息子が新作を見たいと言い出し、テレビで録画した前作「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」を見ることに。

 

 ハリー・ポッターシリーズのJ・K・ローリングが脚本で、ハリーが生まれるより前のお話。

 

 ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)は魔法動物学者。アメリカに魔法動物を返すため、イギリスから旅をしてきたのだが、魔法動物が入ったトランクをジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー)のトランクと間違えてしまう。

 

 ジェイコブが魔法動物が入ったトランクを開けてしまったため、魔法動物がニューヨークに逃げ出してしまった。

 

 その罪で、ティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン)は、ニュートを捕まえて連行するのだが…。

 

 アメリカでは、人間のことをマグルではなく「ノーマジ」と呼び、時代的なものなのか、色々なことが禁止されている。

 

 ジェイコブの人柄がいい。そして、ティナのお姉さん・クイニー(アリソン・スドル)がお色気ムンムンなのに、ジェイコブの心を読んで、ジェイコブに惹かれていくのも面白かった。

 

 魔法動物たちの創造力のたくましさ、そして、絡む様々な陰謀…、ところどころに魔法でこんな素敵なことができるんだー!というわくわくするシーンも交えつつ、悪いことをするとこんなに悪く魔法を使うこともできるんだなーという、使う人次第で良くも悪くもなる魔法についても考えさせられる。

 

 何はともあれ、普通に面白かったので、行けたら映画館で新作も見たいと思う。

碧野圭 実業之日本社 2017

 

STORY:
怪我でスケートを離れていた和馬、スポーツ新聞部で取材を続ける将人。大学4年生の二人は就活・スケート・友情・恋愛など悩みながら、最後の1年を過ごしていく。

 

感想:
 最近はフィギュアスケートもかなり人気が出てきている。でも、テレビに映るのは、ごく一部の選ばれた人のみ。もっともっとたくさんの人がスケートをしていて、その人たちがどんな生活をしているのかが、この作品を読むと何となくわかる。

 

 特に大学生からフィギュアスケートを始める人がいるという事実は、少し驚きだった。何となく小さな頃からやらなくてはダメなイメージがスケートにはある。

 

 でも、大学生からやっても、きちんと試合に出て、成績を出すことができる。その試合の上位になることを目標にがんばる人もいるのだということを知ることができた。

 

 女子に比べると男子は競争が少ない。とはいえ、男子の世界にも色々ありそうだ。

 

 また新聞部の一員として取材をする将人は、就職先にマスコミを選んで、すでに内定をもらっているが、この先も記者としてどういう取材をすべきなのかを考えさせられることになる。

 

 スポーツライター・野口美惠さんの解説が巻末についているが、非常によく書けていて、スケートを続けることの大変さを感じることができた。

 

 どんなスポーツも真摯にがんばる人は美しい!

中島たい子 朝日文庫 2018

 

STORY:
総合病院に併設するカフェで週末だけバイトする小説家の亮子は、夫との不妊に悩んでいる。カフェには様々な個性的な人々がやって来て…。

 

感想:
 私は接客業をやったことがないし、この先もやれるとは思わないので、カフェなどで働くことはないと思うのだが、こういう仕事をできる人ってすごいと思う。そして、それが病院のカフェとなると、普通の店とはまた少し違った様々な人々がいるのかもしれない…。

 

 総合病院だけあって、医療関係者の人も来れば、入院患者が点滴をぶら下げて来ることもある。お見舞いの人もいれば、通院中の人もいる。

 

 そんな変わった常連さんたちにちょっとした愛称をつけつつも、やはり同じ時間帯に毎週やって来る人のことは覚えるし、気になるものなんだろうなーと思う。

 

 バイト中にやって来た一組の夫婦・朝子と孝昭。夫のほうが入院するらしく、二人でカフェにやって来たが、何か言い争いになって、朝子が孝昭にソイラテをぶちまける場面に亮子は遭遇する。

 

 私もこんな場面に遭遇したら固まってしまうかもしれないのだが、同じくバイトの村上は、接客業が長いらしく、何事もなかったかのような対処をする。

 

