カルテット | BOOKROOM

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本と本屋が大好きな私の、おすすめする本です。

「カルテット」(坂元裕二 河出書房新社)

 

この数年、小説とかドラマなどから遠ざかり

フィクションはマンガで十分、

という生活だったのですが

人から勧められた連続ドラマ「カルテット」に

いきなり!はまりました。

ただ、見始めたときにはすでに後半に入っていて

見逃した分が見たくて頭が煮えていたときに

書店で見つけたのが

この、全2巻のシナリオブック。

 

読みこみました。そして、この

 

大事なことは口に出さない、

緊張と安定のぎりぎりのバランスの空間

というのは

向田邦子のドラマであり小説の

「あ・うん」の雰囲気に似ている、と気づきました。

 

高校のころいちばん好きだった作家が向田邦子で

その中でも一番好きなのが「あ・うん」でした。

こういう

「複数の男女が、互いを大切にしながら

あやういバランスを保つ空間」が

30年前も今も自分のツボであることに

自分でびっくりです。

 

年齢を重ねる、というのは

螺旋階段を昇る感覚に似ていて

同じ風景でも高度が違う・・・という感覚を

この2つの作品から感じています。

 

自分が18で親元を離れたときの30年前の感覚と

自分の子供が18で今手元を離れた感覚も

螺旋階段のような感じです。

同じ景色のようで見え方が違う。

そして家族構成が変わったら

いきなり飼い犬の態度がでかくなりました。

偉そうな一人っ子状態。