そして、下記の「NATIONAL GEOGRAPHIC」の記事ではその発生頻度はなんと100万年で26回!、つまり4万年弱について1回である。
▼「NATIONAL GEOGRAPHIC」の「地磁気逆転」についての記事
また、「デイ・アフター・トゥモロー」(2004年)の記事では映画のポスターについて「文明の非力さが瞬時に伝わる」と書いた。
こうした作品からは、我々は地球規模の大災害において、再建に必要な生産技術と生存力を失いつつあるのではないかという危機感も感じられるのである。
勿論、災害の予知とそれに合わせた対策はそれなりに進んでいくのだろうが、その段階で必要な技術開発をしていけば事足りるのだろうか。
この圧倒的に長い発生周期に対して数十年しか生きない我々個人は、個々人が生きている時間それぞれにおいて、人類が長い時間をかけて積み上げてきた生産技術と生存力を維持し、これを繋いでいくことも必要であると強く思われた。