 朝子と孝昭の夫婦は、夫が潰瘍性大腸炎にかかり、夫婦の仲がすれ違っている。カフェで出会う人々を通じて、二人はお互いに自分の気持ちに向き合うことになる。

 

 亮子が「ゲジデント」と名付けた医師は、3分診療しかしない主義なのだが、それがアメリカでの体験に基づいており、3分で無駄がないわかりやすい診療をするというのをモットーとしているらしい。

 

 3分で何がわかるんだ?と医者が機械的に作業をしているような気持ちで診療が短いのもどうなんだろう?って思う自分がいたんだけど、こういうスタンスの下でやっている医者もいるんだと気付いた。

 

 総合病院ともなると、待ち時間も長いし、あっさりと要所要所を押さえながら診察を終えてくれる医者も実はいいのかなーと考え直したりした。

成田名璃子 光文社文庫 2017

 

STORY:
今日も共同台所「すみっこごはん」には新しい人がやって来て…。くじ引きで当たった人が料理を作る変わった場所には、いろいろな事情を抱えた人がやって来て…。

 

感想:
 「東京すみっこごはん」シリーズ3冊目。

 

 1作目の話をかなり忘れているし、2作目の話も忘れているけれど、登場人物をすっかり忘れていても全然楽しめるこの作品。

 

 1話1話がそれぞれの人のエピソードで、毎回楽しめる。

 

 それに「居酒屋ぼったくり」シリーズよりも、一般家庭の料理のコツみたいなのがわかる気がする。

 

 料理好きな人には楽しめると思う。

 

秋川滝美 アルファポリス 2018

 

STORY:
美音と要は結婚することを考え出すが…。居酒屋ぼったくりで巻き起こるご近所のトラブルから常連客の恋愛模様までの様々な出来事…。

 

感想:
 「居酒屋ぼったくり」シリーズ9冊目。もう9冊目になってしまったのね。

 

 美音と要の仲は進展しているけれど、居酒屋店主と多忙なビジネスマンでは、居酒屋を続けるのは無理なのでは?などと周りが騒いだりしている。この2人のこれからはどんな感じになるのかな?

 

 そして、ご近所トラブルの話では、つわりに苦しむ奥さんに「栗きんとん」を作る。果たして「栗きんとん」がつわりに効くのかどうなのか? 実際に効く人もいるんだろうか? あんまり食べたくない部類な気もするんだけど。

 

 常連さんたちの恋愛模様も一歩ずつ進んでいるようだし…。

 

 このところは、料理よりも人間模様のほうに重きが置かれているような気もする。まあ、そのマンネリ感がまたいいのだと思う。

碧野圭 だいわ文庫 2017

 

STORY:
菜の花食堂の料理教室を主宰する靖子先生には、ミス・マープルという噂が立ち、ちょっとした問題ごとが持ち込まれてきて…。

 

感想:
 「菜の花食堂のささやかな事件簿」のシリーズ2冊目。前作同様、ほのぼのとした温かいムードが漂いながら、色々な事件や問題ごとが靖子先生に持ち込まれる。

 

 また、食堂も発展をとげるべく、地元のマルシェに参加したりして、今後は靖子先生のピクルスなどを売っていく方向にも進んでいくのかなー?とも思わせられ、食堂がどうなっていくのかも楽しみな展開となっている。

 

 日常の重々しい事件を扱うわけではないので、気楽に読めるところもよい。

 

桐野夏生 朝日新聞出版 2018

 

STORY:
両親が夜逃げし、叔父夫婦に預けられた真由は、ひどい扱いを受け、渋谷のラーメン屋でバイト。家に帰りたくない真由はリオナという少女と出会い…。

 

感想:
 渋谷を徘徊する女子高生。家に帰りたくないのは、その一人一人に様々な理由がある。そして、居場所がない彼らはあまりにも無防備でだまされやすい。

 

 真由は何不自由なく両親の愛を受けて育てられてきたのに、突然、両親に親戚の家に行かされる。決まっていた私立高校への入学は難しくなり、公立の学校に変えたものの、勉強をしたい子が集まってくるわけではないその高校には全くなじめない。

 

