「大科学実験」はNHK教育の10分間番組である。
内容はタイトルの通り、科学実験を大規模に行うというものである。
合言葉は「やってみなくちゃわからない」!
最近、幾つか見直したので紹介したいと思う。
大科学実験 DVD-BOX
8,100円
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まずバナーを探してみた。
DVDがあったが意外と高かった。
こちらの公式サイトによれば、
実験01~実験52までが「これまでの放送」とされており、
実験53~実験78が現行分のようである。
このDVDには3枚セットで、実験01~実験26の内、
実験13を除く25回分が収録されている。
さて大規模とは、どのくらい大規模なのだろうか?
「実験57 空いっぱいの虹」では製塩場で大量の塩水を作り、
人工の三重の虹を作っている。
「実験06 リンゴは動きたくない!?」では、
壮大な規模のテーブルクロス引きが行われる。
テーブルクロス引きとは、
テーブル上のグラスなどはそのままに、
テーブルクロスを素早く引き抜くという一発芸である。
「止まっているものは止まり続けようとする」という慣性の法則により、
テーブルクロスを素早く引き抜けば、テーブル上の物はそのままに、
テーブルクロスだけを抜き取ることができる。
どのくらい大規模なのだろうか?
というと、10メートル四方のテーブルクロスを、
車を使って時速140kmで引く抜くのである。
「実験11 卵の上に立つラクダ」では卵を沢山使ってラクダを乗せる。
これはまぁ、沢山集めればラクダも乗るだろうとはわかるが、
実際に見てみたいと思ってしまう。
卵たちに顔文字を落書きするあたりのセンスもなかなかいい。
では、大規模ってどういうことだろうか?
卵の上に立つラクダは乗るだろうが、実際にやってみると、
実際に生きているラクダの重量が沢山の卵に均等に分散されるような工夫が必要になる。
つまり、実験室で小規模にやることはできても、
それをスケールアップして現実化するためには、
更に色々な問題をクリアする必要があるということなのである。
これは、科学技術の現実への応用という意味では特に大切なことである。
NHK大科学実験(全5巻)
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※ブログ作成時の価格:12,420円
本を探してみたら、DVDよりも高くて驚いた。
以下に、別の観点で面白かったものを幾つか挙げておく。
科学実験の観点では「光の速さをはかってみよう」が良かった。
光の速さは細いスリットを上手く用いれば、現代の科学技術がなくても測れるのである。
不思議さという観点では、「クールに水を凍らせろ」を挙げたい。
水は通常は零度で凍るがゆっくり冷やすと、零度以下になっても凍らない。
過冷却と言われる状態である。
しかし、凍るための温度条件は満たしているので、
固体になるきっかけを与えると一瞬にして凍る。
実際に見ると、とても不思議な感じがする。
限界への挑戦という観点では、「遠距離会話」を挙げたい。
この実験では、糸電話はどのくらいの長さまで声を伝えることができるか
という限界に挑戦している。
その距離は100mを越えた。
そして、実際の声を(映像の録音ではなくて)直接に聞いてみたいものだと思った。
最後に、面白さの観点で「人間上昇気流」を挙げたい。
人間の熱気で上昇気流を起こして、それを風車によって視覚的に捉えようとする。
果たしてどのくらいの上昇気流が起きるのか!
やってみなくちゃわからない!
そんな番組である。