柚木麻子 講談社 2023
STORY:
苦学生の真央はバイト先で元は裕福だった四葉と出会う。四葉に助けられて生活が改善していった真央だったが…。
感想:
やっぱり柚木麻子さんは面白い。今回のは結構シリアスな過去から未来へ続くストーリー。
苦学生で奨学金を借りて大学に進学した真央は、毎日ギリギリの生活を送っていた。しかし、四葉と出会い、生活が段々改善していく。
四葉は試食販売を手掛ける女性で、四葉にかかると何でもすごく売れるのだ。でも、それは四葉が商品にちょっとした手を加えているからなのだけれど。
四葉はかつては裕福な家で暮らしていたらしく、真央に自分の持っているものを惜しげなく与える。
本来なら、真央は四葉に感謝すべきなのだけれど、もらったものが大した役には立たなかったことから、二人は疎遠になってしまう。
その後、四葉の行方がわからなくなり、真央は四葉を探そうとして、四葉の関係者たちと出会って行くのだが…。
戦後から昭和・平成と来て、現在からさらに先の時代まで話が続く。
終わりの先がもっと読みたい…と思わせる作品だった。