 叔父夫婦の家は経済的に苦しく、高校生の子供を預かる下地がなかった。そのため、小遣いもろくにもらえず、ご飯も満足に食べさせてもらえず、真由は居場所がない。

 

 そんな環境に嫌気がさした真由は、渋谷のラーメン屋で雇ってもらう。そのことから様々な出来事に巻き込まれていく。

 

 渋谷には女子高生を食い物にするような様々な職業があり、また居場所がなくフラフラしている女子高生を誘惑する誘いもたくさんある。

 

 真由は行き場がなくて困っているので、泊まるところがあるとか言われると、すぐに相手を信用してついていってしまう。または自暴自棄になってついていってしまう。

 

 普通行くかなー?って思うようなところで行ってしまい、結局危険な目にあって、逃げ出す。

 

 学習しないなーとも思うけど、これが実際の女子高生の姿なのかもしれない。

 

 真由が出会ったリオナやその友達のミトなどは、両親がひどく、子供の頃から信用できる大人が周りにいない。

 

 そして、3人はぶつかり合いながらも一緒に生活する方法を模索したりする。

 

 多分リアルなんだとは思うけど、あまりにも衝撃的な話で、自分はこういうこととは無縁で生きてきたけど、それは幸運なことだったのかなーとか、考えてしまった。

 

 とはいえ、どうなるのか最後まで目が離せず、結構一気に読んでしまった。この先も知りたかったんだけど…というのが、正直なところだけれどね…。

若竹千佐子 河出書房新社 2017

 

STORY:
夫を亡くし、子供たちとも疎遠になって一人で生きている桃子さん。孤独なようでいながら、桃子さんの頭の中にはたくさんの人の声が存在して…。

 

感想:
 芥川賞を受賞した作品。面白そうかなーと思って読んでみることにしたけれど、やはり芥川賞を取っただけのことはある…というか。

 

 正直なところ、結末がよくわからなかったな…。

 

 娘や息子の育て方を間違えたと思いつつ、毎日を一人で過ごす桃子さん。私は孤独の中で、いろんな声に囲まれながら死んじゃうのかなーと思ったんだけど、この結末はそうではなく…。

 

 やはり生身の人間同士の関わりが大事ってことなのかなー?

 

透明なゆりかご

テーマ:

 沖田×華のマンガが原作のNHKのドラマ。

 

 看護師を目指すアオイ(清原果耶)は、アルバイトの看護助手として由比産婦人科に勤めることになる。

 

 初めての病院での仕事は、中絶手術に立ち会うことだった。中絶は数多く行われており、死因のトップだということを知り、驚きつつも、院長の由比(瀬戸康史)、看護師長の榊(原田美枝子)、先輩看護師の紗也子(水川あさみ)のもとで、様々な体験を重ねていくアオイ。

 

 そんなアオイは、発達障害と診断されていて、幼い頃はそうとは知らない母・史果(酒井若菜)から怒鳴られながら育った。父とも離婚して、母一人子一人の生活を送っている。

 

 アオイの視点から様々なケースを見て、毎回考えさせられる内容になっていた。子供がほしくても授からない人がいれば、子供が多すぎて育てられず中絶をする人、中絶手術にお金が払えず、わざわざ田舎の病院まで行く人、育てられない赤ちゃんを捨てる人もいれば、せっかく授かった赤ちゃんに先天的な病気があり、長くは生きられないケースもある。また、いまだに出産時に母親が死んでしまうケースもなくすことはできず、出産というものはやはり命がけなことであると思う。

 

 妊娠は病気ではないけれど、そのせいで病気になったり、最悪の場合には、死ぬこともある。

 

 授かった命、無事に五体満足に生まれてくれた命は、本当に貴重で大切なんだなーと改めて思い、自分の子供を大切にしないとね…とも思うのであった。

 

 アオイ役の子のひたむきさが本当によかった。

半分、青い。

テーマ:

 NHKの朝ドラ。北川悦吏子脚本。主題歌は星野源「アイデア」。

 

 子供時代にムンプス難聴を患った鈴愛(永野芽郁)は、岐阜の梟町で高校までを過ごす。父・宇太郎(滝藤賢一)は母・晴(松雪泰子)とともに食堂を営んでいる。

 

