依頼人は死んだ(若竹七海 著) | ⛳ボギーオン100%を目指すミニマル・ゴルファーのブログ

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☆☆☆
依頼人は死んだ
若竹七海 著
文春文庫

依頼人は死んだ (文春文庫)
若竹 七海
文藝春秋
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葉村晶シリーズの2作目です。前作「プレゼント」から少しつながっていますね。

今回は、表題作を含む9つの連作短編集です。

(1) 『濃紺の悪魔』
前作「プレゼント」のおさらい、3年勤めた長谷川探偵調査所、4姉妹の末っ子の葉村晶29歳。所長から若い女性の身辺警護の仕事をもらう。推理は少し、サスペンスっぽい感じのお話し。

(2) 『詩人の死』
友人の婚約者である詩人が遺書を残さずに自殺した。友人(女性)と母親の確執、詩人(男)と父親の確執、友人と詩人の職場問題などを聞き込む探偵。腑に落ちる結末は無く…。

(3) 『たぶん暑かったから』
知り合いの娘が起こした傷害事件の調査。すごく頑張って調査した結果、何が起きたのかを推理して被疑者に確認すると…結末はタイトル通りに。

(4) 『鉄格子の女』
大学生のレポート代行。特定の人の作品目録作成。画家の事を調べていく。「鉄格子の女」がどのような状況で描かれた絵なのかを推理する。尻切れトンボな終わり方。



(5) 『アヴェ・マリア』
クリスマスイブに起きた殺人事件(の後に行方不明になった聖母マリア像)の調査を依頼された探偵・水谷。水谷は葉村晶と同じように長谷川探偵調査所から仕事を請負うフリーランス。途中から流れが一気に変わり…これっ、面白い!

(6) 『依頼人は死んだ』
書道家の友人主催パーティー、友人の友人から仕事の依頼。行っていない健診からガン告知の郵便。その後、依頼人は自殺。聞き込み調査、推理、謎解き。おぉ〜! 最後は納得なオチ。

(7) 『女探偵の夏休み』
友人と2泊3日の旅行。2年前に起きた崖からの転落事故の真相を……探偵の友人が解き明かす! 探偵は只、寝ているだけ。サスペンスっぽいですね、崖なので。

(8) 『わたしの調査に手加減はない』
同居する友人の母親の紹介で相談者が。夢に出てくる10年前に自殺した友人の調査を依頼される。結末はダークな感じですね。一時期話題になってた年賀状あるある。

(9) 『都合のいい地獄』
アヴェ・マリアの探偵・水谷が自殺した。その5日前には訪問していない葉村晶の記録があった。濃紺コート、首に痣がある男性が浮かび上がる。その男に翻弄される葉村晶。サスペンスホラーみたいな作品ですね。



全体を通して...「そんなに面白くない」...けれども『アヴェ・マリア』と『依頼人は死んだ』は面白いと思います。