アジャン・ブラム「マインドフルな毎日へと導く108つの小話」
第47話 絶体絶命の状況でお茶にする
マインドフルな毎日へと導く108つの小話
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第二次世界大戦でイギリス軍の兵士だった友人の話である。
---あらすじ---
大戦中に著者の友人はビルマで戦っていた。
その友人の所属する部隊の斥候は、戻ってくると、
既に敵の大部隊に囲まれていると報告した。
皆が死を覚悟し、隊長が脱出を賭けた突撃命令を下すのを待った。
しかし予想に反して、隊長はお茶の時間にすると命令した。
その友人は、隊長は頭がおかしくなったと思いながら、
人生で最後の一杯となるだろうお茶を淹れた。
お茶を飲み終わる頃に別の斥候が戻ってきて、
今なら脱出道があると報告した。
隊長はすぐさま脱出を命じた。
そして、この友人は命拾いをした。
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最後の時間を、お茶飲んで過ごすというのは悪くない選択であるように思うが、
軍隊での判断としては確かにあり得ないだろう。
人間の心理としても、
ただ待つよりは、何かしている方が落ち着くものである。
しかし著者は、「どうすることもできない時は、何もしない」という教えは、
命を救うかもしれないと言っている。
仕事をしていると、忙しい時ほど心の余裕が大切だとわかる。
忙しい時ほど普段はしないミスをしてしまうようになる。
状況がどんなに大変に見えても、
それに心まで縛られる必要とわかってからは、
忙しい時ほど心の余裕を気にするようになった。
心に余裕を持つには、その状況から内心は一歩離れることが必要である。
時には、お茶を飲みながら。
マインドフルな心は、流れを見る。