 鈴愛と同じ日に同じ病院で産まれたのが律(佐藤健)。写真館を営む父・弥一(谷原章介)、それをやさしく見守る母・和子(原田知世)の下、天才肌だが、喘息持ちであまり友達づきあいがうまくない少年時代を過ごす。

 

 そんな律のことを一番理解しているのが鈴愛であり、高校に入ると、小学校時代からの親友・ブッチャー(矢本悠馬)、菜生(奈緒)とともに梟会という会を作り、喫茶店に入り浸る日々を送っていた。

 

 高校を卒業し、それぞれの道に進もうというとき、律が貸してくれた秋風羽織(豊川悦治)のマンガに感銘を受け、漫画家になることを決意。母の反対を押し切り、東京のオフィス・ティンカーベルへ。

 

 そこで出会ったのは、同じく漫画家を目指している裕子(清野菜名)とボクテ(志尊淳)、秋風羽織の秘書・菱本(井川遥)。紆余曲折の末、鈴愛は念願の漫画家デビューを果たすが…。

 

 普通の朝ドラなら、主人公が漫画家を目指したら、漫画家になる…というストーリーだと思うのだけれど、今回の場合は、主人公は漫画家デビューを果たすものの、才能の枯渇に悩み、結局漫画家をやめるという選択をする。

 

 そして、東京の100円ショップで働き始める。その頃、頼りにしていた律は鈴愛に交際を断られたショックから別の女性と結婚してしまい、鈴愛は絶望に打ちひしがれている。

 

 そんな時に出会った涼次(間宮祥太朗)は映画監督を夢見る青年。自分が果たせなかった夢をかなえてもらえるように応援したいと思った鈴愛は涼次と結婚。一児をもうける。

 

 苦しい生活の中、涼次にチャンスが巡って来る。そのときに涼次が取った行動は、妻子を捨てて映画にかけるというものだった。鈴愛は離婚し、実家の梟町へと戻る。

 

 律もまた、苦しい結婚生活を送っていた。母が病気で長くないこともあり、律は一人で実家に戻って暮らしていた。

 

 実家に居場所がなくなっていた鈴愛は食堂の2号店を開店し、祖父・仙吉(中村雅俊)の名物・五平餅を受け継ごうと思う。

 

 しかし、娘がスケートをやりたいと言い出したことから、再び東京へ…。

 

 そして、さらに年月が過ぎ、律も離婚し、東京で一人暮らしを始める。鈴愛は一人で色々なものを発明し売るような仕事をしているが、律との距離が縮まっていき、二人で事業を始めることに。

 

 と、紆余曲折があって、最後は結局律と鈴愛は結ばれるだろう感じで終わる。

 

 途中のナレーションとかから、多分最後はこうなるだろうなーとは思っていたのだけれどね。まあ、終わり方としては悪くはなかったと思うのだけれど、でも、最終回なのに結末がわからずじまいなことが多すぎた。

 

 二人が発明した扇風機は結局売れるのか? そして、二人の会社は反映していくのか? 鈴愛の娘のスケートはどうなったのか? 転校させたのか? 津曲(有田哲平)の息子はどうなったのか? 

 

 この後、続編でも作れそうな勢いで、いろんなことが投げっぱなしで終わってしまったような気も。

 

 登場人物の思考や行動が急すぎて、どうしてこんな展開に?と思うような無理な部分もあったし、セリフの中には、こういうことは言わない(放送しない)ほうがいいんじゃ?と思うような部分もあったし…。

 

 そのたびに引っかかるところもありつつも、やはり律役の佐藤健がかっこよくて、いい感じで、つい見てしまった感じ。鈴愛役の子もメイクをするとすごいきれいなのに、最初の方、ホントにかわいくなく描かれていてかわいそうなぐらい。

 

 でもまあ、色々悪目立ちするようなところもあったけれど、時々登場人物がいいことを言うので、きっと脚本家はこれを書きたかったんだと自分を納得させる。

 

 朝ドラとしては、冒険的なことの連続だったような気がするけど、最後まで二人がどうなるのかを引っ張って見せ続けたのは、最終回が回想シーンばかりの脚本家に比べたらよかったのかもしれない。